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チャラン・ポ・ランタン Vo.ももの
私の想ひ出のショウ Vol.44

2019/8/20

連載コラム

オーマイ天然酵母と共演編


パンがうまい。とにかくこのパンがうまい。
おいしい。
うまい。

松本へ行ってきた。
その松本で買ってもってかえってきたパンが、パンが、本当においしい。
私はどちらかと言わなくとも間違いなくゴハン派である。これは間違いなく、それだ。ゴハン派。毎食毎食、白米を食べるためにおかずを決めていると言ってもいい、というか、確実にそれである。白米以外の物は全て、白米を食べるための、白米を美味しくいただくための、それである。つまりチャーハンおかずに白米も、勿論食べれる。そのくらい白米が好きだ。

それでもそんな私もたまにパンも食べる。なんなら家の隣はパン屋さんだし、パンはパンで好きだ。
朝ごはんに食べるなら、白米とお味噌汁! が私のお好みなだけであって、パンはパンで好きは好きだ。

だが革命が起きた。この度私の中で衝撃的な出逢いがあったのだ。それがこの松本にあるパン屋さんのパンである。うまいうますぎる。しかも安い。そして優しい。そのパン屋さんのおとうさんのチャーミングな笑顔がまた、あたたかい。天然酵母と書かれたお店の硝子の扉が懐かしい。毎日たべたい。そういえばだけどこれを書いている今日はまだそのパン屋さんのパンしか食べていない。

こんなにあんなに白米好きの自分がここまでパン一色に染まる日が来るなんて。と、ここで問題なのが、松本という場所がなかなか近所ではないことである。毎日たべたいものに出逢ったというのにここまで残酷な話が他にあるだろうか、毎日たべたいと思った瞬間から毎日たべることは不可能なのである、なぜか、答えはただ一つ、松本に住んでいないからだ!なんてことだ!なんで私は松本に住んでいないんだ!何やってんだ私は!心底呆れるよ!

私はこの唯一残っている貴重な5斤の食パンをそのまた半分に切って10枚にして毎日2分の1枚を噛み締めながら食べたとして、あと10日でこのパン生活が息絶えることになる。
出逢ったそばから離れ離れ。オーマイ天然酵母。もっと早く出逢いたかったよ。

そんなオーマイラブリー松本には3日間いた。「空中キャバレー」という演出家串田和美さんが二年に一度やっているサーカスと舞台とお祭りと全部ごっちゃ混ぜの愉しい催し物。
私たちはゲスト枠で3日間参加していた。音楽はcobaさん。cobaさんと相方小春ちゃんのアコーディオン2台で歌える日が来るなんて。小春ちゃんがまだ10代の頃アコーディオンコンクールの審査委員長がcobaさんで表彰状を受け取っていた関係が時が経ちこうして共演する日がきて、小春ちゃんの作った曲を一緒に弾いているなんて。演奏中に相方の顔を見たら緊張のあまり元々のいかり肩が更に増していかり肩になって顔も固まっていたのが私の想ひ出。またいつの日か一緒に演奏したいな。

夢のような3日間。
お皿に落ちたパンくずを指で拾って食べながら松本を想います。

おいしかったなぁ。間違えた、たのしかったなぁ。アディオス。

バックナンバー
チャラン・ポ・ランタン Vo.ももの私の想ひ出のショウ Vol.43
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