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向井理×勝村政信が舞台初共演
安心して怖がれる!?没入型の二人芝居

2024/5/21

インタビュー

パルコ・プロデュース 2024 「ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女~」

ひたすら怖くて、スリリングなイギリス生まれのゴシックホラー劇「ウーマン・イン・ブラック」が、向井理と勝村政信という豪華キャストで9年ぶりに戻ってくる。この作品は、スーザン・ヒルの同名小説をもとに1987年にスカボローのスティーブン・ジョセフ・シアターで開幕。以降、日本を含め世界40ヵ国余りで上演され、ウエストエンドでは34年間もロングランを続けた傑作だ。作品は二人芝居で、中年の弁護士キップスと若い俳優が、過去に体験した世にも恐ろしい出来事を劇中劇のスタイルで再現していく。プライベートでも仲がいいが、舞台での共演は初めてという向井と勝村が和気あいあいに語った。

――作品のオファーがきて、選んだ理由は何ですか。

向井理(以下:向井)「勝村さんと芝居ができることが一番ですね。勝村さんとお芝居したことは1回ぐらいしかないんですよ。ここ最近、立て続けにお会いする機会があって、タイミングとかも縁だなぁと思いますね。あとは舞台自体、僕はやらないといけないと思っているんです。今までやったことのない二人芝居というハードルが高い、やるからには単純に楽しかったな、簡単だったなというよりは、何か挑戦しがいのあるものをやりたいと思っています。日本でも昔から上演されてきた作品ですが、僕としては初めて挑戦する壁になるんじゃないかと思いました」

勝村政信(以下:勝村)「僕は理ちゃんが出ると聞いてびっくりしましたね。理ちゃんと舞台というのが僕の中で結びついてなくて、意外な気がして。でも結構、舞台に出ていることを知って、僕の驚きのほうが間違いだったんですよ」

――お二人がご一緒されたのは映像作品ですか。

向井「そうですね。でも僕、勝村さんに騙されてサッカーをやったから、あれが初共演ですよね(笑)。バラエティー番組でシイタケを食べさせられたりしたこともあったんですが、その後はドラマでご一緒しましたよね?」

勝村「そう。エリート弁護士の役」

――向井さん演じる俳優は若き日のキップスを、勝村さん演じる中年の弁護士キップスは彼が出会った人を演じていくというスタイルで物語が進行します。それぞれの役どころを聞かせてください。

向井「僕はヤングキップスを演じますが、冒頭では俳優の役というパーソナリティもある。俳優としてはちょっとイラッとするような人でも最初はいいのかなと。キップスになってからは誠実なんですが、色んなキャラクターが見えてくる作品なので、あまりこういう人、と固めずにやっていきたいですね」

勝村「僕が演じるオールドキップスは、過去に恐ろしい思いをして傷ついて、トラウマがあり、夜な夜なうなされていて、それを何とか払拭したいと思っている。そのトラウマを葬って、自分の中からなくなってくれればと願っている人。理ちゃんの役にすがるような思いで頼み込んでいるという役ですね」

――向井さんは台本を読んでどう思いましたか。

向井「不穏な空気はあるんですけど、なかなかそれが見えてこないままどうオチがくるのかと。最後にすごく腑に落ちる話で、簡単にネタがばれないようにうまくできていますね。やる側は大変だと思いますけど、どれだけお客さんを世界観に引き込めるかで面白みは変わってくるのかなと思います」

――勝村さんは2015年に初めてこの作品に出演されています。

勝村「本当によくできた作品です。基本的には演出も決まっていますし、僕も含め皆、演出家の魔法にかかっていますので、安心して怖がってくださいという感じですね」

――観客にとってどこが魔法になりそうでしょうか。

勝村「物語はもちろん、俳優が何役も演じるところですね。あとは想像力でしょうね。お客さんが想像力を使って、僕らと一緒に体験しているかのような。そこがとても楽しいし、段々怖くなっていくのが、また一番の魅力ではないですかね。
僕がやらせていただくので、笑いを多めにしようかと思っていますし、怖い怖いと言いながらも、面白くて、ふり幅が非常に大きい作品です」

向井「僕はまだ台本を読んだだけで、観客として舞台を体験したこともないので分からないんですけど、体験型の作品じゃないかと。劇場の中で二人で話をしているという設定なので、お客さんは観客でもあり出演者でもある。没入できる作品になると思います」

――勝村さんは9年前と変化させたいところはありますか。

勝村「演出家が色んな方たちと何パターンもやっていて、前回は岡田将生君と僕だったんですが、決め事はあるけれどそれ以外は自由にやってくださいという演出だったんですよ。まだ、自分の中に残っているものがあり、それに近くはなってくると思うんですけど、理ちゃんとのコラボで何かが生まれたら。それが一緒に舞台をやる楽しみですね」

――お二人ともキップスを演じますが、向井さんは勝村さんのようなキップスを演じようと思うのか、どうお考えですか。

向井「決めてないです。やっていく中で、何か見えてくるものがあると思うので。作為的にやろうとは思っていないですね」

勝村「今、理ちゃんの後ろの鏡に黒い服を着た女の人が写っているんですよ。こういうことなんですよ(一同笑)」

――ところで、お二人はサッカー仲間だそうですが、サッカーをやりながら感じる互いの人間性は何でしょうか。

向井「勝村さんとはまだ一回しかやってないんですよ(笑)」

勝村「最初、何が驚いたかっていうと、彼はセンターバックなんですよ。イケイケの点取り屋かと思ったら、センターバックをやっていたという(笑)」

向井「そうです、そうです」

勝村「だいたいね、後ろのポジションの人たちは周りをよく見ているので、芝居のうまい人が多いんですよね。トップはダメですけど(笑)」

向井「ダメではないですが(笑)、周りを気にしないでガンガン行く俳優さんはいますよね。そういう人は確かにフォワードだったりする」

勝村「昔から僕は、芝居とサッカーはほとんど同じだと言っているんです。理ちゃんは本当に周りを見ているし、NGを出さない」

向井「勝村さんこそ全然出さないですよね」

勝村「そんなことはないです。もうただのおじいさんですから(笑)」

向井「この前、上戸彩ちゃんが『勝村さんはセリフが完璧に入っているから怖い』って言っていましたよ」

勝村「それは若いころ、泣きながら覚えた経験があるから(笑)」

――ちなみに勝村さんのポジジョンは?

勝村「僕は若いころはウィングですね、年を取ってから、トップ下やボランチもし始めて、若いころに、それこそイケイケのフォワードとか色んなポジションやっとけば良かったと反省しましたね。芝居をやったおかげで、色んなことを考えられるようになり、サッカーの見え方が変わりました」

向井「勝村さんはサッカー、一本ですし、サッカーのついでにお芝居をしているような人なんです(笑)」

勝村「おっしゃる通りですよ(笑)」

向井「メインがサッカーで、お芝居で吸収したものをサッカーに生かすという。お芝居は踏み台ですね(笑)」

勝村「おっしゃる通りです(笑)」

向井「清々しいです」

勝村「職業欄に草サッカー選手と書いていますから(笑)」

――(笑)、最後にメッセージをお願いいたします。

勝村「理ちゃんと舞台で共演するのは初めてで、どうなるか想像できないんですけど、二人の作り上げる雰囲気が楽しみですし、それをお客様に楽しんでいただけたらいいなと思います」

向井「膨大なセリフ量なので、引き受けてちょっと後悔していますけど(笑)、ちゃんとそれが馴染んでくれば、すごく楽しめるのではないかと思います。エンターテインメントとして笑わせ、楽しませたいという思いが二人とも強いので、色々とアイデアが出てくるんじゃないかと。そこに身をゆだねてもらえれば、あまり観たことのない世界を観ていただけると思います。勝村さん、今、セリフはどのぐらい入っていますか? 僕は10ページぐらい」

勝村「似たようなもんだよ」

向井「良かった(笑)。お互い頑張りましょう!」

取材・文=米満ゆう子

 

パルコ・プロデュース 2024
「ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女~」

■原作
スーザン・ヒル
■脚色
スティーブン・マラトレット
■演出
ロビン・ハーフォード / アントニー・イーデン
■翻訳
小田島恒志

■出演
向井理 勝村政信

▶▶オフィシャルサイト

大阪公演

|日時|2024/07/05(金)~2024/07/08(月)≪全5回≫
|会場|森ノ宮ピロティホール
▶▶公演詳細

 

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