2022/9/21
取材レポ
――宝塚歌劇団退団後の舞台では初主演となります。今の心境を教えてください。
「主演という形で舞台をやらせていただけることは本当に光栄です。また、パルコプロデュースの重厚感のある作品だけに、得るものも多いだろうと思います。主演ですが役者としてはまだまだ未熟な点もありますので、共演者の皆さんからたくさんのことを学んで、自分自身も成長しながら良い舞台を作っていけたらと思っています。この作品は第二次世界大戦直前の上海を舞台に、非常にシビアでデリケートな問題が描かれていますが、今を生きる多くの方々にとって意味があるものとしてお届けできるよう頑張りたいです。」
――マヌエラという役については、いかがですか。
「マヌエラはSKD(松竹歌劇団)の永末妙子さんという実在の人物がモデルなので、失礼がないように取り組んでいきたいと思います。妙子さんの資料はたくさんありますが、台本に描かれていることをどう伝えていくかということが一番大事だと思うので、妙子さんへのリスペクトを持った上で、鎌田敏夫さんが書かれた台本から読み解ける彼女の人物像を丁寧に表現していきたいと思っています。」
――24年ぶりの再演です。ストレートプレイとして上演された初演との違いはあるのでしょうか。
「現時点で演出家の千葉哲也さんがおっしゃるには、初演よりもダンスで見せる場面を多く作りたいと。ダンスで感情をきちんと表現することも大きな挑戦になるので、しっかり練習を積んでいきたいですね。」
――珠城さんはいつも、どんな思いで踊っていらっしゃいますか?
「踊っているときは音楽に身を委ねています。「楽曲のイメージで踊ってください」と言われると、歌詞に合わせた思いを踊りに乗せるようにして、表現したい気持ちがご覧になる方に伝わるよう、表情や息遣いを気にしながら踊っていました。今まではそういうふうに音楽やダンスの内容に求められているものを伝えることに重きを置いていたので、自分自身の気持ちを解放するために踊るという妙子さんとはまた違います。これから妙子さんの気持ちを取り込んで踊るのが楽しみです。」
――宝塚歌劇団に在団中、「この方のダンスにはかなわない」と思う同級生や先輩、後輩はいらっしゃいましたか。
「たくさんいらっしゃるので難しいですね…(笑)。月組で言うと、瀬奈じゅんさん、霧矢大夢さんをはじめ、本当に素晴らしい方々ばかりでした。皆様の背中からいろんなことを学びたいと思っていましたし、「いかに男役として品よく素敵に見せるか」ということを学びました。」
――最後に改めて意気込みを聞かせてください。
「『マヌエラ』という作品が大阪でも上演できることを非常に嬉しく思っています。森ノ宮ピロティホールは自分も実際に足を運んだことがある劇場で、まさかこのステージに立てるとは思っていなかったので、その点も楽しみです。『マヌエラ』は幅広い年齢層の方にご覧いただきたいですし、どの年代の方にも心に響くものがあると思います。2023年版『マヌエラ』が素敵な作品になるよう、演出の千葉さんと素晴らしいキャストの皆さんとで一生懸命、頑張っていきたいと思いますので、ぜひ劇場に足をお運びください。」
撮影:源賀津己
PARCO PRODUCE 2023
「マヌエラ」
I am a dancer. Love me?
■出演
珠城りょう 渡辺大 パックン(パックンマックン)宮崎秋人 宮川浩
岡田亮輔 齋藤かなこ ほか
■脚本
鎌田敏夫
■演出
千葉哲也
■音楽
玉麻尚一
■振付
本間憲一
|日時|2023/01/28(土)~2023/01/29(日)≪全3回≫
|会場|森ノ宮ピロティホール
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