混沌とした世の中、エールを送れる笑いを！
4年ぶりの全体公演に新たな形で全力投球

あらゆる角度から笑いを追求して37年。ショーアップしたパフォーマンスで楽しませるWAHAHA本舗も、昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、好評だった『ラスト』シリーズ3部作に続く全体公演『王と花魁』が延期となった。その舞台が1年半ぶりに待望のスタート。10月から12月まで全国14ヵ所をまわる。
関西では11月13日に堺、11月14日に神戸、そしてツアー最終地となる大阪で12月3日～5日まで上演される。いつもエネルギッシュな創立メンバーの久本雅美が、公演への意気込みを取材会で語った。

――今作はWAHAHA本舗4年ぶりの全体公演となります。

「私たち自身“ワハハワールド”が大好きなので、それをまた出来る！という思いと、『どんなこと、やったろうか！』という爆発的な思い(笑)、お待ちいただいたファンの皆さまの期待にお応えしたい気持ちでいっぱいです。混沌とした今の世の中、特にエンタテインメントが必要だと思うので、笑っていただき、重たいものをいっときでも忘れ、元気になってもらえればと思います」


――若手からベテランまで約30人のメンバーで魅せる『王と花魁』、どのような舞台になりそうですか？

「ワハハは台本がないので、稽古をしていくうちに『あかんな』と思ったネタはやめるんですけど、今いろんなアイデアが出ているので、楽しみにしていただきたいです。
例えば（劇団主宰・構成・演出の）喰始さんが、男性陣に『花魁をジャズで表現したら？』とか、若い女性陣に『何もかもヘビメタで表現したら？』とか投げかけてます。オリンピックをコンテンポラリーで表現するというアイデアも出ています。私と柴田(理恵)は必ず二人のシーンがあり、お互い近所に住んでいるので早めに会ってネタを考えました。コンセプトとしては、二人で応援団パフォーマンスをしようと。学ランにリーゼントという形になるかと思いますが、混沌とした世の中、応援団として皆さんにエールを送れるようなネタをやろうと思っています」


――WAHAHA本舗の醍醐味である、客席を使ったパフォーマンスが出来ないのは残念ですね。

「客席で踊ったり、お客さんを舞台に引き上げたりとか絶対に出来ません！ ほとんど客席が舞台だった梅垣(義明)くんは大変ですが、お客様が彼に何かを仕掛けるかも…という感じで楽しんでいただこうかと。コロナで出来なくなったことがある分、出来ることを面白がっていきたいです。
今回、泉谷しげるさんがポスターに出ていますが、『出る出る詐欺』で舞台には出ず(笑)、曲を書いて下さっています。その曲と共に、お客様が思いを書いたマスクをつけて撮った写真を、舞台のエンディング近くに映像で流す『マスク de エール』という、お客様参加型パフォーマンスも楽しんでいただきたいです」

――久本さんはテレビでもご活躍ですが、やはり舞台はテレビとは違う魅力がありますか？

「テレビは瞬発力、舞台は持久力が必要です。やったことが正解か不正解か、ダイレクトに分かる緊張感が舞台の醍醐味。その中でもWAHAHA本舗は“生みの苦しみ”がありますが、自分の殻が破れる挑戦の場であり、私の原点です。創立メンバーはみな60歳を超えていますが、一回一回全力投球しています。私はここ2年ぐらい前から、週一回パーソナルトレーナーをつけるようになりました。柴田さんはヨガに行ってて、『ワケの分からんポーズして死にそうや』と言ってました(笑)。やっぱりいいパフォーマンスをするために、体力を最高の状態にもっていくのは絶対的な条件だと思います」


――まだWAHAHA本舗の舞台を観たことがない人に伝えたい、ワハハの魅力とは？

「私や柴田とかテレビでは見たことがない姿で出るので、観て損はないですよ、と！ 『そんな格好するの!?』と絶対思うはず。WAHAHA本舗っておもちゃ箱をひっくり返したようなネタが次々と出てくる。皆さんの知らない世界だと思うんです。下ネタや過激なネタが多いというイメージは裏切りませんが(笑)、ファンタジーやグッとくるものまで揃えています。柴田が“町の中華屋さん”とうまいこと言ってますが、『いつものメニューで！』というのが目白押しなのがWAHAHA本舗。美味しければ、面白ければ何でもええんちゃうか、という“いつもの味”を楽しんでいただけたら」


――関西は堺、神戸、大阪市と3ヵ所での上演となります。

「関西の皆さんは本当に明るくて元気で楽しいことが大好き。面白がってくれる器がでかいですよね！ 私たちもお客様の笑顔と拍手、盛り上げて下さる雰囲気に、かえって元気をいただくので、さらにパワーアップできます。笑いのためなら何でもやる！という私たちのパフォーマンスで、素敵な時間を過ごしていただきたいです」

取材・文：小野寺亜紀

INFORMATION