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【インタビュー】デビュー31年の辛島美登里が春をテーマにした楽曲を披露

2020/2/20

インタビュー

Midori Karashima Concert Tour 2020 ~Cherry blossoms~

昨年、1989年のデビューから30周年を迎えたシンガー・ソングライターの辛島美登里。30周年を記念して、昨年、過去のシングル曲を厳選して集めたアルバム「Carnation」をリリースし、全国ツアーを行った。今年、新たに「Cherry blossoms」と題したコンサートを4月5日(日)、兵庫県立芸術文化センター 中ホールで開催、会場限定販売のCD「Cherry blossoms」もリリースする。辛島にコンサートの思いや、アルバム「Carnation」、大ヒット曲「サイレント・イヴ」の制作秘話、初めて観客の前で挑戦したバレエなど、多岐にわたって語ってもらった。

 
――今年でデビュー31年を迎えますが、辛島さんの作詞作曲法は自然にメロディが浮かんだり、締め切りに追われたりと、色々なやり方があるのですか。

 
辛島「大半は締め切りに追われて作ります(笑)。ギリギリになっても何もない状態(笑)。ほかは映画を見て忘れられないシーンに出会ったり、旅行ですてきな場所に巡り合ったり。電車に乗っている時など、動いているほうがイメージがわく。そこでエキスをもらって、家であれこれ作ります」

 
――今までの楽曲はご自分の子どもみたいなものですか。

 
辛島「そうなんですけど、忘れているものも多いです(笑)。私、後ろを振り向かないタイプなので、古い写真を見ないでみたいに、恥ずかしくて。『Carnation』は、技術的にも幼い自分を見るのは嫌だなと思っていたんですが、聴いてみると悪くない(笑)。失敗ばかりではなかったんだとやっと分かりました(笑)。今度のコンサートは新曲の『カーネーション』や『桜』など春をテーマにした楽曲、阪神淡路大震災が起きた時に書いた『愛すること』、アメリカ同時多発テロが起きた時に書いた『Lullaby』など、時代性を帯びた曲も考えています」

 
――カーネーションはお好きな花なのですか。

 
辛島「実はそんなに好きでもなかったんです(笑)。本当は日持ちしない、アメリカンブルーやムスカリなど青い花が好きなんです。でも、『colorful』『Cashmere』というアルバムを作ったので、『C』つながりにしたかった。どうしたものかと思っていたんですが、カーネーションは値段もバラほど高くはないし、日持ちがする、茎も折れにくい。自分もそんな人でありたい、と思い、曲が出来ました」

 
――「Carnation」には、大ヒット曲「サイレント・イヴ」の弾き語り版も入っています。この曲は当時流行ったトレンディドラマ「クリスマス・イヴ」の主題歌でした。

 
辛島「冬、クリスマス、恋の歌というシチュエーションだけで作りました。当時はクリスマスの曲はハッピーエンドの歌が多かったんですよ。別れを決断する歌はほかにはなかったので、ドラマのプロデューサーにダメと言われるかなと思ったんですが、OKが出てホッとしたのを覚えています」


――今まで数えきれないほど多く歌われていますが、歌うのに飽きたことはないそうですね。

 
辛島「一回もないです。毎回、ドキドキしています。飽きたなんて言ったら、『サイレント・イヴ』に嫌われて歌えなくなりそう(笑)」

 
――観客は当然、歌うのを期待するでしょうね。

 
辛島「『あぁ、何かが違う』と思われないようにしようと、違うプレッシャーもあるんです(笑)」

 
――「もう一度、私の夢をつかむまでサイレントナイト」という最後の歌詞は、どういう思いを込められているのですか。

 
辛島「当時は『失恋をしたけれど、悲しいのはこの夜でおしまい。次は私の夢がつかめるかもしれないから、この恋を眠らせてあげよう』という意味でしたね。今は『お客さまと一緒に夢をつかんで、その暁には一緒に笑いましょうね』という、背中を押す応援メッセージになっています。曲が育ってきているのだと思います」


――ところで、一昨年は東京でのクリスマスコンサートで初めてバレエに挑戦されたそうですね。

 
辛島「ゲストが牧阿佐美バレエ団のプリンシパルの清瀧千晴さんだったので、半年間、猛特訓して少しだけ踊りました。清瀧さんの方が『リフティングできますよ』と、最初にお会いしたときにスッと持ち上げてくださって。それが超気持ちよくて。お客さんも喜ぶだろうと。でも気持ちいいのは最初だけで、使わない筋肉を使うので後から体が痛くなりました(笑)。ほかの公演でもやりたいんですが、練習する時間がなくて。でも、辛島さんがやれるなら私もやれると思ってもらえるように小さなチャレンジは今後もしていきたいです。今年31年を迎えますが、大きな病気もしないで、ここまでやってこられたのは奇跡に近い、幸せなこと。本当に感謝の気持ちで一杯です。コンサートでは、ぜひ、春を感じスタートのきっかけにしてほしいですね」

 
TEXT:米満ゆう子

★LIVE INFORMATION
Midori Karashima Concert Tour 2020 ~Cherry blossoms~

2020/4/5(日)16:30
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

■出演
扇谷研人(ピアノ) 伊藤ハルトシ(チェロ&ギター) はたけやま裕(パーカッション)

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