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【インタビュー】日本初上陸!世界的DJ×美術監督が手掛ける「NUFONIA MUST FALL」をプロデューサーが語る

2019/12/19

取材レポ

世界的DJ×オスカーノミネートの美術監督が手掛ける、現代的であり原始的な非言語で楽しめる「マルチメディアパペットショー」

モントリオールに拠点を置く世界的に有名なDJ・音楽プロデューサー・作曲家・グラフィック小説家のKid Koala(キッドコアラ)と、映画『her/世界でひとつの彼女』(2014)で米国アカデミー賞美術賞にノミネートされた美術監督のK・K・バレット監督が手掛ける「NUFONIA MUST FALL」がついに日本初上陸、2020年1月12日(日)~13日(月・祝)大阪・IMPホールで上演される。現代的であり原始的な非言語で楽しめる「マルチメディアパペットショー」の本作について、プロデューサーのRhyna Thompson(ライナ・トンプソン)にインタビューを行った。

―――「NUFONIA MUST FALL」とはどんなイベントですか?

Kid Koala(キッドコアラ)がグラフィックノベルである「NUFONIA MUST FALL」に基づいて行っている<ライヴフィルム>です。小さなパペットを操作し、それをプロジェクターで映して、それに合わせてKid Koalaがターンテーブルで音楽をつけています。

―――この公演をひとことで表すと?

<ライヴフィルム>として実演される<グラフィックノベル>です。

―――この作品を<ライヴフィルム>にしたきっかけは?

Kid Koalaは、ライヴということがすごく好き。観客に向けて何か与えたり伝えたりすることは難しいことですが、ライヴでやることが非常に重要だと捉え、チャレンジして楽しんでいます。

―――ツアーで世界中を回っての感想と、今回日本でやることに理由は?

Kid Koalaは、「NUFONIA MUST FALL」としては5年間で六大陸をツアーで回ってきましたが、日本ではまだやったことがなく、今回が初めてです。ずっとやりたかったのでとても嬉しいです。スクラッチDJとして来日したことはありますが、「NUFONIA MUST FALL」を通じて、グラフィックノベルやパペットなど、Kid Koalaの魅力を日本のみなさんに初めて伝えられることができるので楽しみです。

―――パペットで上演することの魅力や意義は?

キャラクターは万国共通で、人を選ぶことをしません。プロジェクトを長く続けるには、人種も国も性別も年齢も関係なく、世界中誰からも共感が得られることが重要です。今回はそのパペットが男でも女でもないロボットですので、そこに感情だけを映し出し、みんなで共感できると思います。

―――K・K・バレットとKid Koalaの役割分担と、ふたりの関係性は?

Kid Koalaは2003年からグラフィックノベルを書いていて、他にも活動の幅を広げたいと考えていました。バレットはKid Koalaの才能や活動に興味を持ち、映画や映像を作った経験が無かった彼に、物語をステージで伝えるための手伝いをはじめました。彼らは新しいアイデアにオープンで、生み出していける関係性なので、ツアーを追うごとにどんどん成長しています。

―――40体の人形と15人でショーを行うそうですが、どこが難しくて、やりがいですか?

たくさんの物や人が同時にたくさん動いているので、一つのミスがショー全体に影響してしまうのが難しいですね。そんなハイレベルなコラボレーションは、すごく人間的でもあり、とてもスリルがあってワクワクしています。

―――どのくらい練習をしたのですか?

カメラや映像、演奏、ステージマネージャーなどいろいろな役割の人がいるが、5年間ツアーをやっていることで、お互いが理解し合い、チームプレーがしっかりとできるようになってきました。

―――モントリオールを拠点にしているそうですが、メンバーは各国からですか?

Kid Koalaはバンクーバー生まれでモントリオールに住んでいます。メンバーもモントリオール出身が多く、ほとんどがカナダ人です。このストーリーはモントリオールについて書いたものですが、ツアーで回った世界中の各国の要素も取り入れています。

―――ライナさんとKid Koalaとの出会いと、一緒にプロダクションをやることになったきっかけは?

26年前に大学が同じで知り合い、20年前から長く一緒に仕事をしています。現在は彼のマネジャーでもあります。彼から色々なアイデアがどんどん出てくるので、それをプロデュースする仕事をしています。昔から知っている人と仕事をするということは、お互いのパーソナリティもよく知っているということなので、共通認識が多くあってよいアイデアが増えると思います。

―――日本公演にむけてどうですか?

まず、日本ではまだパペットショーを見せたことが無いので、観客のリアクションが楽しみです。また、Kid KoalaのスクラッチDJ以外の面を見ての反応も楽しみです。可能ならば終演後にみなさんにパペットがどうなったいるのかを見てもらいですね。今回のショーは色々なきかっけになると思っています。他のアーティストと新たなコラボレートなど、次の機会につながることも楽しみです。

―――日本のみなさんにコメントをお願いします。

ぜひ観に来てください! 日本にずっと来たかったから楽しみですし、日本はとても素敵な国なので訪問する機会ができて嬉しいです。日本の皆さんにどんなショーをやっているのかを観に来て欲しいですし、よいインスピレーションやアイデアを与えることができたら嬉しいです。

「NUFONIA MUST FALL」とは
モントリオールに拠点を置く、世界的に有名なDJ、音楽プロデューサー、作曲家、グラフィック小説家のKid Koala(キッドコアラ)とオスカー賞にノミネートされた美術監督のK・K・バレット監督が手掛ける、現代的であり原始的な非言語で楽しめる「マルチメディアパペットショー」。
舞台上に設置された12を超えるミニチュアステージと40体の人形を操り展開される物語は、演劇・撮影・編集・ターンテーブルとピアノ・弦楽四重奏楽団の要素が「全てその場で同時進行」され、15人の出演者によってリアルタイムで繰り広げられる革新的なライブ体験である。

孤独なOLと都会の喧騒の中で自身の声をみつけようとしている古びたロボットの運命のラブストーリー
愛する人、家族、または初デートに最高のエンターテインメントをお楽しみください。

【オフィシャルトレーラー】
Kid Koala Nufonia Must Fall [Official Trailer]

■Kid Koala(キッドコアラ) クリエイター&パフォーマー

世界的に有名なDJ、クリエイター、パフォーマー、音楽プロデューサー、映画作曲家、グラフィック小説家。
レディオヘッドやアーケイドファイヤ、ビースティボーイズ、 プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドらとツアーを行ったり、ゴリラズやデルトロン 3030らとコラボレーション活動を行う。また『グレート・ギャツビー』、『スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団』、『ルーパー 』、『ベイビー・ドライバー』などの映画にも音楽提供も行っている。
ベルギーのファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンのファッションショーの音楽制作や、カートゥーンネットワーク、セサミストリート、アダルトスイムの音楽を作曲。近年は音楽にとどまらず、「NUFONIA MUST FALL」、「The Storyville Mosquito」など体験型のショー制作するなど幅広い才能を発揮している。

コメント
「子供時代の一番の思い出の1つは、チャーリー・チャップリンの映画を見たことでした。子供、両親、祖父母、家族全員で画面の周りで笑いながら話を繰り広げていたのを覚えています。当時から、サイレントフィルムの何かが、いつも私に影響を与えてきました。
Nufonia Must Fallを描いていたとき、私はいつもこの本はサイレント映画のようなものだと思っていました。
過去15年間で私のお気に入りの映画や最も魅力的な映画のビジュアルを製作してきたK・K・バレット監督と一緒に仕事ができてとてもうれしいです。
セットデザイナー、操り人形師、パフォーマーのこの素晴らしいチームを通して、物語が生き生きとするのを見るのは素晴らしい経験でした。
その重厚なタイトルに惑わされないでください。
Nufonia Must Fall は古き良き時代のラブストーリーであり、みなさんが私たちと一緒にショーを見て楽しんでくれることを願っています!」
-キッドコアラ

■K ・ K ・バレット ディレクター

個性的な監督の映画に参加していることで知られるプロダクションデザイナー。
ネブラスカ州オマハで生まれた彼は、オクラホマで画家、彫刻家、音楽家としての道を歩み始める。1976年後半に斬新なライブショーで有名なThe Screamersのドラマーになる。これが彼の最初の映像の世界でのデザイン経験につながり、Smashing Pumpkinsの「Tonight Tonight」、Beckの「New Pollution」でMTV最優秀ビデオ賞を受賞。スパイク・ジョーンズの長編映画デビュー作である『マルコヴィッチの穴』に参加したことで彼はこの世界にのめりこんでいった。現在はWhere the Wild Things Areなど、スパイク映画のプロダクションデザイナーであり、近年は『her/世界でひとつの彼女』という作品でオスカー賞にノミネートされる。
彼のコラボレーション作品も同様にユニークで、ソフィア・コッポラとの共作の「Lost in Translation」「Marie Antoinette」、ミッシェル・ゴンドリーとの共作の「Human Nature」、デヴィッド・O・ラッセルとの共作の「I Heart Huckabees」などがある。2011年には、カレン・オーとチームを組み、ダンス、ライブミュージック、映像、サウンドデザインを組み合わせた「Stop The Virgens」という劇場作品を作成。ニューヨークのセント・アンズ・ウェアハウス、シドニーのオペラハウスにて完売を果たす。これをきっかけに熱心なミュージシャンヴィジュアリストであるキッドコアラと知り合いグラフィック小説を劇場ライブ作品として一緒に製作 することになる。

★LIVE INFORMATION

NUFONIA MUST FALL
2020/1/12(日)13:00/18:00
2020/1/13(月・祝)13:00
松下IMPホール

公演詳細はこちら

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