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新キャストで『マリー・キュリー』再演!万博のポーランド館に招かれ取材会開催

2025/9/6

取材レポ

ミュージカル『マリー・キュリー』

女性として唯一ノーベル賞を2度受賞した科学者マリー・キュリー。その情熱と苦悩、ゆるぎない信念を描いた韓国ミュージカルが、2023年の日本初演で好評を得、今回新たなキャストでの再演が決定。関西では11月28日(金)~30日(日)<全4回>、シアター・ドラマシティで上演される。マリー・キュリーこと、マリア・スクウォドフスカ=キュリーはポーランド出身。偶然ポスターで公演を知った2025年日本国際博覧会ポーランド政府副代表マルタ・ジェリンスカの招きにより、関西万博のポーランドパビリオンで取材会が行われた。Wキャストの昆夏美、星風まどかがマリーの扮装姿で参加、演出の鈴木裕美と思いを語った。

――ポーランドのパビリオンはいかがですか?

昆「香りがすごく良くて、ポーランドの風景もとても豊かで、涙が出るような気持ちになりました」
星風「一歩足を踏み入れた瞬間に、マリアさんが愛した故郷ポーランドの素敵さを体いっぱいに感じました」
鈴木「ポーランドに行ってみたいという思いにかられました。『お招きありがとうございます』(覚えたてのポーランド語で)」

――マリア・スクウォドフスカ=キュリーさんは、ポーランドでどのような存在ですか?

マルタ「ポーランドにとって、すごく大事な女性です。彼女は大変な時代に生まれて、人生でさまざまな障害と戦わなければならなかったのですが、女性でも多くのことが達成できるということを証明した方。現代のポーランドの女性たちの手本にもなれると思います。今回、マリー役にこんな素敵なお2人を選んでいただき、今日お来しいただいたことが役作りのお役に立てばすごく嬉しいです。鈴木さんの演出にも期待を持っています」

――明日から稽古という時期ですが、作品への思いを教えてください。

昆「台本を読ませていただき、マリアさんの信念をとても強くメッセージとして感じました。当時の女性が科学をするという偏見や差別、新しい未知なるものを発見すること。今の私が生きる中では想像がつかないほどの、超えないければいけない壁がずっとマリアさんの人生にはのしかかっていて、そしてそれを超えていくという。信念というか、内なる強さを秘めた強さを核として、まず役作りをしていきたいと思いました。そしてもう 1点が裕美さんの言葉から、マリーの人生の話ではあるけれど、マリーの親友のアンヌと夫のピエール、この2人との関係性を嘘なく演じることによって、彼女のそしてこの作品の濃度がより高まるんだなと。皆様の力を借りながらマリーを作っていけたらと思います」
星風「稽古前なので、今は基礎知識として資料を読んだり、韓国版のミュージカル『マリー・キュリー』を拝見したり。けれど今私は演出の鈴木さんからたくさんお話を伺ってイメージを膨らませ、出演者の皆様とたくさんセッションして、ぶつかり合って、ファクション・ミュージカルの中に生きるマリー・キュリーを精一杯演じていきたいと思っています」

――演出で大切にされていることやポイントは?

鈴木「今回、再演をやらせていただくのは、初演の評判が非常に良かったからです。でも気持ちを新たにして、新たな方たちと新たなマリー・キュリーを作っていきたいと思っています。特にマリーと親友の女性2人が強く主人公である物語。そして、マリア・スクウォドフスカ=キュリーが、いろいろな事柄のパイオニアとして生きていく様を。日本のミュージカルは比較的女性のお客様が多いと思いますが、その方たちの力になれるというか、ここにものすごく頑張った女性がいたよ、ということをお目にかけられると思います」

――史実と創作が交錯する“ファクション・ミュージカル”とは、どんな作品ですか?

鈴木「もともとの韓国ミュージカルが、史実に忠実というよりも、史実をもとにしたフィクションで。例えば沖田総司が女だった、というような舞台に少し似たところもある作品だと思っていただければ。ですから、史実ではないにしても、韓国ミュージカルならではのエモーショナルな感じで感動できる、主人公たちに寄り添える物語になっていると思います」

――音楽や歌の聴きどころや、お2人が好きなシーンを教えてください。

昆「マリーがラジウムを見つけた時に歌う“ラジウム”という曲。最初の方と1幕のラストで同じ曲が編曲されて使われ、つながりがあって、とても効果的に作用しています。マリーの気持ちと音楽がすごくフィットしていて、お客様も好きなのではないかなと思います」
星風「私は夫・ピエールとのデュエット曲が特に好きです。1幕、そして2幕では編曲されて出てきて。メロディと2人の雰囲気で、もう泣いちゃいます。アンヌとのデュエットも素敵ですし、そこから怒涛の2幕後半が。韓国で観た時は、私、2幕ずっと泣いていました」

――鈴木さん、お客様に届けたいメッセージは?

鈴木「それはお客様ご自身が感じていただければ。でも、マリアが友人や夫と必死に命を削って研究し、生きていく様は確実にお目にかけることができる。初演の感想をうかがうにつけ、彼女の生き方を観て励まされるということが起こるのではないかと思っています。作品のタイトルが『キュリー夫人』ではなく、個人の名前になっていることがある意味すべてだなと。もう、夫人と呼ばれる時代じゃない。それも一つの励ましになるのではと思います」

――今回はマリーや主な登場人物4人がすべてWキャスト。どのような印象ですか?

鈴木「今生きている俳優たちの間に、どんな関係性が生まれるかを、稽古場では注意深く見たいと思っています。お2人も、松下優也くんと葛山信吾くんや他の皆さんも、違うお話のように見えるぐらいチームとして相当違うと思うので、本当は2回観に来てほしいです」

――お2人からもお客様へのメッセージをお願いします。

昆「マリアさんがポーランドの皆様に愛され、尊敬され続けていることを肌で感じました。そして今、この時代に生きる私たちが国を越えて務めさせていただく責任を改めて実感しました。舞台は本当にまったく違うものになるのではと私自身も思っているので、その違いを楽しみながら、カンパニー一同で精いっぱい公演を務めていきたいと思います」
星風「本日パビリオンに来させていただき、マリアさんの偉大さや母国への大切な思いを肌で感じ、たくさん吸収させていただきました。本日感じたこと、学んだことを糧に精いっぱい務めて参りますので、ぜひ2パターン観に来ていただけたら嬉しいです」

取材・文/高橋晴代

 

ミュージカル『マリー・キュリー』

■脚本
チョン・セウン
■作曲
チェ・ジョンユン
■演出
鈴木裕美
■翻訳・訳詞
高橋亜子

■出演
マリー・キュリー(Wキャスト):昆夏美・星風まどか
ピエール・キュリー(Wキャスト):松下優也・葛山信吾
アンヌ(Wキャスト):鈴木瑛美子・石田ニコル
ルーベン(Wキャスト):水田航生・雷太

能條愛未 可知寛子 清水彩花 石川新太
坂元宏旬 藤浦功一 山口将太朗 石井咲 石井亜早実
スウィング:飯田汐音(Swing)

正)坂元宏旬 藤浦功一 山口将太朗  石井咲 石井亜早実

▶▶オフィシャルサイト




大阪公演

|日時|2025/11/28(金)~2025/11/30(日)≪全4回≫
|会場|シアター・ドラマシティ
▶▶公演詳細

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