2025/9/4
インタビュー
――芸能生活30周年おめでとうございます。ただ、周年は昨年だったんですよね?
「そうなんです(笑)。ちょっと周りのことをやりすぎて自分のことを忘れていて、気づいたら突破していたっていう感じです(笑)。モノマネにシフトチェンジして25年くらいですけど、最初の5年間はコンビとして漫才とかコントとかをやっていたんですけど、夢叶わなくてモノマネにシフトチェンジしたので、今思えばシフトチェンジしておいてよかったかなっていう気持ちですね(笑)」
――モノマネにシフトチェンジしたきっかけはなんだったのでしょうか?
「モノマネが趣味というか、好きでライブのエンディングとかでちょいちょいやっていたっていうのがあるんですよ。でもそのレベルだったので、モノマネのプロで通用するとは思っていなかったんですよね。モノマネが売れるきっかけになればいいなって思ったくらいで。ただ、いろんなモノマネ芸人さんとライブをすることによってモノマネのパワーのすごさなどに気付かせてもらえて続けていたら、あっという間に30周年がきちゃったなって感じです(笑)」
――もともとモノマネ芸についてはどう思っていましたか?
「それこそ本当に自分が作り上げるネタでもないし、芸でもないし、って思っちゃっていたんですよ。他人のキャラを借りて笑いを取るなんて……って思っていたんですけど、実際にやってみるとそれだけじゃなくて、キャラに肉付けをしていって、見せ方とか知恵を膨らませてネタにしていく作業は自分の能力。そういう部分で自分のオリジナリティが出てくる芸だから、自分にしかできないようなモノマネ芸をすればいいのかって思えるようになったんですね。そう思えたのはけっこうすぐでした。コージー(富田)さんとやり出してからかな? さんまさんとタモリさんの喋りモノマネで掛け合うようになってからですね」
――やればやるほどモノマネ芸の奥深さを感じますか?
「そうですね。だから、もっと追及してみようっていう気になりました。それに面白いことに、僕のレパートリーの中の人たちって常に時代とともにご本人さんたちがスキルアップしているから、僕らもバージョンアップしていかないといけないんですよ。だから終わりがないんですけど、楽しさがありますね」
――レパートリーは200以上でその方たちをずっと見ているのはすごいと思います。
「200くらいって言っていますけど、一番多くモノマネをさせてもらっている人を数えてみたら7、8人なんですよ(笑)」
――そうなんですね!?(笑) 1つのモノマネをモノにするには、どのくらいかかるのですか?
「すぐにできるものもあれば、時間がかかるものもあったり、できなくて諦めるものとかもあるので本当にそれぞれですね。でも自分の声帯に近い人や、周りの人は輪郭が似ている人のほうが真似しやすいとかはけっこう言っていますね。骨格が似ていれば出す声、音も近いみたいなのもあります。あとは自分が興味を持てば、その人になりたいと思えばなりたい分だけ早く完成するだろうし。寺門ジモンさんにちょっと顔が似ているから、ジモンさんご本人に『(モノマネをしながら)俺のモノマネやってくれよ!似ているから絶対にいいと思うんだよ』って言われることがあったんですけど、ジモンさんに興味がわかなかったんですよ(笑)。本当に申し訳ないんですけど、どうやってジモンさんのモノマネをすればいいのか分からなくて(苦笑)。でも、お肉を焼くタイミングに厳しいジモンさんとかそういう部分を見つけてから、そろそろイジってもいいかなって思ってここ数年でやり始めました(笑)」
――そういうパターンもあるんですね(笑)。そんなネタの数々を楽しめる単独ライブが今秋、福岡、大阪、東京で開催されます。単独は15年ぶりなのですね?
「そうなんですよ。15年前まで毎年1年に1回やっていたんですけど、僕が結婚して、子育てのこともあって、単独ライブも1回仕切り直したかったのでお休みしていたんですよ。今年ちょうど50歳になる年で、去年(周年記念を)やり忘れていたから、今年やっちゃおうかって感じです(笑)。ライブでは、テレビ尺じゃない長尺でネタを楽しめて、普段ならカットされるであろうネタも生で見られるというライブならではの楽しみがあると思います。ゲストさんとのコラボもあり、生バンドで歌マネとかも多めにやるので、また違った原口あきまさのショーを見られるんじゃないかなと思います」
――大阪公演のスペシャルゲストはロバートの秋山さんと兼光タカシさんです。
「兼光くんのモノマネが大好きなんですよ。それから、コンビが解散してピンになってモノマネ芸へ、という境遇が僕に似ているっていうことで選びました(笑)。秋山くんは同郷なので本当は全公演に出て欲しかったんですけど、お忙しい方なのでスケジュールが合わず、大阪ならいけるってことでぜひぜひということで決まりました」
――どんな共演になるのか楽しみです!
「これは僕も想像できないくらい楽しみです。兼光くんとは、さんまさんと巨人師匠の同期ネタとかでトークを繰り広げたりするかもしれないですし、秋山くんの芸に僕が乗っかる形でこれをやろうっていうのが1個、2個あったりします。ただ、ゲストさんにも楽しんでもらいたので、そんなに決め決めでいかないようにしているんですよ。だから、舞台上で思いつくこともあると思っています」
――ゲストとの共演以外にもレアネタの披露などはありますか?
「あるかもしれないですよ!?(笑) その場で生まれることもありますからね。新ネタが生まれる瞬間を皆さんは見られるかもしれないし、新ネタが消去される瞬間を見られるかもしれない。『これは今日限りです』っていうネタもあるかもしれないですしね(笑)。これは会場に来てくれないと楽しめないです」
――改めて、単独ライブの見どころを教えてください。
「喋りモノマネのイメージのある原口あきまさが歌モノマネを披露したりしますし、ゲストさんとの共演も今までにないようなエンタメになると思いますので、ぜひぜひお楽しみください。モノマネというジャンルは実は狭いようで広いよ、っていうのを見せられたらいいかなと思います」
――最後にメッセージもお願いします。
「モノマネライブを見たことがないっていう人にもおすすめです。原口あきまさを初めて知る人もいると思うので、あまり興味がわかないかもしれないですけど、ちょっとでも気になったら見に来て頂けると『こういうスタイルなんだ』っていうのが分かってもらえると思うので、ぜひぜひ足を運んで頂ければと思っています。モノマネは一人の人間が色んな人を演じるからお得感はあると思います。俺の負担はすごくありますけど、楽しんでやるだけです(笑)」
TEXT:金子 裕希
原口あきまさ30周年記念ライブ~我夢謝裸~
■SPECIAL GUEST
兼光タカシ
ロバート 秋山
▶▶オフィシャルサイト
|日時|2025/10/12(日) 15:00 / 19:00
|会場|松下IMPホール
▶▶公演詳細