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『K-BALLET TOKYO 25th ANNIVERSARY GALA』東京公演開幕レポート!

2025/7/30

公演レポ

Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Summer Tour 2025 『K-BALLET TOKYO 25th ANNIVERSARY GALA』

 Kバレエトウキョウ 25周年記念ガラの東京公演が初日を迎えた。渋谷のオーチャードホールは超満員で、貴重なチケットを握りしめて会場に集まったKバレエファンの熱気で溢れていた。オープニングでは『白鳥の湖』の序奏が演奏され、幕が開くと熊川哲也氏が舞台に。稽古場で記憶を辿っていた熊川氏がふと過去に連れ戻されたようにプリンシパル岩井優花さんとローラン・プティ振付『カルメン』~「寝室のパ・ド・ドゥ」を踊りはじめると、夢のような展開に客席は湧き、現役時代と変わらぬ熊川氏の演技に喝采が起こった。初期作品『ウォルフガング』(2002)、『ラプソディ』(アシュトン振付)『ドン・キホーテ』(2004)と続き、スクリーンには初演時の写真やハイライト映像も映し出される。『ベートーヴェン 第九』(2008)のイントロでは遅沢祐介氏と宮尾俊太郎氏のパワフルなデュオがファンを狂喜させた。一部ラストの『シンデレラ』(2012)は衣裳と美術の美しさにも息を呑む。

後半もさらに充実したプログラムで、ブリテンの音楽に乗せた『シンプル・シンフォニー』(2013)に始まり、『カルメン』(2014)『クレオパトラ』(2017)『蝶々夫人』(2019)と熊川哲也オリジナル・ヒロインが続々登場する。『蝶々夫人』の「花魁道中」の幻想的な舞いはずっと観ていたくなる美しさで、花魁役の浅川紫織さんと扇を持ったダンサーたちが素晴らしい。「初夜のパ・ド・ドゥ」では飯島望未さんが可憐な蝶々を踊り、儚げで息を呑む。ラストの『マーメイド』は、ヒロインの恋敵であるプリンセスを日髙世菜さんが華麗に踊り、全く軸がぶれないグランフェッテを筆頭に、クラシックの究極のテクニックを連発、王子・山本雅也さんとともに豪華でパーフェクトな演技を魅せた。全部の演目をピットから支えた井田勝大さん指揮シアター オーケストラ トウキョウは、日本のバレエ団唯一の「座付きオケ」で、長年にわたるプレイヤーたちの献身にも胸が熱くなった。感動の余韻に包まれる静かで美しいラストで幕を閉じ、再び幕が開くと『ジゼル』のアルブレヒトのコスチュームの熊川氏の姿が。盛大な喝采が巻き起こる。ダンサー全員のカーテンコールはなかったが、そのことで不思議と感動の余韻が高まったように感じられる。熊川氏とダンサーたちが勇敢に進んで着た足跡を辿り、技術・オリジナリティともに世界でも唯一無二のカンパニーだと再認識せずにはいられない。計14作品(プラス貴重映像の上映あり)、2時間半の奇跡のガラ公演だった。東京公演のあと、札幌と大阪(2日間)でも貴重な上演が行われる。

取材・文:小田島久恵

 

Daiwa House PRESENTS
熊川哲也 K-BALLET TOKYO Summer Tour 2025
『K-BALLET TOKYO 25th ANNIVERSARY GALA』

■芸術監督・出演
熊川哲也
■プリンシパル
浅川紫織 飯島望未 日高世菜 岩井優花
山本雅也 石橋奨也 堀内將平
■特別出演
遅沢佑介(K-BALLET TOKYO名誉プリンシパル)
宮尾俊太郎(ゲストダンサー)
伊坂文月(ゲストダンサー)
■指揮
塚越恭平
■管弦楽
シアターオーケストラトウキョウ

■予定演目
『ベートーヴェン 第九』より
『ロミオとジュリエット』より
『カルメン』より(プティ版。熊川版)
『クレオパトラ』より
『蝶々夫人』より
新制作『眠れる森の美女』より
『マーメイド』より
『ウォルフガング』
『ドン・キホーテ』より
上記の演目ほか、を予定しております。

▶▶オフィシャルサイト

大阪公演

|日時|2025/08/09(土) 13:00 / 18:00
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細

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