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柚香光がマチュー・ガニオと共演!「これまでの経験を活かして踊りたい」

2024/12/20

取材レポ

マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート

一般発売後、即完売した本公演チケットを追加販売!

既に完売しておりました「マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート」大阪・名古屋・東京公演について、関係者席の開放に伴い、指定席の追加販売、また注釈付指定席の追加販売が決定いたしました。
12月20日(金)10:00より先着受付を開始します。詳細は下記のチケット情報をご確認ください。




正統派の男役として、また宝塚屈指のダンサーとして名舞台を生み出してきた元宝塚歌劇団花組トップスターの柚香光が、『マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート』に出演する。柚香は2024年5月に宝塚を退団し、俳優・ダンサーとして始動したばかり。「バレエ少女だった」(柚香)というだけに、20年もの間パリ・オペラ座バレエのエトワールを務め、2025年春にはアデュー公演を控えるマチューとの共演に胸を躍らせている。

「まさかマチューさんとデュエットダンスを踊らせていただくなんて想像もしていなかったので、本当に夢のようです」と言う柚香。マチューやスタッフとのオンラインミーティングにも参加しているそうで、「もう、ドキドキですよね(笑)。でもマチューさんも宝塚の魅力を理解してくださって“一緒にやりたい”と言っていただけたので、どんなナンバーができるのか、どうしたらより魅力的なものをお客様に届けられるか、自分なりに意見を出していきたいです」と、いちアーティストとして舞台を創る楽しさを味わっているようだ。

マチューが柚香を知るようになったきっかけは、世界的な振付家でドイツのハンブルク・バレエ団芸術監督であるジョン・ノイマイヤーが、宝塚在団中の柚香の舞台『うたかたの恋』を観たこと。
「それでノイマイヤーさんが私に興味を持ってくださって、マチューさんもバレエ『マイヤーリング』(うたかたの恋)で同じルドルフ役をされたので、ノイマイヤーさんから私の話を聞いていたそうです。あとは同じパリ・オペラ座バレエでエトワールを務めるオニール八菜ちゃん(柚香とオニールは岸辺バレエスタジオ出身)からも話を聞いて今回のオファーに繋がったそうで、不思議なご縁に驚きました」と嬉しさを滲ませる。

そんな憧れの人、マチューの魅力は「やっぱり“美しさ”ですね」と即答だ。
「おとぎ話に出てくる王子様のような方なのに、同時に高い技術も備えていらっしゃって、1つ1つのポーズはもちろん、次のポーズへと繋ぐ動きも繊細。美は細部に宿るじゃないですけども、透明感やしなやかさ、そういうものが全部加わっての“美しさ”なんですよね。マチューさんは四肢の使い方や身体への音楽の取り入れ方など、細部に至るまで神経の行き届き方が素晴らしくて……。容姿だけでなく、作品への丁寧な向き合い方や舞台への真摯な姿勢など、内面から滲み出るものも含めて、とても美しい方だなと感じています」と柚香は語る。

「何度“美しい”って言うんだ、という感じなのですが」と笑う柚香だが、舞台姿から伝わる丁寧さや真摯さは、柚香のそれと重なる。そう伝えると、「『うたかたの恋』のルドルフ同士ですから」と冗談めかして言いつつ、「やっぱり同じ役を研究して、体現していくクリエイティブを体験したという意味では、僭越ながら似ているのかな、と思います」と答えてくれた。
「あとは、マチューさんやバレエの舞台から受けた影響ということなら、はっきりあると思います。バレエを観ている間って、心が洗われるような気持ちになりませんか。日々生活している中であれこれと積み重なってしまう気持ちが洗い流されていくような……」という柚香に、「柚香さんにもそんなことがあるんですか」と問うと、「あります、あります」と笑いつつ、「私はバレエ少女だったので、舞台人としての原点を思い出しますし、とてもパワーをいただいています」と柚香。続けて、「自分がこの舞台のどこに美しさを感じたのか、何に魅力を感じたのかということに気づくと、じゃあ私もそちらの道に行きたいなとか、そのためには何が必要なのかなど、成長するための学びをいただける気がするんです」と話した。

言うまでもなく、宝塚はジャズダンスなどのシアターダンスが中心。今回のマチューとのデュエットダンスも、異なるジャンル同士の化学反応が見どころとなる。
「宝塚で踊っていたダンスは、リズムの取り方やエネルギーの使い方、筋肉の作り方などバレエとは全然違います。その2つをどういう風に“融合”していくのか想像は容易ではないですが、ぜひ挑戦させていただきたいと思いました。宝塚では15年間、さまざまなダンスや芝居、歌などの経験を積み重ねてきたので、そういったことを活かせるのであれば、勇気を出して未知の世界に踏み出してみたいと思ったのです」と柚香は表情を引き締める。

「今は、“自分のダンス”ってなんだろう、というのを考えている時期」という柚香。宝塚に在団中は、男役ならではのパッショネイトなダンスで魅せる一方、バレエダンサーに近い硬質な美しさの、しなやかで繊細なダンスにも定評があった。結果的に“バレエの遺伝子”は柚香の中に留まっていたと見受けられるが、宝塚に入団時は、脚のポジション1つとっても爪先をアンデオール(外側に広げる)にするバレエから、パラレル(並行に揃える)のジャズダンスへの移行。戸惑いはなかったのだろうか。
「それが、初めてのジャズダンスもすごく楽しかったんですよ。振り返るとバレエ少女だった頃、牧阿佐美バレヱ団の『くるみ割り人形』に子役として出演した時も、岸辺バレエスタジオで子ども向けのオペレッタに出た時も、キャラクター性が入る、お芝居要素のある踊りがすごく好きでした。舞台という空間が好きで、役に入ること自体に魅力を感じていたので、バレエとジャズダンスではリズムの取り方や身体の使い方が違っても、共通する“演じる”部分を楽しんでいる感覚でしたね。もちろん戸惑うこともありましたが、バレエの基礎を知っているからこそ出来ることもあったので」と柚香。
「たとえばダンスの振付を身体に落とし込むとき、上手くいかずにその振付に対して理解を深めたいと思ったときに、バレエのステップや身体の使い方を応用してみるとか。特にデュエットダンスは、一緒に踊る娘役さんのドレスさばきもバレエの知識が本当に大切なので、そういう思考を常に巡らせていましたね。在団中は芝居も歌もとやらなければならないことが多く、バレエそのものを踊ることはほとんどなくなっていたのですが、“自分のダンス”を磨くときに、いつもバレエは私のそばにあった気がします」と明かす。

在団中、相手の娘役を優しく包み込むようなデュエットダンスも柚香の魅力だった。それもバレエから得た感覚なのか尋ねると、「たしかに、一緒に踊る相手とコミュニケーションを取りながら、なおかつ愛情や敬意が観ている側にも伝わるような方(ダンサー)が好きですね」という答えが。「毎日の公演で振付は同じでも、一緒に踊っていてその日・その場だけに生まれた感情のやり取りをするのが、私自身とても好きなんだと思います。もちろん一緒に踊ってくださる皆さんが素敵な方ばかりだったので、相手の方から力をいただいていた部分もありますけれど」と言う柚香。
「私は技を見せるというよりは、1つ1つの振りから言葉が聞こえてくるような、情景が見えてくるような踊りを目指したいんだと思います。役の感情だったり音楽以外の鼓動だったり、そういうさまざまなものが物語となってお客様に届くような踊り。一緒に踊りたいなと思っていただけるような踊りを、これからもお見せできればと思っています」

取材・文/藤野さくら

【本文中掲載写真】
フォトグラファー/Yumiko Inoue
スタイリスト/YOSHI MIYAMASU(SIGNO)
ヘアメイク/美舟(SIGNO)

  

マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ
ニューイヤーコンサート

■出演
マチュー・ガニオ
 パリ・オペラ座バレエ団 エトワール

柚香 光
 元宝塚歌劇団花組トップスター

アマンディーヌ・アルビッソン
 パリ・オペラ座バレエ団 エトワール
ジャコポ・ティッシ
 オランダ国立バレエ団 プリンシパル

パブロ・レガサ
 パリ・オペラ座バレエ団 プルミエ・ダンスール
シルヴィア・サン=マルタン
 パリ・オペラ座バレエ団 プルミエール・ダンスーズ

スペシャル・ゲスト:上野水香
 東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル

※出演者、曲目等が変更になる可能性がございます。予めご了承ください。

▶▶オフィシャルサイト

大阪公演

|日時|2025/01/03(金) 14:00
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細

愛知公演

|日時|2025/01/06(月) 14:00
|会場|Niterra 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)
▶▶公演詳細

東京公演

|日時|2025/01/07(火) 18:00
|会場|NHKホール(東京)
▶▶公演詳細

 

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