1993年の初公演以来、ひと夏も立ち止まることなく開催され、今では夏の風物詩として幅広い年齢層のエンタメファンに愛されている「稲川淳二の怪談ナイト」。今年も7月13日の栃木・宇都宮公演を皮切りに、全国37ヵ所で50公演が予定されている。“還暦”そして“古希”を経て今年の8月にはめでたく“喜寿”を迎えることから、今ツアーのサブタイトルは「怪談喜寿」と銘打たれた。ツアーを間近に控えた心境や大阪のファンへの想いを、稲川淳二に聞いた。

――今回のツアー中に、いよいよ喜寿(77歳)を迎えられますね！

「ねえ、本当に早いもので…。死んでいても生きていても、どちらでもおかしくない年齢に気づいたらなっちゃいました。この間なんてヒザを痛めちゃいましてね～…今、足がロボコップみたいな動きになっちゃっているので、もうイヤになっちゃいますよね、ええ(笑)。一年の半分は怪談ツアーで全国をまわって、もう半分は工房で怪談を作って…というサイクルを毎年繰り返していますから、過ぎてみれば早いな～、あっという間だな～というのが正直な気持ちです。『生きているうちに、良い話をできるだけ多くファンの皆さんにお届けしたい』という想いは、年々強くなっていますね」

――今年はどんな内容の公演になりそうですか？

「昨年のツアーは、『怪談は事件』というテーマで、社会を騒がせたある大きな事件が軸となった話もさせていただいたんですが、やっぱり内容が内容だけに、どこか殺伐とした感じもあったんですよね、ええ。で、今年はその反動というか、『怪談ってやっぱり良いものだな』としみじみ感じていただける、どこか懐かしくて、聞いた自分も誰かに話してみたくなるような、そんな怪談らしい怪談を中心にお届けできればと思っているんです。最近はもう付き合いがないのですが、私が若い頃に知り合ったある女性がいましてね。その方が女子高生の時に体験した、怖いんだけどちょっと不思議で、何だか懐かしい気持ちになるお話もありますよ。話を聞いた方も、遠い昔の日の景色が頭に思い浮かぶような、今見ている景色とオーバーラップするような、そんな何ともいえない感覚を楽しんでいただけるのではないでしょうか。例年と比べると、全体的には楽しさの要素が多くなると思います」

――怪談はもちろん、後半の心霊写真コーナーも楽しみです！

「ありがとうございます。実はまだ、私もきちんと写真を見ていないんですよね～。どの写真をどんな順番でお見せするか、これからスタッフと一緒に煮詰めていくことになると思います。毎年お見せしていた、あの例の沼地の男の写真は、今後はもう出ないんじゃないかな～…。そのあたりも含め、どんな写真があるのか楽しみにしておいてもらえたらと」

――最後に、大阪のファンにメッセージをお願いします！

「これまで怪談ナイトを30年以上にわたって続けてこられているのは、間違いなく大阪のファンの皆さんのおかげなんです。ツアーを始めた当初はどの会場も満員というわけではありませんでしたが、大阪だけは多くのファンの皆さんが「じゅんじ～！」「座長～！」といった熱のこもった声援で、大いに盛り上げてくれました。今ある怪談ナイトのスタイルは、大阪で基盤が作られたんですよね、ええ。大阪のファンはすごく聞き上手でリアクションもうまいから、『大阪でウケたら大丈夫』って自信をいつももらっているんですよ。ありがたい限りです。皆さんへの感謝の気持ちを込めて、全身全霊をかけて今年もいろんな怪談を披露させていただきます。爺さんが故郷でいろんな方と楽しいひと時を過ごすような、そんな素敵な時間にしたいですね。怪談爺ぃ、会場でお待ちしております！」

取材・文＝新子貴康

大阪公演

｜日時｜2024/08/22(木) 怪場17:30/怪宴18:30
　　　　2024/08/23(金) 怪場17:30/怪宴18:30
　　　　2024/08/24(土) 怪場14:00/怪宴15:00
　　　　2024/08/25(日) 怪場13:00/怪宴14:00
｜会場｜森ノ宮ピロティホール
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兵庫公演

｜日時｜2024/10/20(日)  怪場14:30/怪宴15:30
｜会場｜アクリエひめじ 中ホール
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奈良公演

｜日時｜2024/10/27(日) 怪場14:30/怪宴15:30
｜会場｜なら100年会館 大ホール
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