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KEP ONLINE Online Magazine

生田斗真&中村倫也&古田新太で
一花咲かせるダークスペクタクル

2024/6/23

インタビュー

2024年 劇団☆新感線 44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』

劇団☆新感線44周年興行かつ、生田斗真生誕39年を記念してのサンキュー公演である最新作『バサラオ』。生田演じるヒュウガが美しさを武器に天下取りを目論むピカレスクロマンで、生田の盟友・中村倫也もヒュウガのバディ、カイリ役で参戦。古田新太、粟根まことら平均年齢50代の劇団員が、西野七瀬、りょうら豪華ゲスト陣を迎え撃つ。歌あり、踊りあり、アクションあり、咲かせてみせます悪の華。このダークスペクタクルに臨むにあたり、生田、中村、古田、そして演出のいのうえひでのりが大阪での取材会に登場した。

――生田さん、演じられるヒュウガという役について、また、本作の見どころを教えてください。

生田「ヒュウガは悪と美を持ち合わせたキャラクターで、自分としては非常に畏れ多いのですが、大胆に暴れ回りたいと思っています。美で世界征服を企む男の魅力と浅はかさを精一杯、届けたいですね。劇団☆新感線らしく、絢爛豪華な世界を歌や踊りを通して魅せていけたらと思っています」

――カイリ役の中村さんは、いかがですか?

中村「第一印象は「派手でマイペースなクラスメイトを、日の当たらない場所から見上げていたやつ」という感じです。ちょっとジトっとしたものも持っているイメージ。それを(役に)出すかはわからないですが。本作の見どころは、歌に踊りに、「圧倒的スターの存在」というところでしょうか」

――皆さん、本公演の出演をお聞きになった時、どう思われましたか?

生田「2020年に(劇団☆新感線の)『偽義経冥界歌』という作品の博多座公演がコロナの影響で全て中止になってしまって、いのうえさんはじめ新感線の皆さん、お客様、博多座の皆さんと悔しい思いをしました。でも、いつか必ずリベンジしようと。生田斗真が39歳の頃にリベンジしようねと約束してくださいまして、それがこの‟サンキュー公演”のそもそもの始まりでした。僕は17歳の時に劇団☆新感線に出会って、「こんなに人生を楽しんでいる大人たちっていいな。自分もこんな大人になりたいな」と思って、今日まで憧れ続けてきておりまして、そんな皆さんと40歳になる前の大切なタイミングを過ごせることをすごく嬉しく思っています」

中村「最初は、「斗真君と何かやるよ」と言われて、「じゃあ、やる」って。「古田さんも一緒だよ」って言われて楽しみになって。当初は珍道中ものみたいな、軽演劇じゃないけど「歌と踊りの楽しいもの」って聞いていたんですけど、気づいたら美しい男が野望を抱く物語になっていました。いざ始まってみると主役よりも僕の方がなぜか出番が多くてですね。正式な文句はどこに出せばいいんだろうって今、考えているんですけれども(笑)、やりがいのある役をいただけて、早くいろんな場面の稽古をしたくて、楽しみです」

古田「斗真も倫也も、うちの劇団はお世話になっているんですけども、実はオイラ、(二人が出演した新感線の作品の)両方とも出ていませんで、斗真と倫也と一緒にやれることを非常に楽しみにしておりましたし、ありがてぇなぁとか思っております。今、倫也も言いましたけど、もっと軽いやつなんだろうなぁと思っていたらピカレスクロマン。下ネタミュージカルがやりたかったのになぁ…と思っていたんですけど、歌とか踊りとか、アクションもいっぱいあって。いのうえさんのことですから、稽古場で愉快なシーンをいっぱい作ると思うので、オイラは2~3個、下ネタをぶっ込んでいこうと思っています」

――いのうえさん、本作が出来上がった経緯などを教えてください。

いのうえ「2000年に(新感線で)上演した『古田新太之丞・東海道五十三次地獄旅 ~踊れ!いんど屋敷』という、歌が入ったしっちゃかめっちゃかなストーリーの作品があって、自分らで言うのもあれですけど、マニアの間では幻の作品になっているんですね。「ああいうノリのものがやりたいよね」みたいな話で、歌も踊りもバンバン入って、みたいなことを元々考えていたんですよ。ところが、肝心の中島(かずき)くんの最近の作家性みたいなところで、どうしてもあんなふうに全振りでバカなことが書きづらくなってきているようで。その作家性に忠実に「好きなことを書けばいいんじゃない?」と言ったら、昔からきれいな顔の男がきれいな顔だけで天下統一を目指すというアイデアがあったらしくて、「おー、面白いじゃん」という話になりました」

――いのうえさんから見て、本公演はどんな作品になりそうですか?

いのうえ「トーンとしてはダークな話ですが、見終わった後はスカッとするというか、爽快感がある芝居になるんじゃないかな。悪いヤツでも、たとえば映画『ダークナイト』のジョーカーなんて、一種の疾走感があって、悪者なのにバットマンよりもジョーカーの方に思い入れしてしまうようなところもあって。『バサラオ』もそういう爽快感がある、楽しい芝居になると思います!」

TEXT:岩本和子
PHOTO:ハヤシマコ

 

2024年 劇団☆新感線 44周年興行・夏秋公演
いのうえ歌舞伎『バサラオ』


■作
中島かずき

■演出
いのうえひでのり

■出演
生田斗真 中村倫也/西野七瀬 粟根まこと/りょう/古田新太
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴 寺田遥平 伊藤天馬
米花剛史 藤浦功一 西岡寛修 NaO 大村真佑 清水一光
井上真由子 松本未優 樽谷笑里奈 白瀧真由美 さいとうえりな 高森あゆな 古見時夢

▶▶オフィシャルサイト

大阪公演

|日時|2024/10/05(土)~2024/10/17(木)≪全17回≫
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細

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