2024/6/10
インタビュー
――昨年は台湾、今年は南米に行かれたんですよね?
「南米は『SUPER JAPAN EXPO』というイベントでチリに行ってきました。初めて行ったんですけど、盛り上がりがすごかったですね(笑)。バラードみたいな曲も持っていって演奏したんですけど、それもシンガロングしている状況で本当にびっくりしました。BRADIOの音楽が届いているのを感じられてすごく嬉しかったし、不思議な感覚でした」
――この海外での経験を音源などに反映したいという思いも芽生えましたか?
「チリに行っていつもと違う雰囲気やオーディエンスの熱気を浴びて、“もっといろんな人に届くようにやらなきゃ”とは思ったけど、その気持ちでアルバムを作りたかったな、とはならなくて。最新の『PARTY BOOSTER』でそういうもの、ちゃんと意義のあるものを作れたなって思っています」
――前作『DANCEHALL MAGIC』は原点のファンキー、踊れる音楽を追求した作品だったと思いますが、今作『PARTY BOOSTER』は?
「前作はレーベルを移籍して“心機一転、気持ちも新たに”という部分と、コロナも落ち着いてきて“よし、行くぞ!”みたいな雰囲気も界隈にあったから、そういうのも相まって2023年はむちゃくちゃライブをやる年にしたいねっていう話をして、とにかくファンキーなアルバムを作ろう!というので『DANCEHALL MAGIC』を作ったんですね。今回も同じ流れというか、“DANCEHALL MAGIC パート2”じゃないですけど、またファンキーなものを作りたいね、というのでスタートして、“PARTY”っていうワードが自分たちの中で出てきたので、今回はそれを軸に制作を進めました」
――様々な楽曲が入っていますが、特にこれまでにない感じの1曲を挙げるとしたらどれになりますか?
「なんだろうなぁ。その時々でトレンドはあったりするんですけど、意外とやりたいことって多くなくて、本当にファンキーな匂いがするものができればいいなって思っているんですね。『パーティーヘッド』なんかは特に今まで以上にファンキー色が強くて、踊れる強い曲になったかなと思っています。あとは『ヨルゾラTreasure』みたいな質感の曲はここ最近あまりなかったような気がしていて。これこそ原点に戻ったというか、1stミニアルバム『DIAMOND POPS』に『雨恋』っていう曲があるんですけど、そういう香りがしていて、曲の耳触りもそうだし、詩っぽい歌詞を書いたので、久しぶりにこういうテイストの楽曲を作ったなっていう感覚がちょっとありますね」
――この作品を手に行うライブで化けそうな、楽しみな曲はありますか?
「ライブって自分たちの中でお楽しみというか、ライブがしたいからCDを出すみたいなところもあるので、基本的にライブの絵が浮かびやすいものがアルバムに選曲されやすいんですけど、『Wee! Haw! ~生きがいの歌』はだいぶロックテイストですし、ライブでもぐっときそうな感じはありますね。BRADIOは僕が歌うパートとオーディエンスが歌うパートを設けたりするので、ライブで楽しめる感じが随所に入れられたかなと。あと『Stepper’s Fight』『永劫DISCO』『真夜中プライスレス』とかはライブ映えするというか、鳴らしたら気持ちいいんじゃないかなとは思いますね」
――『永劫DISCO』はギターソロも楽しみです。
「時代に反して入れました(笑)。ギターの(大山)聡一はギターヒーローなので、ライブでは尺が倍でもいいんじゃないかなって思っています(笑)。BRADIOのお客さんはミュージックラバーの人が多いので、喜んでもらえるかなと。ここもライブの見どころの1つですね」
――改めてライブで楽しみにしていることを教えてください。
「ライブに関しては、毎回チャレンジや新しい取り組みをしようと心がけているので、曲のポテンシャルをさらに引き出せるような曲のつなぎや楽しんでもらえるような演出を考えています。いろいろ変わってくる部分もあると思うんですけど、今までになかったような演出もあるし、だいぶレベルの高いエンターテインメントができるんじゃないかなと思っています」
――それはとても楽しみですね!
「僕たちも楽しみですね。本当に今までやってこなかったことが何個かあるので、失敗するパターンもあるかもしれないですけど(笑)。だから毎回来てくれている人も楽しめるし、初めましての人でも全然入りやすいと思っています」
――初めまして、といえば『ファンファーレ』(TVアニメ『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』OP曲)から入ってきた方もいそうですね。
「やっぱりアニメはすごいですね。昔、『Flyers』っていう曲でアニメのタイアップ(『デス・パレード』)をやったんですけど、あの曲があったから海外にも行けるきっかけになったし、そういう音楽以外のきっかけがあるのはありがたいです」
――ちなみに、ライブで大阪、関西のFUNKY PARTY PEOPLEの皆さんに期待することありますか?
「いつも通りそんなに気張らずで(笑)。ライブに来て頂けるのであれば、あとはお任せくださいっていう感じですね。最近はだいぶ思考、やりたいことがシンプルになってきて、とにかく笑えたらいいかなって。いろんな世代の方々がライブにいらっしゃいますけど、全員が最後に笑えていたらいいなって。そういうライブをできるのがいちばんBRADIOらしくていいなって思っているので、その辺を核に、今回のツアーも届けられたらなと思っています。俺ら、やっぱり人が笑っているのを見るのが好きで、それでHAPPYなので」
――分かりました。では、最後にメッセージもお願いします。
「笑顔にしたいっていう思いは第一にあるんですけど、BRADIOと出会ってくれたこと、見つけてもらえてありがたいという気持ちは音楽でしか返せないので、そういう思いをアルバムやライブで受け取ってもらえたら嬉しいなと思っています。BRADIOは現場が好きなので、ライブに来てほしいです」
取材・文=金子 裕希