2024/6/4
インタビュー
――大阪では今年4月に開催された春に続いての独演会ですね?
「真打になって大阪で初めての春の独演会の後に、もう一度夏に来させていただけるのはありがたいと思っています。7月の連続ネタおろし独演会が終わった後の『ニュー桃花』になって、大阪のみなさんの前に伺えるんじゃないかなと思っております。春とは違ったネタで楽しんでいただきたいです」
――7月のネタおろしの会のことを教えてください。
「池袋演芸場で、寄席の形態ではなく、夜席終了後の午後9時開演の深夜寄席の形です。池袋演芸場では初めてのことで、その深夜帯の時間を使って31日連続の独演会をする。その中で全日新ネタをおろしていく取り組み、さらに既存のネタも毎日すべて変えます。31日間、落語協会の一番フレッシュな新二つ目31人に毎日ゲストに来てもらう試みもさせていただいています。ネタおろし31日間という、私も入門から聞いたことのない数を自分で言ってしまった手前、引くに引けない状況になってしまって。8月の独演会はそれを終えて、疲れ果てたげっそりした私かもしれないし、ネタが増えて充実した私かもしれない。でも、それをやり遂げた桃花でありたいと思っているので、『ニュー桃花』という言い方をさせていただきました」
――なぜ、独演会を深夜帯に?
「寄席を活性化させるためには、深夜帯をもっと増やしていくべきじゃないかとずっと思ってて。新宿末廣亭では深夜寄席をやってるけど、月に1回で、池袋演芸場では初めてなんです。深夜帯に寄席があったら行けるのにという方も結構いらっしゃるんですよね。さらにそれをみなさんに見ていただくには長い期間やらなくちゃいけないなと思って1ヵ月になって。さらに、1ヵ月やるとなると自分に負荷をかけなくちゃいけないかなと。私の中でどんどんどんどん企画が盛り上がっていって、こういったのをやろうということになりました。私も、もちろんネタを31席も仕入れることができるし、成長につながる。これは何とかして、はいつくばってでもやり遂げようと思っています」
――どんな噺をネタおろしされますか? 小朝師匠はなんとおっしゃっていますか?
「新作落語半分、古典落語半分くらいの割合くらいでやろうかなと思っていまして、新作落語もいろいろな師匠方から代表作と言われる噺を頂戴したり、後は新作の師匠方が私に選んでくださったネタをやらせていただきます。古典落語は師匠にも今、『こういう企画なのでぜひ教えてください』と掛け合っていて。突拍子もない、いつもだったら言えないけど、今回だからお願いできるっていうセレクトもさせていただきました」
――今回の夏の独演会のネタや見どころを教えてください。
「大阪の独演会では7月にネタおろしをした31席の中からいい感じだったとか、楽しかったネタをやらせていただくかもしれないので、今までになかったラインナップになると思います。それも楽しみにしていただきたいですね。新ネタは大阪でかけるのはもちろん初めてになるので、そこらへんも楽しみです。そしてゲストが豪華です! 桂米団治師匠。『地獄八景亡者戯』という大作を教えていただきまして、そのご縁です。現地の方を現地の独演会にお招きするのは初めてで、それもすごく楽しみです。前座に上がっていただくのが米団治師匠のお弟子さんの米舞ちゃんで、師弟競演も見られます!」
――落語家としてこれから目指すところは?
「そうですね。いろんなことをやりたいし、自分が成長してから何かに取り組んだんじゃもう人生終わっちゃうなと。そういうものをわがままにやってっちゃおうと思ってて。40代はそういうもので突っ走って、50代、60代はそこで培ったものを磨いていく感じでできたらと思っています。おばあちゃんになったら、高座に出てきて『天気がいいですね』と言っただけでも成立する、そういう風になりたいなと思います。その時の自分に対して、自分のハードルをちょっとずつ上げるようなものを常に少しずつやっていく芸人になりたいと思っています」
――大阪の夏の独演会に向けてのメッセージをお願いします。
「連続独演会を終えた新しい私で、新しいネタを引っ提げて来ます。それが皆さんの夏をさらに熱くするようなネタになるのか、涼しげなネタになるのか。熱い桃花を応援していただければと思っています!」
取材・文=日高美恵
蝶花楼桃花 夏の独演会 (大阪公演)
出演:蝶花楼桃花
ゲスト:桂 米團治
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|日時|2024/08/18(日) 13:00 / 16:30 ※追加公演
|会場|心斎橋PARCO SPACE14
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