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地球ゴージャスに挑む風間俊介と鈴木福にインタビュー

2024/4/21

インタビュー

Daiwa House Special 地球ゴージャス三十周年記念公演 『儚き光のラプソディ』

岸谷五朗と寺脇康文の演劇ユニット・地球ゴージャスが、三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』を上演する。2020年・2021年とコロナ禍で2作品が上演中止となり「必ず大阪公演を実現する!」と熱い思いで臨む今回。岸谷が、今の日本や世界情勢、中川大志、風間俊介、鈴木福ら出演メンバーへの思いから、反戦と共に「人間の様を表現したい」と書いた6年ぶりの新作だ。10周年、20周年と10年ごとの節目に出演して来た風間と、1歳でデビュー以降、近年は舞台でも活躍している初参加の鈴木が思いを語った。

――初めて地球ゴージャスを観たのはいつですか? 鈴木さんは初参加ですね。

鈴木「映像でしか観たことがなくて。お話をいただいてから、やる気満々で『ZEROTOPIA』(2018)をDVDで観ました。華やかな雰囲気で、すごいなって。劇場で観ていたかった」

風間「僕は『カルテ』(2002年)を日生劇場で観ました。五朗さんと初めて会ったのは17歳。ドラマで一緒になって、打ち上げの時に五朗さんが『俊介、一緒に舞台やろうぜ』って。それから3年後、10周年の『クラウディア』に。今、あの時の五朗さんの年齢です、僕(笑)」

――地球ゴージャスの舞台は、歌やダンスにアクション、笑いもありますが、今回は「ゴージャスの中で初めて書いた会話劇」と岸谷さんが仰っていました。

風間「今までのエンターテインメント、プラス会話劇なんですよ。すごい勢いで会話があって、曲に突っ込んで、ナンバーが終わっても会話がぶわっと続くので、役者はどこで息を吸えばいいのか(笑)。尋常じゃなく濃厚な作品になると思います。すごい熱量なので、今までのゴージャスファンも驚くと思いますし、ゴージャスを初めて観る人は『これ、スタンダードですか?』って問いたくなるぐらいのエネルギー量だと思います」

鈴木「五朗さんも寺脇さんもエネルギッシュな役で、みんなエネルギー出力を高めてやっていますけど、もう常に全力でいなきゃいけないので本当に頑張らないとと思っています。自分の熱量でこの作品が変わって来るだろうというぐらい大事な役をいただいている自覚があるので」

――今、稽古では本読みの最中ですが、岸谷さんから今回の作品についてのお話は?

鈴木「反戦的なところもテーマのひとつになっていますが、命、時間、儚さ。“光”、でも“儚い”…。『儚き光のラプソディ』というタイトルを何度も考えさせられるような作品だなと感じますね。いろいろなところに岸谷さんの思いが詰まっていて、おもしろおかしく進んで行く話の中に、あ、そういう意味か、というものが散りばめられていて」

風間「いつにも増して物語への思いを五朗さんが語っているように僕には見えます。今まで演劇が閉ざされてしまった期間の思いを届けるがごとく、僕らに話しかけてくれて。大阪公演が2作品なくなった話をしていて、公演に穴を開けてはならぬ、役者は親の死に目にも会えないもの、千秋楽までやって当たり前という信念や教えを叩き込まれて来たのに、『明日からできません』って常識が覆った経験をしたと。『こんなに演劇は大事だったのか。ずっとそこにあってくれると思っていたものが』とか。五朗さんの中で、辛い4、5年だったんだろうとひしひしと。重さを感じるお話で、いつもと伝え方が違いました」

――その思いをわかって演じる。どう思われましたか?

鈴木「岸谷さんと寺脇さんの思いを、僕たちがしっかり完成させて届けないといけない。地球ゴージャスの一番上に立って、僕たちが支えないとこの作品は成立しない、ちゃんと届けるために頑張らないとって思わせてくれる人たちなんだなと、すごく感じました」

風間「今回、大阪のお客様たちも、本当に『やっと!』と思ってくださっていると思います。今回関わるみんなも、その思いを全部ちゃんと受け止めて演じたいですよね」

――風間さん、10年ごとのオファーって、どうですか?

風間「今までずっと思っていました。20歳の時に、厳密には再演をやったので21歳の時に『俊介、じゃあ10年後な』って。『いやいや、もっと近々でも』って言ったんですけど、ちゃんと10年後に『クザリアーナの翼』が来て。その千秋楽に『じゃあ俊介、また10年後な』って。そしたらほんとに10年後だから。でも、今回の千秋楽の時には僕から言います。『じゃ、また10年後に』って。で、また『10年後な』って言ったら、あの2人が70歳になっても続けている確証を得たようなものなので。それを聞きたいと思っています」

鈴木「僕はもう、毎回出演の男になりたいぐらい。そのぐらい楽しくて」

――今回、一番楽しみにしていることはなんですか?

風間「久しぶりにあの2人(岸谷・寺脇)と食事したりお酒を交わしたりして、今日の舞台やそれまでの稽古を話す機会があるかもしれないってことかな。昨今の演劇で、しかたがなかったとはいえ、大阪公演に来ているにも関わらず、公演が終わった後にみんな同じところに泊まっているのに別々の部屋でお弁当を食べていた。東京公演はそれぞれ家に帰るから、まだ自分の中では言い聞かせられたけど、ひとつ屋根の下にいて、今日一緒にあれだけのものを作った者たちと話せないって、辛かった。だから『大阪公演、ご飯行こうね』って思っています、本当に。それは人生の楽しみだと思うし、みなさんも公演が終わったら是非、観た人たちと一緒に食事に行って、これまでできなかった話をしてほしいなと思う」

鈴木「新しい劇場でできるというのも楽しみです。でも僕、お芝居の話をする食事会は経験がないので、それはすごく楽しみです。泊りがけで行く合宿感みたいな雰囲気が好きですね」

風間「地球ゴージャスで食事会に行ったら、陽気な海賊たちのような最高の宴になると思うよ(笑)」

鈴木「(笑)へぇ~! それを毎日やってほしいです(笑)。」

――岸谷さんは50代最後の舞台。鈴木さんは10代最後の舞台ですね。

鈴木「今回20歳になれないんですよね。『お酒一緒に飲みたいね』って言ってくださってるので、是非次の公演も一緒にさせてもらいたいです」

風間「そうだね、お酒が飲めるようになった記念公演(笑)」

鈴木「記念公演、やりたいです!(笑)」

取材・文=高橋晴代

 

Daiwa House Special
地球ゴージャス三十周年記念公演
『儚き光のラプソディ』

■作・演出
岸谷五朗

■出演
中川大志 風間俊介 鈴木福 三浦涼介 佐奈宏紀 保坂知寿 

原田治 小林由佳 井出恵理子 杉山真梨佳 内木克洋 
高木勇次朗 水原ゆき 精進一輝 高島洋樹 
輝生かなで 東川歩未 尾関晃輔 栁原華奈 
伊藤彩夏 千葉悠生 権田菜々子 清水錬

岸谷五朗 寺脇康文

▶▶オフィシャルサイト

大阪公演

|日時|2024/05/31(金)~2024/06/09(日)≪全11回≫
|会場|SkyシアターMBS

▶▶公演詳細

 

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