2023/11/26
インタビュー
――2019年結成なのですよね?
「そうです。私が一緒にやってみたいと名前を挙げたことをきっかけに、最初はセッションから始まったバンドなんですよ。聴く音楽はバラバラなんですけどみんな激しい音楽が好きで、やっていくうちに確立されていく方向性も同じだったので、それが今につながっています」
――キャッチコピー “地獄のゆるふわバンド”のように、楽曲の幅広さをはじめ、知るほどギャップの大きいバンドだと思います。
「地獄の要素は本当に曲にしかないです(笑)。みんな曲や音楽のことになるとこだわりや熱いものがちゃんとあるんですけど、喋っていると普通というかめっちゃ温和なメンバーが集っています。曲の振り幅は、2020年にパンデミックが起きて制限がある中、好きなように試してみようとYouTubeを始めて、そこで歌ものや激しいもの、オールドなど、いろいろなカバーをやってきたことが影響してけっこう自由で縛られていない感じになったと思います」
――結成5年目を迎えバンドとしてより強固になった部分はありますか?
「コロナ禍でリモートから始まったので、バンドらしくなったのって2、3年目あたりなんですよ。ありがたいことに自分たちがバンド感を築く前にYouTubeで知名度が上がっていたのもあったので、2022年の渋公(LINE CUBE SHIBUYA)ワンマンは成功させることができたかなって思うんですけど、そこをきっかけにどんどんバンドらしくなっていったと思います。最初に渋公でやるって聞いた時はキャパがデカすぎると思ったけど、どんな会場でも自分たちがやることは変わらないので、メンバーを信じようと思ってやりましたし、今年の4周年をホール(東京ガーデンシアター/神戸こくさいホール)で迎えられたのも渋公がきっかけだと思っています」
――大きな舞台といえば、来年2月に初の日本武道館公演も決まっています。
「めっちゃ神聖なところなのでみんなでビビッていますけど、今のツアーとはまた違うセットリストでいいライブができたらなと思っています。そのためにも会場に行ってビビらないように、A3で印刷した武道館の内部写真をお家の練習スペースに貼って、それを見ながら練習しています(笑)」
――その武道館に向けて勢いをつける開催中のワンマンツアー『おしくらまんじゅう押されて笑おう』ですが、これまでと比べて会場規模を小さくしましたか?
「はい。大きい会場でできるのはすごくありがたいことですけど、バンド感を育てるにはもっとメンバー同士の距離が近い“ザ・ライブハウス”っていうところでライブをたくさんできたらいいなっていうのがありましたし、“おしくらまんじゅう”状態のライブをずっとやりたかったんです。そのぎゅうぎゅう感をプッシュしたくて、このツアーのテーマ曲になったのがカバーEP(The Initial Impulse)に収録されている新曲『OSKR』です。気付いている人はけっこういるんですけど、『OSKR』で“おしくら”でございます(笑)。でも、荒れてほしいわけではなくて、愛を持ってぐちゃぐちゃになってもらえたらなと思っています」
――大阪公演に向けての意気込み、見どころを教えてください。
「大阪の方はけっこう手厳しい印象があって、味方にできるかどうかは自分たち次第だと思っているので、ちゃんと楽しいライブができたらいいなと思っています。もちろん『OSKR』もやろうと思っているのでみんなと一緒に楽しみたいですし、見どころもけっこうあって、『ZEN』という曲ではお饅頭が飛びます(笑)。しかもどこに飛んでいくのかはハラちゃん(ハラグチサン)次第で、1個と数に限りがございますのでGETした人は本当にラッキーです(笑)。激しいサウンドとか、シャウト、スクリームが入るような音楽って一般受けは難しいですけど、『蓋を開けてみるといろんな曲があるよ』、『メンバーはけっこうふわふわしているよ』っていうことをライブを通して知ってもらえたらすごく嬉しいので、いろんな人に聞いてもらいたいなってすごく思いますね。今回、けっこう女性が増えてきた印象があり、メンバー内にはママも2人いるので、そういうところでも関心を持って見てもらえたら。世の中のお母さんって溜まっているものがいっぱいあって、シャウトしたくなる時があると思うんですよ。だから、私たちの音楽を聴いてもらったり一緒に歌ったりしたら、旦那のちょっとした嫌なところとかを発散できるんじゃないのかなって思うので、お母さんたちにも流行ってほしいです(笑)」
――では最後にメッセージもお願いします。
「今はSNSとかで簡単にチェックできるけど、私たちはライブバンドだと思っていて、ライブでしか見られない良さっていうのを知ってもらえたらいいなと思っているので、ぜひご都合のいい時にお近くの会場に遊びに来て頂けたらなと思います。1月17日には3rdアルバム『EVOLVE』をリリースします。私たちは激しい、手数が多い曲になりがちなんですけど、今回はチャレンジして、ちょっと聴かせる曲が多かったり変化球的な感じになっているので、そこも楽しみにチェックして頂けたら嬉しいです」
TEXT:金子 裕希