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【KIRINJI】強力な最新アルバムを小脇に抱えバンド編成での全国ツアーを開催

2023/9/25

インタビュー

KIRINJI TOUR 2023

1998年に掘込高樹、堀込泰行の兄弟ユニット“キリンジ”としてメジャーデビューを果たし、2013年の泰行脱退後は新メンバーを迎えた6人編成バンド、2021年からは掘込高樹のソロプロジェクトとして形を変えながら活動を続けてきたKIRINJI。今回、8月に迎えたデビュー25周年、“新しい音楽も古い音楽も取り込んで今の音楽を響かせる”場所として今年4月に設立した新レーベル『syncokin』、9月にリリースした約1年9ヵ月ぶりの最新アルバム『Steppin’ Out』、そしてこの作品を小脇に抱えて行う全国ツアーについて話を聞いた。

――8月にデビュー25周年を迎えられたとのことで、おめでとうございます。改めてここまでを振り返るといかがでしたか?

「やっている側としてはそんなに実感はないんですけど(笑)、ただ、誰でも25年続けられるわけではないですし、こうやって続けてこられたのはファンの人が支えてくれたからなので非常に感謝しています。グループとしては弟が抜けて、そのあとバンドになったり、今は一人でやっていていろんな変化があったので、周りからは『大変なことになったね』っていう感じに受け取られているみたいなんですけど、自分としては変化があって面白いなっていう感じで(笑)。泰行が辞めてちょっと大変になりそうだなとは思ったけど、新しいKIRINJIを提示するいい機会だと思ったし、バンドを終えて一人でやるのも自分で判断したことなので、大きな変化はあったけど楽しかったなと思っています」

 
――変化といえば、4月に新レーベル『syncokin』を立ち上げられました。このきっかけは?

「今の音楽業界ってサブスク中心になっていますよね。あのシステムっていろいろ善し悪しがあるって言われていますけど、『作品を作ったから、来週、再来週に出しましょう』という感じですぐに出せるんですよね。CDの場合はいろんなプロセスを踏まなきゃいけないからすぐには出せないじゃないですか。また自分たちのレーベルであれば関わる人数もそんなに多くないですから、作品を出そうと思ったらすぐに出せるので。サブスク中心ではあるんですけど、CDが欲しいと言ってくれる人がいるので、引き続きパッケージも出していくつもりです。でも、出すからには物として魅力がないとよくないと思うんですよ。だから今回、通常盤はプラケースよりもコストはかかりますけど紙ジャケットにして。数量限定の特装盤は落雁が入っているんじゃないかというくらいの箱に入っていて、開けると歌詞カードが全部曲ごとに分かれていて、『指先ひとつで』の歌詞は指のデザインになっていたり、『I ♡ 歌舞伎町』はハンバーガーの包み紙をイメージしたパッケージだったりとか楽しい工夫をしていて、物としての面白さも提供しました」


――特装盤にはデモ音源もついていますよね。

「はい。全曲分入っています。今までデモ音源って出したことがないんですけど、インスト以外にもう一つ何か音源を入れるってなった時に、デモを入れることで、この曲がこうなったんだよってことを楽しんでもらったほうがまとまるなと思ってこうしました」
 

――デモを聴くことで曲の変化などが分かって面白かったです。さて、今回のアルバム『Steppin’ Out』は気持ちが上向きになることを意識したとのことで、何かきっかけはあったのでしょうか?

「ずっとコロナ禍の生活でいろんなものに制限をかける暮らしでしたよね。そうすると、どうしても気持ちも内向きになってくる。自分自身、コロナのあとの世の中を生きたいなっていう気持ちがあったから、“コロナが終わったら何か楽しいことが待っているよ”っていうことが暗示されるような歌詞、メロディアスで自分としては明るめのサウンドにしました。とはいえ、今回のアルバムも割と自分らしさというか、従来のKIRINJIのテイストがすごくあるなと思っていて。メロディとか歌詞とか、あとはテンションというか、温度感かな。感情の起伏はあるけど、平熱っぽいというか、そのくらいのテンションの中に収まっている音楽だと思います」


――11月からはバンド編成でのツアーが始まります。これはニューアルバムを引っ提げて行うツアーになりますか?

「そうですね。僕は『小脇に抱えて』って言っているので、アルバムを小脇に抱えて回ります(笑)」


――小脇に抱えるっていい表現ですね(笑)。では、最新アルバムを小脇に抱えたツアーはどういうものになりますか?

「このアルバムの曲はもちろん、バンドメンバーがいろいろできる人たちなので昔の曲もやりますし、KIRINJIにはクリスマスソングもあるのでそういう曲もやろうかなと。ライブはスタンディングなので、けっこうグルーヴのある曲を中心にしようかなと思っています」


――ちなみに大阪のライブで楽しみにしていることは?

「キョードー大阪さんからのお菓子の差し入れがあるんですけど、そこに堂島ロールとかその時のトピックとなるようなお菓子がふるまわれるんです。それはほかではないことなので、『今日はこれか!』ってわりとミュージシャンは楽しみにしていますね(笑)。でもそういうことじゃないですよね(笑)。大阪のお客さんはけっこうしっかりと聴いてくれている印象があるので、やっている方としてはちゃんと聴いてくれているんだって思えるので嬉しいですし、曲によって盛り上がってくれるのももちろん大歓迎です!」


――では、最後に改めてライブへの意気込みをお願いします。

「今回は僕を含めて6人編成のバンドで回るのですが、非常に強力なメンバーを集めましたし、アンド強力なアルバムなのできっといい演奏になるはず。実は2020年に組んでいたツアーがコロナ禍の影響で飛んでしまって、その時に行くはずだった土地をもう1回まわるんですね。そういった何年か分の気持ちも込めてやるので、きっといいライブになると思います」

 

TEXT:金子 裕希

  

KIRINJI TOUR 2023

■LIVE MEMBER​
​堀込高樹(Vocals, Guitar)
千ヶ崎学(Bass)
シンリズム(Guitar)
伊吹文裕(Drums)
宮川純(Keyboards)
小田朋美(Synthesizers, Vocals)

|日時|2023/12/15(金) 19:00
|会場|BIGCAT
▶公演詳細

▶オフィシャルサイト

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