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【インタビュー】十三代目 市川團十郎

2023/9/15

インタビュー

十三代目 市川團十郎白猿襲名披露巡業

 『十三代目 市川團十郎白猿襲名披露巡業』が全国20ヶ所で行われる。市川海老蔵改め市川團十郎、人間国宝の中村梅玉を筆頭に、『君が代 松竹梅』、『口上』、『毛抜』が上演される。

 昨年10月に十三代目を正式に襲名した團十郎は「どうしてもまだ海老の殻がくっついた状態で生きている感じでしょうか」と思いを吐露。「夏休み中も街を歩く皆さんから〈海老蔵さん〉とお声かけをいただきました。何十人の方々が〈海老蔵さん〉で、その内の2人くらいが〈團十郎さん〉。まだ名前が浸透していないんだと実感しましたね。とはいえ、團十郎として生きないといけないという難しさがあるので、今もまだ模索中です」とも。

 今回の巡業の見どころは、やはり歌舞伎十八番の『毛抜』。團十郎は「主人公の粂寺弾正は愛嬌とおおらかさなど、歌舞伎十八番の「剛の者」というすべてのエッセンスがないと出来ない、ハードルの高い役」といい、「歌舞伎十八番は荒事の印象があるかもしれませんが、お家騒動を解決していく主人公が奮闘していくところに、新しい視点でも見ていただける作品なのでは」。

 そんな難役を、團十郎の息子・市川新之助は史上最年少の9歳で演じた。「彼にとって『外郎売』と『毛抜』が〈海老蔵〉になるための特急券になればと、あえて口酸っぱく言わないことに気を付けて指導しました。結果、彼は大らかにやっていた。あの大らかさを引き出すために、 私はあえて貝となりました」という。

 團十郎は「自分自身、他の興行を含めても各地に一番足を運んでいる役者だと思います。歌舞伎座や博多座、大阪松竹座、南座に来られないという方々が全国に多くいらっしゃるので、そのような方にも歌舞伎を届けられるよう、巡業に力を注いで生きてきました。今回もまた各地の方々にお会いできますので、『今まで海老蔵としてありがとうございました。團十郎として今後ともよろしくお願いいたします』と伝えられるような形の興行になったら」と熱く語る。

 特に今回は、兵庫や奈良などの関西も巡る。当地に関する思い出を尋ねると、團十郎は『勧進帳』ゆかりの東大寺があることなどから「(奈良には)思い入れがあります」と言いつつ、「鹿に遭遇するときに一番奈良を実感しますけど」と笑う。また、神戸については「街並みが好きです。またお邪魔できることは楽しみですね」と話した。

文:五月女菜穂

 

十三代目 市川團十郎白猿襲名披露巡業

【兵庫公演】
|日時|2023/10/20(金) 14:00
|会場|神戸国際会館こくさいホール
▶公演詳細

【奈良公演】
|日時|2023/10/21(土) 12:30 / 16:00
|会場|なら100年会館
▶公演詳細

【大阪公演】
|日時|2023/10/25(水) 14:00
|会場|フェスティバルホール
▶公演詳細

▶オフィシャルサイト

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