2023/8/10
その他
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』が東京・PARCO劇場にて8月7日に開幕した。本公演は全国7都市を回り、大阪公演は9月16日~17日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。開幕に合わせて、舞台写真が到着した。
外はまだ凍えるように寒い5月。
領主のラネーフスカヤ(原田美枝子)が,娘のアーニャ(川島海荷)や同行していた娘の家庭教師シャルロッタ(川上友里)と共に、5年ぶりにパリから帰ってくる。帰還を喜ぶラネーフスカヤの兄ガーエフ(松尾貴史)、養女ワーリャ(安藤玉恵)、老召使フィールス(村井國夫)、管理人のエピホードフ(前原滉)、メイドのドゥニャーシャ(天野はな)や近くの地主ピーシチク(市川しんぺー)たち。留守の間に領地を任せたガーエフには経営の才はなく、ワーリャが取り仕切るも、負債は膨らむばかり。借金返済のため、銀行は8月に領地である“桜の園”を競売にかけようとしている。
“桜の園”の農夫の息子だったロパーヒン(八嶋智人)は今や実業家。彼は桜の木を切り払い、別荘地として貸し出せば、競売は避けられると助言する。しかし、美しい“桜の園”を誇りにするラネーフスカヤとガーエフは破産の危機も真剣に受け止めようとしない。
以前よりエピホードフから求婚されていたドゥニャーシャは、ラネーフスカヤに仕えてパリで暮らしていた召使ヤーシャ(竪山隼太)に惹かれるようになり、アーニャは、大学生であるトロフィーモフ(成河)が抱く新しい思想に触れて、“桜の園”の外で新しい生き方を選ぶことを考え始めていた。
競売まで一か月と迫る中、ロパーヒンはラネーフスカヤとガーエフに、領地を別荘地にして競売を避けるようにと説くが、二人は承知せず、あてにならない話にすがろうとする。
母ラネーフスカヤと共に戻ったアーニャは、同行していた家庭教師シャルロッタの無駄なおしゃべりや手品に退屈していたが、トロフィーモフが抱く新しい思想に触れて、“桜の園”の外で新しい生き方を選ぶことを考え始めていた。
“桜の園”競売の当日にもかかわらず、相変わらず呑気なラネーフスカヤたち。そこへガーエフとロパーヒンがやってきて、競売の結果を報告するのだが……。
来たるべき新しい時代を見据えて変革をいとわない人々。対して、落ちぶれてもなお、過去にすがり現実を見ようとせず時代の波に取り残される領主貴族たち。それぞれが向かう先とは……。
撮影:細野晋司
『セールスマンの死』(22年春)の斬新な演出で日本の演劇ファンをうならせたショーン・ホームズが
豪華俳優陣と日本クリエイターと創る23年版『桜の園』。
社会が急速に変容し、人々がその急流に押し流されそうな現在と同様に「既存の価値観との決別」と「新しい価値観の受容」という課題に直面する『桜の園』の登場人物たち。ショーン・ホームズは120年前の物語が、時代を超え、国境を越え、今なお現代に生きる私たちに問い掛けてくる「声」を掘り起こし、2023年に響かせます。
ぜひ、ご覧ください。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
桜の園
■作
アントン・チェーホフ
■英語版
サイモン・スティーヴンス
■翻訳
広田敦郎
■演出
ショーン・ホームズ
■出演
原田美枝子、八嶋智人、成河、安藤玉恵、川島海荷、前原滉、川上友里、竪山隼太、天野はな、永島敬三、中上サツキ、市川しんぺー/松尾貴史、村井國夫
|日時|2023/09/16(土)17:00
2023/09/17(日)13:00
|会場|森ノ宮ピロティホール
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