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2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演
いのうえ歌舞伎『天號星』 取材会レポート

2023/8/12

取材レポ

2023年 劇団☆新感線 43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』

古田新太と早乙女太一の入れ替わりで
多彩なパターンの殺陣が繰り出される!

劇団☆新感線と言えば華麗な迫力ある殺陣! その期待を裏切らない『天號星』は、古田新太と早乙女太一・友貴兄弟の共演が実現。元禄の世を舞台に、引導屋の主人で心は温厚な元締め(古田新太)と、“狂犬”と呼ばれる殺し屋(早乙女太一)の身体が入れ替わる驚きの設定のもと、江戸情緒溢れる奇想天外な人情劇が繰り広げられる。主宰・演出のいのうえひでのり、古田新太、早乙女太一、新感線に初出演の乃木坂46・久保史緒里が大阪で取材会を開き、稽古に入った現在の心境や意気込みを語った。

――中島かずきさん書き下ろしの新作である今作の見どころについて教えてください。

いのうえ「裏稼業のボスらしき男である古田と、彼を狙う殺し屋の太一くんが入れ替わるというのがミソ。そこで起きるドタバタや、ヒヤッとするサスペンスタッチのシーンなどがあり、新感線で久方ぶりにチャンバラが見せ場の芝居になると思います。池波正太郎テイストな時代劇ではあるのですが、作家からはあまりそこを強調するなと言われています。」

 古田「一応、池波ファンとして言わせてもらうと、全然池波正太郎じゃない! 言ってみれば、テレビの“必殺シリーズ”のオマージュです。」

いのうえ「普通の格好をした人が多い時代劇かな、というぐらい(笑)。いろんな趣向のチャンバラがあり、スカッとする芝居になればいいなと。久保史緒里さんには、乃木坂46では歌っていないタイプの歌を2、3曲歌ってもらおうと思っています。」

――久保さんは劇団☆新感線に初参加ですが、最初にお話を聞かれたときはいかがでしたか?

久保「劇団☆新感線さんの舞台はたくさん観に行かせていただいていましたが、その中に自分がいるのは正直想像がつきませんでした。でもすごく嬉しかったですし、両親やメンバーに報告したらみんなとても喜んでくれました。私自身、引っ込み思案で人見知りなのでうまく馴染めるか不安もあったのですが、稽古が始まると皆さん温かい雰囲気で迎えてくださり、あとは自分がひたすら頑張るのみだなと思っています。」

――役柄は古田新太さん演じる藤壺屋半兵衛の娘で、歌って踊る巫女の「神降ろしのみさき」です。

 久保「私はあまり殺陣とかもなく、同じく初参加の山本千尋さんとの場面などで愛情深い会話のシーンもあって。チャンバラの勢いがある物語のなかでまた少し違う、癒しのような役割を担えたらいいなと思っています。そして一番は出演者の皆さんとの距離を縮めたいです。山本さんはすでにもう馴染んでらっしゃる感じがするので、私もそこに交ぜていただけるように、という気持ちです。」

古田「おいらは役的に、ちーちゃん(山本)としーちゃん(久保)の父親役。ちーちゃんはもうおいらのことを“おとっつぁん”と呼んでるから、しーちゃんもそう呼べるように飲みに行こう。」

久保「はい! 実はもっと仲良くなれるように、山本さんと私の顔写真が入ったTシャツを作って、古田さんに着てもらおうという作戦が動いています。」

一同 (笑)。

――早乙女さんは2019年『けむりの軍団』以来の劇団☆新感線ご出演。弟の早乙女友貴さんと兄弟揃って、古田新太さんと共演するのは初めてです。

早乙女「久しぶりの新感線出演、古田さんがいてくれてなおさら嬉しかったです。僕は新感線に憧れて殺陣を始め、古田さんの映像を観ながらやってきた部分があり、それを弟に伝えて弟も新感線が好きになったので、僕たち兄弟にとっての夢の場所でもあります。弟も今回すごく喜んでいるし、僕から見て、今の弟は身体の動きの仕上がりが年齢的にもすごくいいんですね。僕はこれから少しずつ落ちてくるだろうから(笑)、今の時期が兄弟でベストタイミングなのかも。ぜひそこは観ていただきたいです。」

古田「早乙女兄弟は新感線に何度も出演してるし、二人とも若い頃から知ってるけど、おいらが出てないときの出演が多いんだよね。おいらと早乙女兄弟は、キャラがかぶってるのかな。」

いのうえ 「アハハハ!」

古田「二人は似てるんだけど、キャラがちょっと違うんで、役者としておもしろい。あんまり立ち回りが速かったら怒るけど(笑)。」

――立ち回りが多いとのことですが、だからこその見どころも教えてください。

古田「おいらはまだ見てないんだけど、太一、ちーちゃんとの立ち回りはどうなの?」

早乙女「ちーちゃん、山本千尋さんが奮闘してます。彼女の中国武術、刀をくるくる回すなど身体能力がものすごく高く、アクロバティックな派手な立ち回りになってます。」

古田「そういうのがおもしろいと思うし、兄弟同士の殺し合いみたいなのもあり、そこにおじさんが絡むから、いろんなパターンになると思う。」

早乙女「そうですね。入れ替わりからまたどんどん変化し、いろんな種類のアクションが見れるんじゃないかな。」

古田「ただ、本を読んでるとどっちがどっちか分からなくなる。太一は手練れの殺し屋で、おいらは元締めではあるけど元大工でサムライでもないから、太一がおいらの身体を手に入れたところで戦えない。おいらは太一の身体を手に入れても、中身は大工のおじさんだから戦えない。どっちも弱くなる、っていうね。達人同士の立ち回りは無駄がないからラクだけど、素人同士という設定で戦うのは、めちゃくちゃしんどかったよな?」

早乙女「しんどかった(笑)。格好いい立ち回りではないけど、古田さんとそういうふうに遊べるのもなかなかないんで、それはそれで楽しくやらせてもらってます。」

古田「結局二人はその身体に慣れていき、最終的に強くなっていくもんだから…『なんだそれ!』って(笑)。みんな戦い方のスタイルが違うし、後半になるにつれ、余計に楽しく見れるんじゃないかな。いつものような戦場とかではないので、結構卑怯な手も使ったりして。そこも見せ場です。」

――古田さんと早乙女さんにとって理想とする殺陣は?

古田「おいらはもともとテレビを見ながら真似をしていたチャンバラおたく。昔の時代劇の、最後にヒーローが全員をやっつけるのが好きだった。最も愛する“チャンバリスト”は近衛十四郎さんです。松方弘樹さんのお父さん。やっぱり刀が重いですね。」

早乙女「それこそ僕は殺陣に興味を持ったのが新感線だから、古田さんであり、今の松本幸四郎さんとか。新感線独特の殺陣の魅せ方があり、華やかさプラス、ストーリーや会話が見える殺陣をすごく勉強しました。」

――最後に大阪公演を楽しみにしているお客様にメッセージをお願いします。

いのうえ「新感線にしては久しぶりに客席を多用したライブ感のあるステージになるので、そこも楽しみにしていただきたいと思います。」

古田「大阪に来る頃には、おいらたちも舞台のおもしろさが分かってきていると思うので、大阪のお客様はご安心ください!」

早乙女「新感線の舞台は特に本番が始まってからも変わるところがあり、どんどん進化していきます。その状態で大阪に乗り込んできますので、お待ちいただけたらと思います。」

久保「東京公演を経て、私個人としては出演者の皆さんとの距離を縮めた状態で来れると思うので、パワーアップした形で大阪の皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります!」

取材・文:小野寺亜紀
撮影:西木義和

  

2023年 劇団☆新感線 43周年興行・秋公演
いのうえ歌舞伎『天號星』

|日程|2023/11/01(水)~2023/11/20(月)≪全22回≫
<大阪公演の追加公演決定!>
*追加公演=11/06(月)18:30/11/13(月)18:30
|会場|COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

■作:中島かずき
■演出:いのうえひでのり
■出演:古田新太 早乙女太一 早乙女友貴
久保史緒里 高田聖子 粟根まこと 山本千尋
池田成志
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 磯野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 紀國谷亮輔 寺田遥平 伊藤天馬
米花剛史 武市悠資 山崎朱菜 本田桜子 古見時夢

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