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【インタビュー・渡辺美里】充実のデュエット作と「うたの木」の成長を辿るツアー

2023/8/24

インタビュー

渡辺美里ライブ うたの木 GROW

「うたの木」シリーズの世界をソリッドなバンド編成で

2023年5月にデュエットアルバム『Face to Face~うたの木~』をリリースした渡辺美里。泉谷しげる、世良公則、小堺一機、大江千里、LiLiCoなど、豪華ゲストが多数参加した本作は、国内外の名曲がバリエーション豊かなアレンジで表現され、「うたの木」シリーズの新たな魅力を開花させる1枚となっている。聴きどころ満載な本作の制作背景、そして9月からスタートするツアー「うたの木 GROW」についても話を聞いた。

――まずは最新アルバム『Face to Face~うたの木~』についてのお話を。本作はデュエットアルバムとなっていますが、どのような経緯で制作されたのでしょうか。

 「昔、植木等さんと『花と小父さん』をデュエットさせていただきたいと思って、ご本人にもお話していたことがあったんです。しかし、当時はスケジュールの問題もあり、実現しなくて。そこから、いつかデュエットアルバムを制作したいという想いを持っていたのですが、待っていてもチャンスは巡ってこないと思い、今回、私から提案して叶えることができました」

――デュエットのパートナーも豪華メンバーが揃っています。

「それぞれ長いお付き合いのある方ばかりで。小堺一機さんとは約9年間、一緒にラジオをやらせていただきましたし、山口智充さんには西武球場のライブにゲストで出ていただき、私も彼のライブに出演したことがあります。泉谷しげるさんには20代の頃からお世話になっていて、世良公則さんもライブでたびたび共演させていただいています。西寺郷太さん(NONA REEVES)もアルバム『ID』で楽曲提供していただいて、今回、『ハリウッド・スキャンダル』のイメージにぴったりということで声をかけさせていただきました。楽曲は、どれも『この人に、ぜひこの曲を歌ってほしい!』と考えながら選びました」

――2曲で参加されているLiLiCoさんとのコンビネーションが新鮮かつ、とてもエネルギッシュでした。

「LiLiCoさんとは、お互いのラジオ番組にゲスト出演したり、結構、長いお付き合いなんです。服やアクセサリーの趣味が似ていて話も合うし、歌を歌いたいとも聞いていたので、このアルバムの構想が浮かび上がったときに、真っ先に声をかけました。アルバムのオープニングも彼女と2人でゴージャスに飾りたいと思ってスイング感たっぷりな『It Don't Mean A Thing』を選びました」

――増子直純さん(怒髪天)は、やはりROOTS66(1966年の丙午年生まれのアーティストたちが出演するライブイベント)メンバーを代表してという感じでしょうか。

「35周年の時に『ハートに火をつけて~シーズン2』という楽曲を怒髪天とレコーディングしたのですが、安心できる同世代ということで今回もご登場いただきました。沢田研二さん以外で『憎みきれないろくでなし』という言葉が似合う人は誰だと思ったら、もう彼しか思い浮かばかなかったですね。同世代からは『Dream A Little Dream Of Me』で光田健一さん、『やさしい悪魔』で川村結花さんにも参加していただいています」

――数多くの名曲を共作されてきた大江千里さんの参加もファンにとっては胸が熱くなるポイントかと思われます。

「音楽仲間として本当に長い付き合いですからね〜。今回は『Maybe Tomorrow』を千里さんのピアノと私の歌でやりたいと思って。彼の場合、公演で来日しても会う時間がないままアメリカに帰ることもあるから、早めにスケジュールを押さえてもらいました。YouTube配信で対談したり、画面越しではよく会っている気がしていたけど、一緒にスタジオに入るのはかなり久しぶりでしたね。レコーディングもお互い顔を見合わせながら演奏して、ほぼ一発でOKが出ました。ピアノとのデュエットは光田さんとの共演やバンドメンバーである真藤敬利さんとの『グッド・ナイト・ベイビー』も素敵な仕上がりになっています」

――9月からはツアー「うたの木 GROW」がスタートし、12月の大阪・サンケイホールブリーゼでファイナルを迎えられます。今回はどのようなステージングをイメージされていますか?

「『Face to Face~うたの木~』はもちろん、『うたの木』シリーズを振り返りながら、オリジナル楽曲も2023年のスタイルでお届けする予定です。『うたの木』が始まって25年になるのですが、会場のみなさんと一緒に、さらにこの木を大きく育てていきたいと思っています。そして、改めて歌の苗をお家に持って帰っていただけたら。今回、バンドは真藤さんがリーダーの4人編成で、シンプルな分、音も太くなるし、より身近な距離感で楽曲をお届けできるかと思います」

――ライブに加え、8月には『Face to Face~うたの木~』、10月には『うたの木 彼のすきな歌』と『Flower bed』のアナログ盤が発売されるということで、ファンのみなさんにとっては嬉しいニュースが続きますね。

「Face to Face、まさにミュージシャン同士が顔を突き合わせ、人力を駆使して作ったアルバムがこうやってアナログ盤でも聴いていただけるのは本当に嬉しいことです。デジタルなものも便利で素敵ですが、やはりアナログ盤に針を落とす瞬間の緊張感やワクワク感って何ものにも代えがたいですよね。今回のアルバムもライブも、腕利きの面々が集まって昔ながらのやり方で音を奏でる楽しさを、ぜひ味わっていただけたらと思います」

TEXT:伊東孝晃

  

渡辺美里ライブ うたの木 GROW

|日時|2023/12/16(土) 17:30
    2023/12/17(日) 16:30
|会場|サンケイホールブリーゼ

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▶▶オフィシャルサイト

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