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KEP ONLINE Online Magazine

【インタビュー】夏川りみ

2023/6/20

インタビュー

夏川りみ コンサートツアー “たびぐくる” 2023

ヒット曲から民謡まで、
沖縄の心と歌を知ってほしい

透明感のある美しい歌声が、沖縄の青い海を思わせる夏川りみ。昨年大好評を博したコンサートツアー「たびぐくる」を今年も開催する。「たびぐくる」とは沖縄の方言で、「旅するように沖縄の心を届けたい」という思いを込めている。昨年リリースした最新アルバム『会いたい~かなさんどぉ~』は、愛をテーマに、沖縄や家族、ファンへの思いがあふれた作品だ。夏川にコンサートや最新アルバムについて聞いた。

――前回のツアー「たびぐくる2022」の反響はいかがでしたか。

「最新アルバム『会いたい~かなさんどぉ~』から、たくさん聞いてもらい評判もよくて、楽しかったですね。皆さんとひとつになれたと感じました。
コロナ禍の前までは、いつもコンサートの後半の民謡を歌うタイムで、お囃子といい、私が「イーヤーサーサー♪」と言えば、お客さんが「ハーイーヤー♪」と返してくれるのがお決まりでした。今回、お客さんが声を出してもOKなので、さらに盛り上がるんじゃないかと今からワクワクしています。前半に歌う私の曲は、ゆったりとして静かなものが多いので、後半はいつもお祭りのよう。前半は寝てもらって、後半は起こすみたいな感じです(笑)。今回もそうなると思います。」

――寝ている人はあまりいないと思いますが(笑)。

「結構、いますよ(笑)。「寝ていいよー」と言ったら、一番前の席で寝ている人がいます。見つけると「寝てるな」とうれしくなるんです(笑)。」

――心が広いのですね(笑)。

「アッハッハッハ。」

――今回の構成はどうなりますか。

「ファンの方に「どんな曲が聴きたいですか?」とSNSでアンケートを取ったりするので、「涙そうそう」などの昔の曲や最新アルバムの曲を交えながら、皆さんのリクエストも入れる予定です。」

――最新アルバム『会いたい~かなさんどぉ~』ですが、「かなさんどぉ」は「愛してるよ」という意味だそうですね。

「地元でもあまり使われていない方言で、もったいないなと。私も方言で育ってはいないんですが、最近の若い沖縄の人たちは方言が分からない子が多く、寂しいなと思うんです。だからなるべく使いたい。私のテーマはいつも「愛」なんですが、今回も色んな愛を歌っています。」

――アルバム8曲のうち、3曲の作詞作曲を長年共演しているピアニストと一緒にされました。オープニングの『波照間ブルー』は、80・90年代の日本のポップスを聴いているような懐かしいアレンジの曲ですね。

「こういった感じの曲はこれまでに少なかったので、新しい夏川りみも観てもらいたいなと。実は波照間島に行ったことがないのに曲を作ったんです(笑)つい先日、やっと波照間島に行ってきて、私が作った曲の世界観と一緒で良かった!と確認してきました」と笑う。

――沖縄の人でもあまり行かないのですか。

「そうですね。石垣島から船で80分ほどのところです。あまり天候が悪いと船が出なかったりもするんです。昨年のツアーで「作ったけど行ったことがない」と言ったらお客さんが大爆笑していました。次のツアーまでに「私が先に行くのか、皆さんが先に行くのか勝負しようね」と言ったら、最近、ファンの方がバンバン波照間島に行って、『波照間ブルー』を歌っているそうです(笑)。」

――現地で聴いてみたい曲ですよね。

「私は石垣島出身で、あちこちの島の海を見ているんですけど、波照間ブルーはやっぱり違っていて感動しました。本当に真っ青で、どこまでも遠浅で、すぐそこに魚が泳いでいる。石垣島の青さとはまた違うんです。」

――行ってみたいです!作詞作曲はどこでされたのですか。

「西表島です。でも遊んでばかりで、小さい鍵盤を持って行ったんですけど、曲作りをしなかった。明日、石垣島に帰るという日に「これはいかん」と(笑)。とりあえず、少しだけメロディを作ったのが『波照間ブルー』『愛(かな)さ生まり島』『会いたい(想你)』の3曲なんですよ。」

――『愛さ生まり島』は沖縄の方言が使われています。

「自分が生まれた島のことを書くと決まっていたんですが、標準語で書くと照れくさくて、方言だったらいいかなと。沖縄辞典みたいな、方言辞典を使って調べて作ったんです。」

――夏川さんの奏でる三線や、ピアニストの伴奏も切なく悲し気です。

「本当は明るい歌を作りたかったんですが、自分の中からわき出たもので作ると、真逆になっちゃって。そういうのが好きみたいです(笑)。」

――『会いたい(想你)』は中国語が入っていますね。

「大好きなテレサ・テンさんのイメージです。私は台湾でコンサートをしているんですが、テレサさんとはお会いできなかった。彼女の曲は色んなところで歌っているので、ラブレターじゃないですけど、テレサさんへの思いを書きたかったんです。」

――今後はもっとご自身で作った曲が増えるのでしょうか。

「制作は続けていきたいですね。波照間に行った時もピアニストの方と、ちょこちょことは制作したんですね。それが次のアルバムに入るかは分かりませんが、自分で作る歌はやっぱり違いますね。」

――前にお話をうかがった時、「民謡を深めていきたい」ともおっしゃっていました。

「なかなか難しいんですよね。沖縄の方たちは色んな民謡を聴いていますし、耳が肥えている。沖縄のおじぃおばあになかなかほめられたことがなくて(笑)。地元で民謡を歌うのは皆さんが先生みたいな感じで一番緊張しますね。皆さん、拍手はくれるんですけど、ある先生に感想を聞いたら「まだまだだなぁ」と言われて、「ですよね」と(笑)。おじぃおばあに認められるまで頑張ります。」

――奥が深いのですね。大阪で夏川さんのコンサートにうかがって、民謡っていいなとしみじみ思いました。子どものころはそこまで思わなかったのですけれど。

「もっともっと色んな民謡があるんです。歌っていかないと忘れられる。多くの民謡を自分の声で吹き込んで、いつかアルバムを作りたいです。」

――来年、夏川りみさんの名でデビューして25周年です。

「20年以上も続けられると思っていなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。私は歌っている時が一番幸せなので、これからも沖縄のいい歌を知ってもらいたいなと思います。オリジナルでヒット曲も作りたいですね。これからも皆さんに心を込めて歌を届けていきますので、ぜひ、コンサートに来てください。」

取材・文 米満ゆう子

  

夏川りみ コンサートツアー “たびぐくる” 2023

【兵庫公演】
|日時|2023/07/01(土) 15:00
|会場|神戸新聞 松方ホール
▶▶公演詳細

【大阪公演】
|日時|2023/08/18(金) 18:30
|会場|COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
▶▶公演詳細

《夏川りみ SNS》
OfficialSite:https://www.rimirimi.jp/
Twitter:@rimi_official
Instagram:@rimi_natsukawa_official

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