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【インタビュー】「甲子園ブラスバンドフェスティバル2023」梅津有希子

2023/5/15

インタビュー

~阪神甲子園球場100周年記念事業~ 「甲子園ブラスバンドフェスティバル2023」

甲子園球場に野球&吹奏楽の強豪校が集結。
約800人の熱い応援演奏が球場に鳴り響く!

阪神タイガースの本拠地で高校野球の聖地でもある阪神甲子園球場が、開場100周年を迎える。その記念事業の一環として、最初に開催されるのが『甲子園ブラスバンドフェスティバル2023』。高校野球の甲子園アルプススタンドで野球部の試合を盛り上げ、応援演奏を繰り広げる吹奏楽部のメンバーたち。彼らの野球応援にスポットを当て、各学校の吹奏楽部が応援曲を演奏、チアや応援団と熱いパフォーマンスを繰り広げるイベントだ。これまで『ブラバン! 甲子園ライブ』というコンサートを、2017年から渋谷のNHKホールと大阪はフェスティバルホールで計3回公演。今年、ついに本物の甲子園球場に8校が集結する! 公演の監修は梅津有希子。映画化された青春漫画『青空エール』(河原和音 集英社)の監修を務め、著書『ブラバン甲子園大研究』(文藝春秋)を出版。高校野球ブラバン応援研究家という肩書を持つ編集者・ライターが、ブラバン応援の魅力や公演の見どころを徹底解剖する!

尼崎市立尼崎高等学校、近江高等学校、四條畷学園高等学校、智辯学園高等学校、
智辯学園和歌山高等学校、習志野高等学校、履正社高等学校、龍谷大学付属平安高等学校

「どの学校も高校野球の強豪校。応援はいつも流れるようにスムーズで、応援慣れしている学校ばかりです。さすが、強豪校ならでは。伝統のオリジナル曲や、その学校でしか聴けないチャンステーマなど、各校が名物曲を演奏するのが見どころですね」。

【8校の応援演奏、その魅力と秘話!】

履正社高等学校

今、東京ヤクルトスワローズでトリプルスリーと呼ばれ、大活躍している山田哲人選手が、履正社の野球部出身だ。プロ野球の試合でも山田選手のオリジナル曲を演奏、スタンドでファンが合唱し応援する。「履正社の偉大なOBなので、野球応援の時にも山田選手の曲を演奏します。この曲を演奏する学校は他にもありますが、履正社で聴いてこその名物曲ですね」。

智辯学園高等学校

智辯学園と智辯和歌山は兄弟校、共通で使う応援曲がいくつかある。智辯和歌山が全国に広めた“アフリカン・シンフォニー”や“魔曲”と呼ばれる“ジョックロック”など。また、智辯学園の応援曲はオリジナル曲が有名。ヒットが出た場合の“一番”(通称・ヒット)や“三番”など番号で呼ばれ、“一番”は智辯和歌山も使用している。

智辯学園和歌山高等学校

“アフリカン・シンフォニー”は、強い野球部の甲子園出場に「かっせ かっせ 智辯」の掛け声と共に何度も演奏され、「智辯和歌山がやる曲」として広まった。また「この曲で試合の流れが変わり、負けていても大逆転するという“魔曲”」が“ジョックロック”。今や他校も演奏するが「アルプススタンドで生で聴くと風格と気迫を感じさせる」。

四條畷学園高等学校

1991年の夏、甲子園に初出場で初優勝した大阪桐蔭高校。今では野球界の王者と言われるほどの強豪校だが、当時は吹奏楽部がなかった。そこで友情応援に駆け付けたのが四條畷学園高校のマーチングバンド部。昨年、今年とセンバツ高校野球で高知高校を友情応援。ズラリと並ぶスネアドラムのかっこ良さ。その応援がすごい!と、ネットで評判になったほど。

近江高等学校

ファレル・ウィリアムスの“Happy”や、オフスプリングの“Pretty Fly”など、野球応援では珍しい洋楽多めのラインナップ。なかでも、ランナー2塁時のチャンステーマ“Fireball”が盛り上がりソングとして人気が高い。中盤で繰り広げる、滋賀県出身・西川貴教の“HOTLIMIT”でテンションはMAXへ。琵琶湖のような近江ブルーが甲子園を熱くする!

龍谷大学付属平安高等学校

創立140周年の古豪で甲子園の常連。“H”の人文字がアルプススタンドを埋め、相手を不安にさせるような、おどろおどろしい雰囲気の応援曲“怪しい曲”が繰り返し鳴り響く。高校野球ファンの間で“怪しいボレロ”と呼ばれ、当時の吹奏楽部顧問・林晃と生徒たちが作った曲だ。野球応援はオリジナル曲にこだわり、“さわやかⅠ”など20曲を超える。

尼崎市立尼崎高等学校

吹奏楽部総監督の羽地靖隆氏が沖縄出身という縁で、40年以上にわたり甲子園で沖縄代表校の友情応援を引き受けている。また、第104回全国高校野球選手権大会の開・閉会式では、バックスクリーンで演奏するファンファーレ隊と、入場行進や大会歌等をグラウンドで演奏する音楽隊としても参加するなど、甲子園に欠かせない吹奏楽部でもある。

習志野高等学校

吹奏楽部は全日本吹奏楽コンクールと全日本マーチングコンテストの常連で、2022年には2大会で金賞を受賞。その高レベルの演奏力は野球応援でも発揮、“美爆音”と呼ばれる。応援曲の1番人気はオリジナルのテーマ曲“Let's Go! ならしの”。応援団のリズムと掛け声と共に演奏され、1975年の誕生以来、習志野市民に愛され続けている。

【プログラム】

観客席は、一塁側・三塁側の内野席バックネット裏を用意。
まずは、バックスクリーンで市立尼崎高校吹奏楽部によるファンファーレから開幕だ。名曲“大会行進曲”と“栄冠は君に輝く”を、一塁側・三塁側の両側アルプススタンドから全校の合同演奏で。チアや応援団を含む、約800人の大迫力の演奏が甲子園に響き渡る。次にメインイベント。人工芝エリア(ファウルグランド)で繰り広げる各校の演奏へ。既成曲やオリジナル曲など各校自慢の応援曲をメドレー形式で1校ずつ順に演奏、チアや応援団などが参加する学校もある。司会はABCアナウンサー・福戸あや。ゲストには前阪神タイガース監督・矢野燿大が登場。フィナーレは再び両側アルプススタンドより。人気曲“アフリカン・シンフォニー”と“KOSHIEN FOREVER”を全校の合同演奏で華やかに。「公演全体の目玉曲は“アフリカン・シンフォニー”でしょう。この曲は野球応援でも定番で、トップを争う人気曲ですが、もともと吹奏楽でとてもよく演奏されている曲なんですね。それを甲子園で、約800人の合同演奏でやるのはおそらく、史上初の試みだと思います」。

【メッセージ】

「『いつか甲子園でやりたいね』と言っていたのが、開場100周年という記念の年に実現できました。野球というジャンルに特化して、甲子園球場でチアたちの応援を含めて吹奏楽部が演奏する野球応援曲のフェスティバル、こんなイベントはまずないと思います。コロナがようやく落ち着いてきて開催できる喜びもあり、本来なら野球部が連れて行ってくれなければ来ることができない甲子園が会場。吹奏楽部にとっても憧れの甲子園で、思いっきり演奏ができる、吹ける。コンサートホールでの演奏は美しく奏でようと緊張してしまいがちですが、外なら思いっきり大音量で、のびのびと吹くことができるから普通のコンサートとは表情も全然違います。若さあふれる勢いのある演奏はホールじゃ聴けない、やっぱり球場ならではの音だと思いますね。自分の学校への誇りを込めて、そして来てくださるお客さんたちへの感謝を込めてエールを送りますという気持ちで演奏してくれるでしょう。お客さんにも是非コンサートホールでは体感できない、熱い空気感を味わっていただきたいですね。気楽に、野球の試合を見に来る感じで甲子園球場へお来しください」。

取材・文=高橋晴代

《プロフィール》
梅津有希子(うめつゆきこ)

ライター・編集者。高校野球ブラバン応援研究家。北海道出身。幼少期からピアノを、中学校から吹奏楽を始め、木管楽器のファゴットを担当。札幌白石高校時代、“吹奏楽の甲子園”普門館で開催された全日本吹奏楽コンクールに出場。“音楽の力”で選手を後押しする、吹奏楽部による野球応援の魅力に目覚め、10年前から球場通いを始める。甲子園を目指す高校球児と、普門館を目指す吹奏楽部女子の青春を描き、映画化もされた漫画『青空エール』(河原和音作/集英社)では監修を務めた。著書に『ブラバン甲子園大研究』(文藝春秋)などがある。

▼SNS
OfficialSite:http://umetsuyukiko.com/
Twitter:@y_umetsu
Instagram:@y_umetsu

  

~阪神甲子園球場100周年記念事業~
「甲子園ブラスバンドフェスティバル2023」

■日時
2023/06/11(日) 14:00

■会場
阪神甲子園球場

■出場校
尼崎市立尼崎高等学校(兵庫)、近江高等学校(滋賀)、
四條畷学園高等学校(大阪)、智辯学園高等学校(奈良)、
智辯学園和歌山高等学校(和歌山)、習志野高等学校(千葉)
履正社高等学校(大阪)、龍谷大学付属平安高等学校(京都)
※追加出場校は決定次第発表

■司会
ABCテレビ アナウンサー
福戸あや

■ゲスト
前阪神タイガース監督
矢野燿大

▶▶公演詳細
▶▶オフィシャルサイト
▶▶阪神甲子園球場100周年記念事業

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