詳細検索
  1. ホーム
  2. KEPオンライン
  3. 【取材会】『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』明日海りお&戸田恵子
詳細検索

KEP ONLINE Online Magazine

【取材会】『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』明日海りお&戸田恵子

2023/4/7

取材レポ

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

明日海りお×戸田恵子W主演で贈る
二大コスメブランドの熾烈な戦い

 2017年にブロードウェイで開幕、華やかで美しい世界観が高評価を得たミュージカルが日本初演、「エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-」として関西では大阪と京都で上演される。20世紀前半の化粧品業界に革命を起こした創業者、エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタイン。自らの名前を冠したコスメブランドを世界的地位に押し上げた女性2人の、情熱と波乱の人生を描いたミュージカルだ。エリザベス役には元宝塚歌劇団花組の男役トップスター・明日海りお、ヘレナを演じるのは三谷幸喜作品など舞台や映像で活躍する戸田恵子。このW主演に上原理生、吉野圭吾らの出演で。翻訳・訳詞・演出は人気演出家のG2が手掛ける。

 今、日本ではさまざまなブランドの化粧品があふれている。欲しい化粧品の人気ブランドは海外ファッション系コスメが席巻し、ジャンルもドクターコスメあり自然派あり…。エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタインが日本で女性誌を賑わせていた頃からは隔世の感がある。数十年前、アーデンと言えば可愛いピンクのパッケージが積まれた売り場に女子が群がり、ヘレナはスキンケアなど科学的アプローチを売りにカッコイイ系のイメージで。ファン層は違ったが「この化粧品を使ってる私って可愛い・素敵」という自己陶酔的思いは同じだったと思う。そのもっと昔、この二大ブランドの創業者たちが長年に渡るライバル関係にあり、華やかな化粧品業界の裏で歴史に残るほど熾烈な戦いを繰り広げていたとは!
 物語は、2人が共に貧しい出生ながらも独自の発想と行動力によってアメリカで創業、成功を収めた1930年代から始まる。偏見や障壁と戦い、ライバルと戦い、第二次世界大戦、台頭する振興ブランド、女性の価値観の変容といった時代の流れの中で苦悩しながらも人生を切り拓き、最後は“老い”との戦いが待つ人生後半の60年代までを描くミュージカル。
 ライバル同士の戦いが見どころのひとつだが、明日海と戸田は女優として「戦うのは自分自身」と声をそろえる。そんな2人が稽古を控え、作品への思いや見どころを語った。

オファーを受けて

「作品は映像や資料で観せていただきました。本当にオシャレなミュージカルで、女性の方たちにすごく喜んでいただける作品になるのではないかなと。あとは、テレビや舞台の作品をずっと拝見していた戸田さんがヘレナ役と知り、まさか自分が共演させていただけるなんて思ってもいなくて、思わず『私で大丈夫ですか?』と聞いたぐらいビックリ致しました」(明日海)
「私は舞台を観るのが大好きで、ブロードウェイにもよく行くんですが、1観客として観ていた作品です。とても美しいミュージカルでした。その時ヘレナを演じていたのが、パティ・ルポーンという、私がブロードウェイの中でダントツに大好きな女優さんでした。長きに渡り舞台をほぼ拝見している人の役と知って、うれしいより何よりビックリが大きすぎて、お受けするかどうかと。でも、奇跡的なチャンスだと思ってチャレンジを決めました」(戸田)

互いの印象

「宝塚歌劇はそんなに観ていなかったのですが、NHK連続テレビ小説『おちょやん』で。あまりテレビではお見かけしない、おきれいな女優さんが出ていらしてインパクトがあり、調べたら宝塚ご出身の方と知りました。で今回、ご縁があるなと。初めて生身の明日海さんとお会いした時は舞台とは全然違う雰囲気で、とてもナイーブな感じを受けました」(戸田)
「小さい頃から『アンパンマン』(声の出演:戸田)を見ていましたし、母親もジュリア・ロバーツさん(吹き替え:戸田)の映画が好きで一緒に見たり。初めてお会いした時は柔らかなお優しい方だと感じました。でも、パワフルで行動力もすごくお持ちで。稽古場でその役作りを間近に拝見できることはすごく私はありがたく、楽しみにしております」(明日海)

役柄について

「台本を読んで、ヘレナはすごくお金に執着のある人という感じで、そこがおもしろいところだと思っています。2人共とにかく意志が強く、本当に大変な時代を生きて来た人たち。その強さはちょっと想像しきれない強さで、自分が老いることもあきらめられない」(戸田)
「エリザベスは、ヘレナに対して敵意をちゃんと口にできるのはすごく素直で、見方によっては可愛いし、気持ちがいい女の人だなと思います。田舎から出て来て、この時代に女性であるというコンプレックスを払しょくすることが自分のエネルギー源になっているような人。かっこいい女性、信念のあるすごく素敵な生き方だなと思います」(明日海)

見どころ 音楽・美しさ

「楽曲がバラードっぽいものから華やかなものまでいろいろあり、今までとは違ったミュージカルで、ミュージカルファンの方も新しい感覚で観ていただけると思います。あと、日本初演なので未知ですが、美にこだわっている人たちのお話なので、きっと舞台美術やお衣裳などもオシャレに美しくなるのでは。そこも見どころのひとつだと思います」(明日海)
「歌がすごく多い、歌メインのミュージカルです。いろいろなタイプの曲調が入っていて難しい。音の要素が王道ミュージカルじゃない、新しいミュージカルだと感じます。女性2人がメインで化粧品を扱っている物語ですからね、当然美しくできあがると思います」(戸田)

見どころ 女性たちへ

「誰もがいつか経験する“老い”や、競争相手がいたり、男女格差を感じたりしている人たちには、わかるわかると思っていただけるところがあるのではと思います。戦争にも性別にも負けず、キャリアを積んでお化粧品の価値観を作り、今でもお化粧品に名前が残っているかっこいい女性たち。単純にすごいって思っていただけるのではないでしょうか」(明日海)
「女性の生き方のようなものが、一番飛び込んで来ると思います。約80年も前に女性がトップに立ち、相当な手段を使って率いていく。2人がお互いにライバル視している中での言葉はかなり辛らつだけど、とても正直でおもしろい。やればやるほど楽しいところかなと思います。でも、2人は同じ場所に立って会話することは最後までないんですよ。目を合わせることなく、それぞれの場所でお互いの会社を意識しながら戦っていく。それに対してそばにいる男性はどう思っているかということも含め、描き方がすごくおもしろいです」(戸田)

ご自身の美しさへの執着は

「自分のことを振り返ると、若い時の方がやっきになっていたかもしれない。もう今は、あらがってもしょうがないでしょ、と開き直るような気持ちになっています(笑)」(戸田)
「写真撮影の機会が多いと変化がよくわかるので、必死に同世代の仲間と情報交換して、健康や美容にいいと聞いたらつぶさに取り入れるという姿勢でやっています(笑)」(明日海)

みなさんへのメッセージ

「近年は東京だけの公演も多く、大阪の舞台になかなか来ることが出来なくて。京都劇場は今回初めて出させていただくのですが、私は長く関西に住んでいたのでとてもうれしく思っています。大阪と京都、どちらの公演も回数を重ねてよりよいものをご覧いただけるよう頑張りますので、是非お越しください!」(明日海)
「いつも非常にやりやすい環境にあるので、私は関西での公演が好きです。今は始まる前なので心がザワザワしていますけど、関西に行く頃には落ち着いて、より良い作品がお見せできるんじゃないかなと、勝手に自分に期待しているので、是非たくさんの方に来ていただけますように。お待ちしております!」(戸田)

来週4月14日(金)に明日海さん単独インタビュー内容もアップ予定!
お楽しみに!

取材・文=高橋晴代
撮影=石阪大輔

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

■出演
明日海りお 戸田恵子
上原理生 吉野圭吾
朝隈濯朗 後藤晋彦 俵和也 井上珠美 河合篤子 罍陽子 小林由佳 原広実 彩花まり 美麗 吉井乃歌

■脚本
ダグ・ライト
■音楽
スコット・フランケル
■歌詞
マイケル・コリー
■翻訳 / 訳詞 / 演出
G2

▶▶ オフィシャルサイト
▶▶ Twitter

大阪公演

|日時|2023/05/27(土)~2023/05/29(月)≪全4回≫
|会場|森ノ宮ピロティホール
▶▶ 公演詳細
 

京都公演

|日時|2023/06/08(木)~2023/06/13(火)≪全7回≫
|会場|京都劇場
▶▶ 公演詳細

一覧へ戻る