2023/3/18
取材レポ
―ヴァイオリンを始めたのはいつごろからですか。
「3歳からです。我が家は特に音楽一家とかではなく、僕がテレビから流れてくる音楽に身体を揺らすなど反応するのを両親が見て、この子は音楽に興味がありそうと思ったらしく、近所にあったヴァイオリン教室に通わせました。それがきっかけですが、僕自身が次第にクラシック音楽の魅力にのめり込んでいったというわけです」
―プロになろうと意識したのは。
「高校3年生の頃かな。急遽音大受験に向けて猛勉強しました」
—石田さんと言えば個性的なファッションでも有名です。
「確かに周囲から見れば奇抜な印象があるかもですが、シンプルに自分が好きでカッコいいと感じる服を着ているだけです。メガネも同じ。よく保守的なクラシック界へのアンチテーゼとか言われるけど、そんな計算をしたり、戦略的な考え方は一切ありません。僕は本来直感型ですから」
—2014年に『石田組』を結成させます。
「それまではソロや少人数のユニットをやっていましたが、ある日オーボエ奏者の方のアルバムを手伝うことになった時、僕がストリングスのナンバー集めを依頼されたんです。一緒に演奏してみるとすごく新鮮で楽しくて、それが『石田組』結成につながりました」
―メンバー選びはどのように。
「僕が信頼を置いている第一線で活躍するオーケストラメンバーを中心招集します。公演によって演奏曲目も編成も変わるので、最大限に活きるプログラムにするために顔ぶれを入れ替えつつ厳選します。これまで延べ50人以上のプレイヤーが石田組の“組員”になってくれました」
—クラシックに加えて映画音楽やロックなど、レパートリーが幅広いですね。
「クラシックは敷居が高いと感じる方はまだ多くおられます。ジャンルを超えた曲を演奏することで『石田組』を入り口としてクラシックに少しでも近づいてもらえたらとの思いはあります。『石田組』のコンサートは堅苦しい正装はせずに、身体全体で楽しんでもらいたいですね」
—ディープ・パープル、クイーン、レッド・ツェッペリンといったハードロック系の曲をカバーされていますが、若い頃のロック体験は。
「全くロックは聴いていないです。演奏する曲も教えてもらいました。激しいハードロックは音数が多く音像も厚く、アドレナリンが出まくり。クラシックとは違う筋肉をつかうせいか疲れます(笑)」
—2017年リリースのファーストアルバム「THE 石田組」も今回のニューアルバムもライヴアルバムです。
「ソロのアルバムもそうですが、僕は一発勝負が好きなのでCDもスタジオ録音ではなくライヴレコーディングにこだわりたいんです。音楽はやはり生もの。緊張感の中、予想外の展開があったりするライヴのスリルが好きだし楽しい。CDにはその時のノリや空気をそのままパッケージしたいから」
—近年、観客の変化は感じますか。
「若い人、そして男性が増えてきた印象があります」
—今回のコンサートが今から楽しみです。
「このツアーから初めて参加するメンバーもいるのでどんなアンサンブルになるのか、僕も期待を含めて楽しみにしています。先程ライヴが好きだと言いましたが、本番ならではの楽しさが『石田組』のだいご味。観客の皆さんもリラックスして盛り上がって頂けたら幸いです」
TEXT:石井誠
PHOTO:西木義和
YouTubeチャンネル「LIVE LIFE」にて「石田組」組長ことヴァイオリニスト石田泰尚さん登場!ぜひご覧ください。
▶▶動画をみる
石田組ツアー2023/2024『石田組』
【兵庫公演】
|日時|2023/05/03(水・祝) 14:00
|会場|兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
▶▶公演詳細
【京都公演】
|日時|2023/05/04(木・祝) 14:00
|会場|京都コンサートホール 大ホール
▶▶公演詳細
【大阪公演】
|日時|2023/08/16(水) 14:00
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細