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【取材会レポート】「ライフ・イン・ザ・シアター」勝村政信×高杉真宙

2022/3/4

取材レポ

勝村政信と高杉真宙が挑む2人芝居「ライフ・イン・ザ・シアター」が、3月3日(木)新国立劇場 小劇場にてついに開幕!
東京公演を皮切りに、大阪、広島、福岡、札幌、金沢の全国6都市にて上演する。
本作は、現代アメリカ演劇界を代表する劇作家、デヴィッド・マメットが綴る2人芝居。
「劇場」を舞台に、芝居に生きる俳優の悲喜こもごもを描いており、ブロードウェイはじめ世界各地で上演され続け、数々の名優によって演じられてきた不朽の名作。舞台上や楽屋裏、出番直前の舞台袖や衣裳部屋など、劇場の中の様々な場所で繰り広げられる2人の俳優たちの会話や日常を切り抜き、90分で描くオムニバス風ヒューマンドラマとなる。
時に切なく、時にクスッと笑える、月日の流れと共に変わりゆく「世代もキャリアも違う二人の俳優」の心情を描く。
日本で16年ぶり3度目の上演となる今回は、年配で演技力のあるベテラン俳優【ロバート】を勝村政信が、ロバートを慕い、日々役者として様々なアドバイスを受ける若手俳優【ジョン】を高杉真宙が演じる。
また、俳優で演出家の千葉哲也が演出を務めており、自身も俳優である千葉が、何気ない「俳優の生きざま」をどのように描くのかに注目。


 

本番を前に、同会場にて開幕前取材会と公開稽古が行われた。
取材会に登場したのは、ベテラン俳優のロバートを演じる勝村政信と若手俳優のジョンを演じる高杉真宙。

――いよいよ開幕ですが、今のお気持ちを聞かせてください。


勝村「ようやくここまで来たなと。なかなか大変な芝居なのでよく間に合ったなというのが感想です。26場面あるんですが、ほとんど着替えながら喋っていて、最初の頃はほんとにスタッフ含めて迷子になっていた状態でした。それがようやく形になった感じです。」

高杉「噓みたいな感じというか。昨日シャワーを浴びながら明日本番だと、ふと思ったら一瞬ちょっと焦って。気持ちがずっと落ち着かないまま眠りについたんですけど、今日無事に迎えられることがすごく幸せだなと思いますし、ちゃんと自分が身に付けてきたことや皆さんと一緒にやってきたことを一つ一つ丁寧に本番にぶつけていけたらと思っています。」

――90分間の二人芝居ですが、セリフ覚えはいかがですか?

勝村「まだちゃんとは覚えてません(笑)。」

(一同笑い)

勝村「僕、考えてみたら二人芝居って4回目らしいんですけど、その中でこれだけ場数が多くて着替えが多いのは初めてなので、トップクラスに大変です。」
高杉「僕は初めて二人芝居をやらせていただくんですけど、二人が立っているこの場が広く感じます。この場で勝村さんと二人で作ってきたものをしっかりと発揮して楽しくやっていきたいなと思っています。」

――お互いの印象は?

高杉「2回ほどご一緒したことがあります。一番最初にお会いしたのが僕が14歳の時で、当時はがっつりお話をする機会があまりなかったんですけど、今回こうやって二人で2ヶ月ご一緒できるというのはすごく嬉しいですし、こんな先輩はほんとにいないです。改めて一緒にお芝居ができて嬉しいですし、たくさんのことを学ばせていただいて、ずっと着いていきたいなってほんとに思います。それくらい素敵な大先輩です。

(お互い向き合ってお辞儀をする)

勝村「今のところ太字で書いてください(一同笑い)。」
高杉「お願いします(笑)!」
勝村「真宙くんが中学生の時だったよね?初めて会ったのが。倉本(聰)先生の脚本(ドラマWスペシャル「學」)で主役をやるという、こんな神に選ばれたような人はなかなかいないですよ。その時の芝居ももちろん素晴らしかったんですけど、今も新鮮さを残したまま成長されていて。今いろいろ褒めてくださいましたけど、僕も演出家の千葉(哲也)さんも、真宙くんから、僕らが失ってしまったエネルギーや若さとかそういうものに引っ張られて、いろいろ学ばせていただいてここに今いる次第です。僕らはただ歳を重ねて、その経験をバトンで真宙くんに渡しているのかもしれないけど、真宙くんからも大きくて太いバトンを渡していただいているという感じです。」


――稽古期間中にプライべートでの交流はありましたか?

高杉「こういった期間なのであまり長い時間ではなかったんですが、一緒にご飯を食べさせていただいたことはありました。」

――その時のエピソードがあれば教えていただけますか


高杉「ウエイトレスさんが、食器を持ってきてくれた時にガンと壁にぶつかったりして・・」
勝村「まるでドリフのコントのように、真宙くんを見たまま壁にドンッとぶつかって。それが2回もあったんです。」
高杉「勝村さんから、これはしっかりと持っていた方がいいと仰ってもらって。」
勝村「まさにそういうところって舞台とかで使えるじゃないですか。こういうところを自分の中のストックに入れておくと、後でどこかで何かしらで使えることがあるよっていう話はしました。」

――役と共感する部分はありますか。

高杉「似ているというか、いろんなところでリンクしている感じがします。どれだけ自分が自分の状態のまま舞台の上で発揮できるか。そんな感じがしていて。やっぱり舞台の上では固くなってしまうので、ありのままを見せられたらいいなと思っています。似ている部分というと難しいんですけど、この関係性といったものは似てたりする部分はあるのかなとは思います。」

勝村「今回はベテランの俳優と若手の俳優の話なんですけど、結局ジェネレーションの話なので、俳優でも親子の関係でも全てにジェネレーションがあって関わっているので、誰もがすぐに感情移入ができる話なんじゃないかなと思います。だから似ているというか、たぶんそのままですね。人間のドキュメンタリーみたいな話なので。全員に当てはまるという、かなり優れた戯曲だと思います。」

――見てもらいたいポイントを教えてください。

(二人お互いを見合わせて笑い)

高杉「26場面のどれかですよね?」
勝村「稽古もそうだったんですけど、始まったら終わるまで全部やらなきゃいけないっていう。稽古を一場面だけやるということはできなかったので、こんなに通し稽古をやった稽古は初めてです。なのでとにかく観てください(笑)。お互いの責任です。これは。僕らも始めたら最後までやらなきゃいけないので、皆さまも始まったら最後までちゃんと観ていただいてっていう。」

(一同笑い)

高杉「そうですね。区切りがない感覚・・ひとつの場面というものはあるんですけど、始まったら全部なので、どこっていうよりかはほんとに全部という感じです。そんな風にここまで強く思う作品はなかなかないですね。」
勝村「一日2回の通し稽古が普通でしたから。帝国劇場とかの商業演劇よりも回数重ねていると思います(笑)。」
高杉「(稽古が始まって)一週間で立稽古から通し稽古になりましたからね。それくらいたくさんの通し稽古がありました。」
勝村「その半分以上が迷子でしたけど(笑)。みんな出てきて立ち尽くしてね。どうやって着替えるのか分からないし、どこに行ったらいいのかもわからないというところから始まって、ようやくここまで辿り着きました。」

舞台「ライフ・イン・ザ・シアター」大阪公演は、3月19日(土)より大阪・サンケイホールブリーゼにて。

(c)エイベックス・エンタテインメント株式会社/撮影: 岩田えり

「ライフ・イン・ザ・シアター」
 
日時:2022/03/19(土)~2022/03/21(月・祝)≪全4回≫
会場:サンケイホールブリーゼ

■出演
勝村政信 高杉真宙

■原作
A LIFE IN THE THEATRE
■脚本
デヴィッド・マメット
■翻訳
小田島恒志
■演出
千葉哲也

公演詳細
https://kyodo-osaka.co.jp/search/detail/4155

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