2021/12/21
インタビュー
――今回はDoulさんの音楽的ルーツや楽曲制作の裏側についてお聞きできればと思います。まず、音楽との出会いは?
幼稚園の時に、家にあったピアノを触り始めて童謡などを弾いていました。そこからしばらく楽器とは疎遠になるけど、中学生でギターを始めたら、またピアノもやりたくなって。楽器は完全に独学でいまだに楽譜も読めないけど、耳で聴いたものは、だいたい弾けるようになりました。
――初めて好きになったアーティストは?
父が聴いていたリンキンパーク。その流れでアッシャーやスヌープ・ドッグなど、オールドスクールのヒップホップ、ラップなども聴くように。ロックは家族で本格的に聴く人がいなかったので自分で掘り下げ、中学生の頃にカート・コバーンに出会って衝撃を受けました。ヒョウ柄のニットでジーパン、サングラスという彼の写真を見て、「なんだこの人は!」と思って調べたらニルヴァーナというバンドで。それ以来ずっと、生き方も表現の仕方もファッションも、いちばん好きな人です。
――Instagramを拝見するとAC/DCもお好きなようで。
たまんないですね! AC/DCは純粋にファンで、ギターもアンガスヤングに憧れてSGを使っているし、グッズもたくさん持っています(笑)。彼らの魅力って、ギターの音一発ですぐに誰か分かるところ。それを崩さず50年近く現役でやっているのは、もう尊敬以外のなにものでもないです。
――ご自身で楽曲制作を行うようになってからは、どのように方向性を定めていきましたか?
「こういう曲にしよう!」と構えると作れなくなるので方向性は特に決めていなくて、ロックを軸にヒップホップやEDM、ダンスミュージック、ファンクなど、その時々で思いついたものを取り入れています。ギターとパソコンを使って自分で作ったトラックをバディであるプロデューサーのURUさんに仕上げてもらうのですが、彼はとても引き出しが多くて、私がアレンジを持っていくと、いつもさまざまなアイデアを加えてくれます。
――最新曲「Bada Bing Bada Boom feat. Zag SO-SO REMIX」などはヒューマンビートボックスを導入して元曲から大胆なアレンジを加えられています。ああいったアイデアもDoulさんから?
あの曲に関しては、私がSO-SOさんの大ファンで信頼もしているから、「もう自由に遊んでください」と言って曲を渡しました(笑)。
――Doulさんの歌詞には、マイノリティや個性が強くて周囲から浮いてしまう人に勇気を与えるようなポジティブなメッセージ性が感じられます。歌詞のアイデアは、ご自身の原体験がベースですか?
そうですね。歌詞も変にカッコつけようとすると、めちゃくちゃダサくなるから、本当に自分の感情でしか書けないです。ただ、なんらかの感情を表現するにしても、そのまま出すのではなくて二段階、三段階ぐらい掘り下げて深みを持たせようとは心がけてはいます。
――SNSでは海外からのコメントも多く見られますが、国外での活動も考えられていますか?
もう、それしか考えてなくて、拠点もそのうちアメリカに移したいなと思っています。向こうのプロデューサーやラッパーとも一緒に仕事をして、たまにライブなどで日本に帰ってくるのが理想ですね。コロナ禍が落ち着いたら、すぐに動けるよう準備しておかなくちゃ。
――2022年には初のツアーも予定されています。ステージングのプランなどはすでに考えられていますか?
ある程度のイメージはできていますが、ワンマンになる分、自分のいろいろな面をどう見せるか、まだまだ練っていきたいですね。バンド編成になるので生音にドキドキするし、一人でやるのとはレベルが違うぐらい楽しみです。
――関西のお客さんの印象はいかがですか?
音楽好きな人が多いな、というのはいつも感じます。先日の大阪ライブでもめちゃくちゃグルーブが感じられて良かったですね。私も、みんなに面白いと思ってもらえるようなハイブリッドな楽曲を持っていくので、期待していてください!
TEXT:伊東孝晃
Doul
Doul First Tour 2022
「A LONE WOLF -IF YOU CAN DREAM IT THEN YOU CAN BE IT.-」
日時:2022/03/27(日)17:00
会場:梅田Shangri-La
公演詳細