2022/1/7
インタビュー
――バンド名の由来を教えてください。
「前身バンドが解散して一人になった時に、自分の泣き言や人の泣き言に寄り添えるような弾き語りのアルバムを作ろうと考えていたんです。そしたら、岡田がまた一緒にやりたいという感じで帰ってきたので、“泣き言”を概念にしていこうかなと思ってこのバンド名になりました」
――12月に3枚目のミニアルバム『パトローネの内側で』を発表。前作から約8か月という短期間での発売になりました。
「コロナ禍で活動し辛いと思うんですけど、できないからといって活動を止めるのではなくて、せっかく知ってもらった流れを止めずにより色んな人に知ってもらうために、このスパンで頑張ってリリースしました」
――疾走感溢れる楽曲からジャズっぽさを感じるものなど、5曲ながらも様々なタイプの曲が収録されています。
「けっこう振り幅が広くて『こんなこともできます』っていうのをやりすぎている感はありますよね(笑)。今までは1つの曲にいろんなものを詰め込んでパンパンにして『かっこいいでしょ?』っていう感じだったんですけど、今作では色々と整頓することによって、聴かせたい部分がちゃんと際立つよう、差し引きができるようになったのかなと思います。
アルバムはこれで3作目ですが、1枚目、2枚目、3枚目と段階を踏んで聴いていくと、成長や伝えたいことがグッと深みを増して聴こえるかなと。1作目の『夜のつくり方』は簡単に言うと“人ぞれぞれの夜の作り方があっていいんだよ”っていう曲がたくさん入っていて、2作目の『黄昏STARSHIP』は宇宙船に乗ってどこまでも連れて行ってくれるような、現実逃避みたいな1枚にしたいということで色んな曲があるんですけど、コロナ禍で書いた曲が2曲あるので、その時のタイムリーな心情が入っています。今作は裏テーマとして“幸せとは何か?”というのを説いていて、パトローネってフィルムの外側のことを言うんですけど、その内側に入っているまっさらなフィルムにどんどん写真を写していくように、CDを聴いた人が自分だけの解釈で自分の状況をどんどん曲に投影していって欲しいなっていう気持ちで作っています。あと今回、MVをたくさん撮ってYouTubeで公開して、いろんな一面を見せているので、お客さんの中でなきごとの解釈が広がったかなと思います」
――結成から3年。様々なタイプの楽曲を出している中で、バンドの今の武器、魅力を教えてください。
「私の歌があって、岡田のギターがあることが一番の売りだと思っていたんですけど、それって魅力じゃなくてバンドのアイデンティティだなと思って。それよりも私たちの魅力はライブにあるのかなと思っています。直接伝えることを大事にしたくて、なるべく配信ではなく生の音を届けることにすごくこだわりを持って、コロナ禍で大変な時期でも制限を守りながら有観客でツアーを行ったりしたので、なきごとの魅力はライブだと思っています」
――魅力を味わうためにも、アルバムを聴いてYouTubeを見て2月のライブに来るとバッチリですね?
「そうですね。99%くらいは知ってもらえているのかなと(笑)。2021年の後半くらいから『ライブをよくしていこう』とライブアレンジなどについてサポートメンバーを含めた4人でたくさん話すようになり、彼らの力も借りながら4人で作っていくライブがすごく出来上がってきているので、めちゃくちゃ強いなきごとを見せられるんじゃないかなと思っています。
ゲストバンドを招いての対バンという形になりますが、呼ぶバンドは自分たちにとって何かしらの思い出やエピソードがあるバンドなので、予想しながら、ゲストバンドの解禁を待ってくれたら嬉しいです」
――最後にメッセージをお願いします。
「いろんな人に聴いてもらえるようなミニアルバムができたと思っています。聴いてみて『違うな』と思っても別の曲を聴いたら『いいじゃん』って思ったりするくらい振り幅が本当に広いので、1回、まずは騙されたと思って聴いてもらいたいです。もし好きじゃなかったらそれは自分たちの実力不足で仕方がないので全然いいんですけど、1曲でもいいなと思ったら別のアルバムも聴いてもらいたいなと思います。たくさんの人に知ってもらうことが2022年の目標なので、夏フェスとかにも出たいですね」
TEXT:金子 裕希
なきごと
なきごと 3rd mini album
“パトローネの内側で”Release Tour 2022
日時:2022/02/22(火)18:30
会場:梅田クラブクアトロ
公演詳細