2021/12/6
取材レポ
――本作の見どころを教えてください。
テレビやストリートでやったことが、今簡単にSNSで拡散され、が~まるちょば=動かないカバンやエスカレーターで降りたり上がったりするパフォーマンスの人という代名詞になっている。実はあれをパントマイムと呼べるかは疑わしくて。舞台でパントマイムをやりお客さんに喜んでもらうのが僕の生業。本当のが~まるちょばを生で見ていただくのが一番の見どころです。
――前半は短いストーリー仕立てのショートスケッチを5本、後半は約50分の長編のストーリー「指輪」を披露されます。
言葉や舞台セットは全く使わず、パントマイムだけで描く世界です。モヒカン姿で登場するのは最初の10分ぐらいで、それ以外はカツラを付け衣装を着てキャラクターになります。
言葉やセットを使わないのは、100人いたら100通りの見方ができるから。セリフやセットがあると一つの側面に集約されてしまうと思うんです。見る人が想像することで作品に広がりができるのがパントマイムの素晴らしさ。コメディだけど、最後には客席からすすり泣く声も。心が動く物語をお見せします。
――東京2020オリンピックの開会式のピクトグラムのパフォーマンスは反響が大きかったそうですね。
僕にとっては過去のことで、お見知りおきいただいた方には、舞台に足を運んでもらえれば。あれがパントマイムだと思われると違うんですが、受け入れられたのはすごくうれしいです。が~まるちょばを知ってもらうにはとてもいい機会でした。
――ソロになって、何か変化はありましたか。
もともと二人でやる前は一人でやっていました。二人はあくまでも通過点で一人になっただけのこと。ただ、二人で作る作品と一人は全然違うので、そこは変わりますよね。よく「一人になって寂しくないですか?」と聞かれますが、寂しくはない。困るのは、いまだにが~まるちょばが二人だと思われていることなんです。今まで以上に進化して一人というのが浸透し、唯一無二の表現法として認められるように頑張ります。
――作品はいつもどのように作られるのですか。
パントマイムを始めて30年、作品を作ることでスキルアップしてきました。これだったら使えるなと生活の中でアンテナがひっかかるように心がけ、まずは頭の中でストーリーを考えてファミリーレストランで完成させる。そして客席から俯瞰するような感じで動きをイメージで作ります。イメージできていないものは、動こうとしても動けないし、体を動かしながら物語を作ると時間の無駄になるので、最初は机上で作ります。
――どういうものがアンテナに引っかかるのですか。
これ、セリフがないほうが面白いじゃんと自分で他人の映画にダメ出ししたり、参考にしたりしますね。また、一人なので、登場人物は一人しかできない。では、二人にするにはどうしたらいい?という発想をする。あまり言うとネタばれになるので言いませんが、そこも今回は楽しんでほしいですね。
パントマイムはマルセル・マルソーやジャン=ルイ・バローさんらがやっているように、一人で何人も演じる落語みたいなもの。まだまだ世界的にマイナーですが、僕はパントマイムの力を信じている。もっともっと世の中に認知してもらえるようにしたいです。
TEXT:米満ゆうこ
が~まるちょば
が~まるちょば LIVE 2022 STORIES “PLEASE PLEASE MIME”
作・演出・出演:が~まるちょば
日時:2022/01/15(土)12:00/16:00
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
公演詳細