細野晴臣は無類のお笑い好き！大阪の街も気に入り「住んでみたい」
音楽界の至宝・細野晴臣の50周年記念展「細野観光1969-2021」開催！

11月12日（金）～12月7日（火）まで、グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボにて、細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969- 2021」が開催。2019年に、細野晴臣デビュー50周年を記念して東京で開催され、大好評を博した同展覧会が、ついに大阪に上陸となる。

細野晴臣といえば、日本音楽会の至宝ともいうべき存在。一昨年の2019年、音楽活動開始から50周年を迎えたことをきっかけに国内外で改めて評価が高まり、新作のリリースをはじめ、今もなお世界中の音楽ファンを楽しませている。
この展覧会は、細野がデビューした1969年から2021年までの 50数年の軌跡を、「憧憬の音楽」、「楽園の音楽」、「東京の音楽」、「彼岸の音楽」、「記憶の音楽」という5つの年代のビジュアル年表を中心にしてぐるりと巡るというもの。細野の音楽や写真、当時の映像、細野の愛用しているギターの数々、シンセサイザーやリズムマシン、世界各地の楽器コレクションが会場のあちこちに。さらには音楽ノートや漫画から小説、CDまで、さまざまなジャンルのブックコレクション(細野文庫)が展示されていて、細野のルーツはもとより、長きにわたって人々を魅了し続けている細野の脳内が凝縮された内容となっている。
会場もユニークな円形で、外周、内周を回遊できるようになっており、まるで「観光」するかのように展示を楽しむことができる。さらにスマホのQRコードでアクセスできる音声ガイドには、5つの年代ごとに、細野本人をはじめ、塙宣之（ナイツ）、星野源、高橋幸宏、水原希子、原田郁子（クラムボン）という、親交のある著名人たちが参加。また、「細野観光」展開催のグランフロント大阪の隣にある大阪ステーションシティシネマでは、映画『SAYONARA AMERICA』の上映が、同展と同じく11月12日から公開がスタートとなる。

これに先立ち、11月11日（木）、会場であるグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボにて、オープニングセレモニーが行われた。司会進行はFM COCOLOのDJ・野村雅夫が務め、ステージには、細野本人と、このたび「細野観光1969-2021」オフィシャルアンバサダーに任命したゆりやんレトリィバァが登場。オープニングセレモニー直前、細野が同展を見学し、細野が入口から右側の壁にサインを残すというサプライズも！さらにゆりやんと合流し、細野が自身のギターコレクションをゆりやんに説明する一幕もあった。

細野は大阪での展覧会の会場について、「東京（六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリー）では直線的に見せていたので、行ったり来たりが難しかったけど、大阪はぐるぐる回れますね」と笑顔。また、幼少時代に集めたというマッチ箱から細野が描いた落書きやメモなど、非常にレアなものまで多数展示されていることから「本当に呆れます。脳内とおっしゃったけど、本当にそのとおり。さらけ出しちゃってます。恥ずかしいですね」と照れくさそう。かたや、オフィシャルアンバサダーのゆりやんレトリィバァは、「恐れ多いです…」と恐縮しながらも細野との関係を尋ねられると「男女の関係です」ときっぱり言い放った後「違うんですよ！」と即座に否定した。
2人の縁は、4年前の2017年。大阪・NHK大阪ホールで開催された細野のライブにゆりやんレトリィバァがゲスト出演したことがきっかけだそう。細野はゆりやんをゲストに呼んだ理由を「発作的だっだんですが、あの頃、アカデミー賞の女優のスピーチのネタをやっていて、英語うまいなと思っていて」とゆりやんのネタに惚れ込んだとコメント。細野がゆりやんに「ハリウッド在住でしょう？」と尋ねたところ、「NYCのほうに……あっ、奈良県吉野町です。今は東京に住んでいます」とゆりやん。息ピッタリのやり取りを見せていた。

そんなゆりやんも、今回の展示には驚かされたようで「すごく貴重な資料や楽器がたくさん置かれています。まず子どもさんの時に描かれたノートや集めていたマッチの箱、細野さんの楽器もそうなんですが、モノを大切にされる方だなと思いました」と感想を。これを聞いた細野は「捨てないだけです。捨てられない家族に育てられて、こういう結果になりました。捨てないと展覧会ができるようになります」と記者陣を笑わせた。
また、展覧会と同日11月12日（金）から公開されるライヴ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』についての話題も。この映画は、2019年にアメリカ・ニューヨークとロサンゼルスで開催された“集大成”となるライブを記録する、幸福感と高揚感に満ちた“細野晴臣”集大成のライブ・ドキュメンタリー。細野は「映画になってやっと伝えることができたという感じですね」と満足そう。さらに、コロナ禍に入ってからバンドメンバーと旧交を温めたりなどもあり、「こんなことはめったにというか一生に一度あるかないかなので、貴重な記録です」としみじみと語った。

質疑応答では、細野とゆりやんの関係にさらに踏み込んだ質問も。「ライブに招いたというのは、もともと（ゆりやんのことが）好きだったということですか？」との質問に、細野は「僕はもともと、お笑いが大好きで、小さい頃はチャップリンが好きでした。本当に、自分自身が芸人になるかもしれない、というくらい好きだった」と語ると、ゆりやんは思わず「そんなことがあったかもしれないんですか！？細野師匠！」と呼びかけた。ゆりやんに対しては「当時、とくに目立っていたんです。芸が他の人と違うから。ハリウッド女優のスピーチのマネをしている、これは何者だろうということで、大阪の公演だったのでつい声をかけてしまいました」と明かした。
続いて「とくに楽しんでもらいたい展示は？」との質問には、「本当は、触って音を出してもらいたかったんですけど、小さなパーカッションの楽器がいっぱいあるんで、ああいうものは、皆さんも持っていると楽しいんじゃないかな」と細野。「とにかく音が出るものが好きですね。やっぱりリズムは大切ですね」と、リズムや音を愛する一面をのぞかせた。
大阪のイメージやインスピレーションを受けたものを尋ねられた際は「やはりお笑いの発祥地。本当に影響されています」とし、「数日前は（笑福亭）鶴瓶さんとお会いして、ラジオに出演しました」と明かした。さらに「ほかにも安藤忠雄さんがいたり、中之島公園のあの美しさはヨーロッパに匹敵します。一昨日は天王寺からチンチン電車に乗って、住吉さん（住吉大社）に行き、すごく興奮しました。軒下を走ってくるような感じで。江ノ電はそういう景色はありますが、東京では荒川線が残っていますがそういう景色はほとんどない。都市では一番大事な風景じゃないか、と。大阪にそれが残っていることに感動しました」と次々と名所を巡った様子。さらに細野の大阪探訪は続き、「天満宮のそばにある、長い商店街（天神橋筋商店街）を端から端まで歩いちゃった（笑）。だって、どこまで行ってもあるでしょ、あれ。歩いちゃいますよ」とにっこり。今回の滞在で大阪を満喫したようで、「だから今大阪を見直しているところですよ。住んでみたいと思う。前は神戸でしたが今は大阪です」とすっかり気に入った様子だった。これにはゆりやんも「大阪の街を歩いてたら、細野さんに会えたチャンスがあったんですね！」と驚いていた。
開催期間中、会場であるイベントラボの隣にあるカフェ「CAFE　Lab.」では、「細野観光」とコラボしたカフェメニューとして、「トロピカル・ダンディー」、「恋は桃色」、「キャラメル・ママ」、「HOSONO HARUOMI 50 th カプチーノ」の4種類がお目見え。メニュー名にアルバム名や曲名が付けられている。ぜひ展覧会を楽しんだ余韻とともに味わってみては。
11月の大阪は細野晴臣一色！日本国内のみならず、海外でも音楽シーンを盛り上げた、日本音楽会の宝、細野の脳内がつまった展覧会に、ぜひ足を運んで頂きたい。

細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969-2021」

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