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芥川賞作家 津村記久子作品 待望の映画化ー映画『君は永遠にそいつらより若い』9/17(金)より全国順次公開

2021/8/12

その他

映画『君は永遠にそいつらより若い』

芥川賞作家 津村記久子作品 初にして待望の映画化に、佐久間由衣、奈緒をはじめ、気鋭の若手俳優たちが挑む

芥川賞受賞作家、津村記久子のデビュー作で第21回太宰治賞受賞作品である『君は永遠にそいつらより若い』の実写化。卒業間近の大学生である主人公が、なんとなく過ごす日常の中で、ふとした折に「暴力」「児童虐待」「ネグレクト」などの社会の闇と、それに伴うやり切れない「哀しみ」に直面する物語。大学やバイト先のぐだぐだした日常は軽快にユーモラスに描かれ、⼀方、作者の確かな問題意識と倫理観で、それら社会の闇の部分ともきちんと対峙する作品となっている。

主人公の大学生・堀貝佐世(ホリガイサヨ)役には、ひたむきな芝居への情熱と誠実さを持ち、数々のTVドラマや映画で培った経験と確かな演技力で、早くも俳優として確固たる存在感を⽰す佐久間由衣。本作品が「“隠れビッチ”やってました。」に続く二作目の主演映画となる。
⼀方、堀貝と出会う痛ましい過去を持つ猪乃木楠子(イノギクスコ)役は、奈緒が演じる。最近ではNTV系列「あなたの番です」尾野幹葉役の怪演で話題になり、また主演映画「ハルカの陶」では、夢に向かって奮闘する女性を瑞々しく演じ、高く評価された。
監督の吉野竜平は、声優として活躍する朴璐美を主演に、カルト宗教にのめりこむ親子を描いた初監督作品「あかぼし」(2012)でその完成度の高い脚本と緻密で力強い演出が注目を浴び、2作目となる「スプリング、ハズ、カム」(2015)では主演に柳家喬太郎と石井杏奈を迎え、地方都市から上京してくる娘と父の部屋探しを通して、どこにでもいそうな父娘のありふれた⼀日をあたたかい眼差しで切り取ってみせた。本作が長編3作目となる。

 
STORY

だるい日常、その裏に潜む悪意

大学卒業を間近に控え、児童福祉職への就職も決まり、⼿持ちぶさたな日々を送るホリガイは、身長170cmを超える22歳、処女。変わり者とされているが、さほど自覚はない。
バイトと学校と下宿を⾏き来し、友人とぐだぐだした日常をすごしている。
同じ大学に通う⼀つ年下のイノギと知り合うが、過去に痛ましい経験を持つイノギとは、独特な関係を紡いでいく。
そんな中、友人、ホミネの死以降、ホリガイを取り巻く日常の裏に潜む「暴力」と「哀しみ」が顔を見せる...。

CAST

佐久間由衣(さくまゆい)1995.3.10生神奈川県出身
2014年女優デビュー。15年「トランジットガールズ」(CX)でドラマ初出演にして初主演を務める。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17)ではヒロインの親友役を演じ⼀躍脚光を浴び、結婚情報誌「ゼクシィ」の10代目CMガールに抜擢。同年「明日の約束」での演技で、10月期コンフィデンスアワード・ドラマ賞の新人賞を受賞する。
初主演映画『"隠れビッチ"やってました。』(19/三木康⼀郎監督)では第32回東京国際映画祭で東京ジェムストーン賞を受賞。近作に『あの日のオルガン』(19/平松恵美子監督)、『劇場版ファイナルファンタジーXIV光のお父さん』(19/野口照夫監督)など。20年12月〜21年1月にかけて出演した舞台「てにあまる」(演出︓柄本明)では初の舞台ながら堂々たる熱演で話題を呼び、好評を博した。
2月5日より『殺意の道程』(バカリズム脚本、住田崇監督)が公開。
佐久間由衣公式サイトhttps://yuisakuma.com

  

奈緒(なお)1995.2.10生福岡県出身
NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(18)でヒロインの親友役に抜擢され、19年「あなたの番です」(NTV)ではサイコパス役を怪演し話題を集める。舞台出演作に「終わりのない」(19/世田⾕パブリックシアター)、玉田企画「今が、オールタイムベスト」(20)、20年ドラマ出演作にカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ「竜の道二つの顔の復讐者」「姉ちゃんの恋人」、NHKBS時代劇「赤ひげ3」など。初主演映画に『ハルカの陶』(19/末次成人監督)、近作に『サムライマラソン』(19/バーナードローズ監督)、『スマホを落としただけなのに囚われの殺人⻤』(20/中田秀夫監督)、『事故物件恐い間取り』(20/中田秀夫監督)、『僕の好きな女の子』(20/玉田真也監督)、『みをつくし料理帖』(20/角川春樹監督)など。待機作に『彼女来来』(今春/山西竜矢監督)、『劇場版シグナル長期未解決事件捜査班』(21年4月/橋本⼀監督)がある。
 

  

監督・脚本吉野竜平(よしのりょうへい)
1982年神奈川県出身。法政大学在学中よりニューシネマワークショップを受講、映像制作を開始。大学卒業後、日本映画学校にて撮影照明技術を専攻。
声優として活躍する朴璐美を主演に、カルト宗教にのめりこむ親子を描いた初長編監督作品『あかぼし』(2012)は、その完成度の高い脚本、緻密で力強い演出が注目を浴び、2012年東京国際映画祭に出品。長編第2作目『スプリング、ハズ、カム』(2015)では、前作での苛酷な母子像から⼀転、地⽅都市から上京してくる娘と父の部屋探しを通して、どこにでもいそうな父娘のありふれた⼀日をあたたかい眼差しで切り取ってみせた。2015年に東京国際映画祭へ出品され、主演の柳家喬太郎と石井杏奈の好演で高い評価を得ている。

監督コメント

欠落感を抱えたまま、他者や社会とどう関わって生きていくのか─。
多種多様なテーマが織り込まれた、津村記久子先生の小説『君は永遠にそいつらより若い』を映画化するにあたり、そこへ重点的にスポットをあてて描きました。
長所の何倍もの短所を抱えているような主人公ホリガイが、就職を目の前にして「自分には何かとても大切なものが欠けている」という想いに駆られ、そんな自分が果たしてこれから社会の中でちゃんとやっていけるのだろうかと悩み、焦り、もがく姿。しかしこの悩みは、多くの人が人生のある時期に経験する普遍的な通過儀礼ではないでしょうか。内へ内へと向かって悩んでいた主人公が、様々な人との出会いや出来事を経て、最後は外へと向かって爆発する⾏動を起こします。
欠落感を抱えたまま、他者や社会とどう関わって生きていくのか─。
「ありのままでいいんだよ」みたいな無責任な言葉ではない、自分なりのメッセージを主人公の姿に託しました。

  

原作津村記久子(つむらきくこ)
1978年大阪生まれ。2005年「マンイーター」で第21回太宰治賞を受賞、『君は永遠にそいつらより若い』(同作品を改題、筑摩書房)でデビュー。『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川書店)で野間文芸新人賞を、『ポトスライムの舟』(講談社)で第140回芥川賞を受賞。他の著書に『カソウスキの行方』(講談社)、『婚礼、葬礼、その他』(文藝春秋)、『アレグリアとは仕事はできない』(筑摩書房)、『八番筋カウンシル』(朝日新聞出版)、『ワーカーズダイジェスト』(集英社)など多数。

  

映画『君は永遠にそいつらより若い』
佐久間由衣 奈緒
小日向星一 笠松 将 葵 揚 森田 想
宇野祥平 馬渕英里何 坂田 聡

監督・脚本 吉野竜平

原作:津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』(ちくま文庫)

主題歌:小谷美紗子「眠れない」


>>2021年9月17日(金)テアトル梅田、京都シネマほか全国順次公開

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