2021/8/5
公演レポ
「コムサdeマンボ!」は、2019年に好評を博した舞台「どれミゼラブル!」の2年後を描く続編。バラエティ番組のスタッフルームで起こるドタバタ爆笑コメディが、可児理華(脚本)、水田伸生(演出)というテレビの世界に精通した二人によって描かれ、前作にも登場したコムサ真二役を、再び室が演じている。
芸人兼見習い放送作家から、晴れて地上波バラエティ番組の作家としてデビューしたコムサ真二を演じる室は、番組作りに奮闘しながらテレビの世界に馴染んでいる様子を、軽やかな演技で見せていく。ツッコミが得意な自身の持ち味を活かした場面では、個性的な番組スタッフに自然体で絡み、何度も笑いが起こる。
特にジャニーズ事務所の後輩である、関西ジャニーズJr.の古謝那伊留が演じるADの三宅騎士は、かなり天然なキャラクターで、ツッコミのコムサに、ボケの騎士というバディぶりは見もの。キレのあるダンスも披露して舞台を熱く盛り上げる。
コムサが関わっているバラエティ番組『まかないマンボ!』のスタッフルームでは、夜に放送するはずの番組データが届かないというハプニングが起こり、急きょ生放送で番組を作ることに。デスクの森茉莉花(田中真琴)、大御所作家の高田雄三(酒井敏也)、プロデューサーの越野仁(川久保拓司)、総合演出の山本伴明(六角慎司)たちが、会議に参加するが、いっこうに話がまとまらない。
コムサの友人である、売れないアクション俳優のジャッキ・チェーン(金田哲/はんにゃ)や売れないミュージカル俳優でコロナ禍にデリバリーのアルバイトをしている市河マサチカ(石垣佑磨)も騒動に巻き込みながら、スタッフたちは必死に「バズル」番組案をひねりだそうとするのだが――。
物語が進むにつれて、それぞれの役のバックボーンや仕事への想いなどが見えてきて、観客とキャラクターたちとの距離感がグッと縮まる展開に。コロナ禍ならではのメッセージも込められ、「爆笑コメディ」だけの枠に収まらない心温まる舞台。ラストはキャスト全員がマラカスを持って歌い踊るショーアップされた楽しい場面で、最高潮に盛り上がった。
大阪公演は8月8日まで。その後、8月11日~22日まで東京・銀座 博品館劇場、8月24日・25日に京都・京都劇場、8月27日に静岡・静岡市民文化会館中ホールで上演される。
こうして初日の幕を上げられそうで、喜びとともにホッとしております。
色々な役者の方たち、素晴らしいスタッフ、そして何よりも演出してくださった水田(伸生)監督。みんなで作った作品を、一人でも多くのお客様に観ていただきたいですし、(この状況下で)観に来られない方もいると思うのですが、そういった方々にも「何か」が届くようにと思いながら、一生懸命この板の上で頑張りたいです。
やはりエチュードが最大の笑いのポイントやと思うんですけど、即興劇と言いますか、そこが日によってテーマが違いますので、そういったところが見どころになっています。
世の中はオリンピックに熱狂していますが、金メダルと言わず、金・銀・銅と3種類のメダルを取りたいなと思いますし、感染予防対策をしっかりしながらお客様をお迎えし、ゴン攻めで頑張りたいです!
取材・文:小野寺亜紀
『コムサdeマンボ!』
■出演
室龍太
田中真琴、古謝那伊留(関西ジャニーズJr.)、川久保拓司
石垣佑磨、金田哲(はんにゃ)、六角慎司
酒井敏也
■作
可児理華
■演出
水田伸生
日時:2020/08/05(木)~2021/08/08(日)≪全5回≫
会場:シアター・ドラマシティ
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日時:2020/08/24(火)~2021/08/25(水)≪全2回≫
会場:京都劇場
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