詳細検索
  1. ホーム
  2. KEPオンライン
  3. 深夜文学「銀河鉄道の夜」が7/19よりスタート
詳細検索

KEP ONLINE Online Magazine

深夜文学「銀河鉄道の夜」が7/19よりスタート

2020/7/17

編集部より

深夜文学「銀河鉄道の夜」

不安な夜に寄り添う新たなエンターテインメントが誕生

緊急事態宣言下における外出自粛の中、人々は未知なるウイルスへの恐怖と、これまでの日常が奪われた孤独感による多大なストレスに晒されることとなった。緊急事態宣言が解除された後も、第二波・三波への到来が懸念され、不安な日々が続いている。そんな中、不安に寄り添うべく誕生した、これまでにない新しいエンターテインメントが「深夜文学」だ。「おやすみ前の大人向け・朗読放送」をテーマに立ち上がったこの企画では、あらゆるジャンルの出演者が名作文学作品を朗読する様子をオンラインにて配信。第一弾はシンガーソングライター・石崎ひゅーいが「銀河鉄道の夜(宮沢賢治 著)」を三夜に渡って朗読する。

 
裸電球の柔らかな光で照らされた室内で、椅子に腰を掛けた石崎ひゅーいが物語を読み上げていく。高すぎず低すぎない温かい声は、まさに就寝前に相応しく、流れる時間は心地良い。「銀河鉄道の夜」を子供の頃に初めて読んだという石崎は、この物語が自分の音楽を構成する大切な一部になっていると語る。


「銀河鉄道の夜」の主人公ジョバンニは、父は漁に出たきり帰らず、母は病気もちのため、学業の傍らアルバイトに励む多忙な日々を送っていた。クラスメイトはそんなジョバンニを事あるごとに馬鹿にし、笑い者にした。さらにアルバイト先でも冷遇を受けていたジョバンニの毎日は常に孤独と隣り合わせ。ただ唯一、友人のカムパネルラだけは彼を馬鹿にしなかった。そして二人は銀河鉄道の旅に出る――。不朽の名作である「銀河鉄道の夜」は、友人と力を合わせて敵を倒すような、勇ましい大冒険の物語ではない。死者たちが乗車する銀河鉄道の中で、ひっそりと、確かに「死」というものに触れ、乗客との会話を通して「本当の幸せ」について考え、追い求めていく。生きとし生けるすべての者がいつか必ず直面する、永遠のテーマを描いた静かな旅の物語なのだ。石崎ひゅーいの穏やかで落ち着いた語りは、そうした物語の陰りと一筋の光を、一層濃く、深く縁取る。

 

「本当の幸せ」とは何なのか? 大人になった今だからこそ改めて考えさせられるこの問に、ジョバンニはどのような答えを出すのか。未読了の方はもちろんのこと、既に読了された方も、石崎ひゅーいと共に、再び銀河鉄道に乗車してみて欲しい。朗読という新たなアプローチで、これまでとは違った物語の景色が見えてくるかもしれない。


 

深夜文学「銀河鉄道の夜」
石崎ひゅーい

【第一夜】2020/07/19(日)22:00
【第二夜】2020/07/26(日)22:00
【第三夜】2020/08/02(日)22:00

詳細はこちら

一覧へ戻る