2020/3/2
公演レポ
今回のキーワードである『MUSIC FREAKS』はラジオ局・FM802で毎週日曜日の22時~24時に生放送されている音楽プログラム。注目の若手アーティスト2組が毎年10月から隔週交替で1年間に渡りDJを務める番組で、2018年から2019年にかけてOfficial髭男dismの藤原聡(Vo/Pf)が、その一代前をsumikaの片岡健太(Vo/Gt)が担当。その2人が昨年12月に放送された特別番組『サシ飯 FREAKS』を一緒にやったことで競演が実現したという。
ラジオきっかけということで、現在、同番組DJのSaucy Dogの石原慎也とビッケブランカによる影アナが流されたほか、この日のために収録されたOfficial髭男dismの楢﨑誠(Ba/Sax)とsumikaの小川貴之(Key/Cho)による『ならちゃん おがりんのちょっとだけFREAKS』なども合間にオンエアされたこの日のライブ。
「sumikaです。どっちが出ていくか楽しみにしていてね!」というコメントのあと、FM802のラジオブース前が再現され、「セットに802の愛がある!」と2人が感激したこだわりのステージに現れたのはOfficial髭男dismだ。映画『HELLO WORLD』の主題歌『イエスタデイ』で観客を引き込み、バラード『115万キロのフィルム』で魅了したかと思えば、「バラードやったから、みんなのライフが低下しているかもしれない。こういう時は1つになれる呪文を教えてもらったぞ!」(藤原)とsumikaの『ふっかつのじゅもん』を演奏!! これには復活どころか、それ以上の盛り上がりに! そこにファンクとハードロックを融合させた『FIRE GROUND』で、さらに観客を焚きつけていていく。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、sumikaやFM802、観客への愛を込めて歌った『I LOVE…』、クラップ&合唱も起こった『Stand By You』などを披露し、ホーン・サウンドも印象的な『宿命』でフィニッシュ! 完成度の高いグッドミュージックを奏で、sumikaへとバトンを渡した。
「僕たちも楽しみにしています!」というOfficai髭男dismからのコメントを受けて登場したsumikaのライブは、始まりを告げるに相応しい『フィクション』で幕開け。疾走感のある華やかなナンバーでグッと引き込むと、「2020年初ライブなんですよ。限界の向こう側へのライブ、一緒にやろうよ!」と遊び心あるバンドサウンドが印象的な『Flower』で会場の熱量をグングンと上げていく。加えて、「本家を見せてやる!」と『ふっかつのじゅもん』を放ち、観客に会心の一撃を見舞ったため、盛り上がりはヒートアップ! さらに今度は、「ワンマンでもやらない珍しい曲をやりたいと思います」とOfficai髭男dismの『ビンテージ』のワンコーラスを片岡がギターの弾き語りで披露し、続けて『Tell Me Baby』と、2曲のOfficai髭男dismの楽曲をカバーで楽しませた。こういうことを味わえるのも、この2マンライブならではだろう。以降も多彩な楽曲で魅了した熱いステージは、合唱も起こった『「伝言歌」』で幕を閉じた。
ライブ後は2組揃っての記念撮影や藤原と片岡のエンディングトークもあり、「今日があってよかった!」(片岡)、「去りがたいですね」(藤原)というほど、両バンド、観客にとっても忘れられない夜になったに違いない。
TEXT 金子裕希
PHOTO 提供:FM802 撮影:渡邉一生