- 公演終了
ノーベル文学賞ほか、数々の文学賞を受賞するペーター・ハントケの衝撃作に、演出ウィル・タケット×初舞台、初主演の寛一郎が挑む!
人が人として在るために・・・。
ことばを手にしたとき、それは自由への扉なのか、
それとも悪夢の始まりなのか。
全ての瞬間がスリリング、あなたはその目撃者となる。
カスパー・ハウザー。
もしかしたら、一度くらいはこの名前を聞いたことがあるかもしれない。
19世紀のはじめ、生まれてからおよそ16年間、世間から隔離され、地下の牢獄に閉じ込められていた孤児。一切の人間的な営みから隔離され、育てられた少年が突然、文明社会の中に投げ込まれる。文明社会に適合するための教育を受けるが、数年後、謎の死を遂げた実在の人物のことである。
この実在の人物であるカスパー・ハウザーを題材にペーター・ハントケが書いた戯曲、それが「カスパー」です。
しかし、この戯曲は実在の人物の歴史劇ではありません。
人間本質の存在そのものを描いた戯曲、それがこの「カスパー」です。
主人公カスパーには、映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、『菊とギロチン』などで数々の賞を受賞し、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に源実朝を暗殺する公暁役で大注目の俳優の寛一郎。本作が初舞台にして初主演。舞台に立つことはこの台本に出会うまで全く考えていなかったとのこと。作家が描いている「言葉」というものの認識の深さ、それを反芻して、言語から身の回りの事象を捉えていくという、作家の視点に深い興味を抱き、この題材を、この作品を演ってみたい、初舞台にして高きハードルを自分に課した寛一郎。
そしてカスパーを言葉の世界へ誘い、調教していく“プロンプター”と呼ばれる3人の謎の登場人物に首藤康之が挑戦。2021年12月にコナー・マクファーソンの『ダブリンキャロル』ではその膨大な台詞量と格闘しながらも、人生をダメにした中年男をその色気と哀愁で見事に演じた。今回はまさに新たに手にした「言葉」という表現手段を駆使して本作品に挑む。他プロンプター役に演出家が大信頼を置く実力派俳優、下総源太朗、文学座若手俳優の萩原亮介、そしてカスパーの分身として登場するのは小野寺修二作品の常連俳優でもある王下貴司、大駱駝艦の精鋭艦員 高桑晶子 小田直哉 坂詰健太 荒井啓汰が参戦。
あらすじ
ぼくは そういう ような まえ に べつじん だった こと が ある よう な ひと に なりたい
I want to be a person like somebody else was once.
突然我々の世界に、あるいは時代へ送り込まれてしまった一人の人間。
姿は人間と同じ。たった一つのことば(音)。
「僕はそういうような、前に別人だったことがあるような人になりたい。」
を繰り返すだけ。これがこの舞台『カスパー』の始まりです。
言葉を拷問のように浴びせられ、次第にコトバを言葉として認識し、言葉に意味があることを知る。
そして社会で生きていくための言葉やルールを教え込まれ、調教されていく。
「ことば」が次第に「意味」を持ちはじめ、そこに意思が芽生えた時、カスパーは何と出会い、どこへ向かい、そして何を手に入れ、何を失うのか。
そして「カスパー」とは何者なのか、いったい何なのか・・・。
立つ・歩く・座る・言葉を使う・・・。
我々が「社会」で生きるために身につけたスキル。
我々は自由に自らの意志と選択でこのスキルを使い、社会で暮らしている。
しかし、もしも「言葉」が我々を操作するために「調教」されたものだとしたら・・・。
当日券について
「カスパー」【大阪公演】当日券の詳細が決定いたしました。
4月9日(日)13時15分より、会場入り口にて販売いたします。
また、公演当日、受付にて座席指定券とお引換え頂ける「当日引換券」も販売いたします。
こちらも4月9日(日)13時15分よりより、会場入り口にてお引き換え頂けます。
◎当日引換券受付ページ(各公演2日前10:00~各公演当日2時間前)
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kaspar-2023/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kaspar/
イープラス:https://eplus.jp/kaspar-2023/
※枚数制限は各回ごとで「お1人様4枚まで」となります。2枚以上でご購入されたお客様は、状況によっては連席でご案内できない場合がございます。予めご了承ください。
※支払方法は当日の会場入り口での販売は現金のみ、当日引換券はクレジットカードのみとなります。
!!東京公演、観劇レポート到着!!
撮影:阿部章仁
■出演
寛一郎
首藤康之
下総源太朗
王下貴司
萩原亮介
大駱駝艦/高桑晶子 小田直哉 坂詰健太 荒井啓汰
■作
ペーター・ハントケ
■翻訳
池田信雄
■演出
ウィル・タケット
<寛一郎 コメント>
まず台本が非常に興味深く、そして面白かったです。作家が描いている「言葉」というものの認識の深さ、それを反芻して、言語から身の回りの事象を捉えていくという、作家の視点がとても印象深い作品だと思い、この題材を、この作品を演ってみたい、と純粋に思いました。舞台に立つことはこの台本と出会うまで全く考えていませんでしたが、とにかくこの作品を演ってみたいと思いました。まず作品があって、それが舞台のための戯曲だったということです。初めて舞台で演じるにしてはハードルが高い作品かもしれないので、楽しみであると同時に、もちろん不安も感じています(笑)。そしてこの作品との出会いはこれまで生きてきた自分の人生を省みることになるかもしれません。数希な運命を生きたカスパー・ハウザーという人物をもともとご存じの方、またそうでない方にも楽しめる作品にしたいと思いますので、ぜひご来場ください。よろしくお願いいたします。
<首藤康之 コメント>
今回ウィル・タケットの演出する『カスパー』にプロンプター役として出演させていただくことになりました。ウィルとの仕事は今回で3回目ですが、稽古場で起こるマジカルな創作にはいつも魅了されています。
長い間 ”舞踊” という世界に住んで、本能の赴くままに表現していた僕にとって “言葉” というものは生活手段の道具でしかありませんでした。しかし俳優という仕事を始めてからというもの、その “言葉 “ のもつ厳かな影響力(それは時として軽やかにもなる)に引き込まれ、今では “言葉” の力によって身体を動かし、表現し、生活をしています。 “言葉” に関して言えば、思春期を通りこして急に赤ちゃんから大人になったような気がしています。カスパーのように!
このペーター・ハントケの『カスパー』は、そんな “言葉” の尊さを感じさせてくれる戯曲で、様々な問題定義を示してくれます。僕の演じるプロンプター役はそんなカスパーに ”言葉の世界” への道標を示す重要な役だと考えています。誰の中にでも存在するであろうプロンプター、僕も自分の中にいるプロンプターの声に耳を傾け、皆様にとって、この素晴らしい戯曲の上演が “何かを考え” 豊かな時間になるよう稽古に奮励したいと思っております。是非劇場に足をお運びください!
日時 |
2023/04/09(日)≪全1回≫
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会場 | 松下IMPホール | ||||
金額(税込) |
全席指定:9,800円(税込) |
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発売日 | 公演終了 |
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