2025/10/11
インタビュー
――森山さんはもともとジャズシンガーを目指していたんですね。
「父がジャズトランぺッターだったこともあり、子供の頃から自分はジャズシンガーになるんだと決めていました。でも色々な流れからフォーク調の『この広い野原いっぱい』で歌手デビューし、それがヒットしたことでフォークシンガーのイメージがついてしまった。あれっ?という気持ちもあったけど、もうこうなったら頭を切り替えて色々なジャンルの曲にチャレンジしてやろうと。でも私は歌うことが大好きなので、その環境も結構楽しんでいたし、今にして思えば視野も広がって勉強になりました。」
――ひとつのターニングポイントになったのが2003年にリリースしたアルバム「THE JAZZ SINGER」だった。
「ジャズの有名なスタンダード曲をカバーする企画の作品でした。これを作ったことでジャズシンガーになるなんて叶わぬ夢と封印していた気持ちが動き出して、やはり本物のジャズをもっと深掘りし、オリジナルのジャズアルバムを出したいとの思いが強くなりました。」
――昨年12月に念願のジャズアルバム「Life is Beautiful」がリリースされました。プロデュースは現在ニューヨークでジャズピアニストとして活躍する大江千里さんです。
「大江さんは長年の友人で、ミュージシャンとしても尊敬している方です。一昨年に大江さんからニューヨークでジャズアルバムを作らないかとの提案があり、もちろん私は即OKしました。ただし作る以上は最高のものにしたくて、その前にニューヨークにジャズ留学をして音楽の先生やミュージシャンのレクチャーを受けました。教えていただいた声の出し方やリズムの取り方など全てが目からウロコというか驚きの連続で、これまでのモヤモヤした疑問点が解決してスッキリしました。」
――アルバムでは作詞、作曲、編曲、そして演奏と大江さんが全面的に関わっています。
「私がニューヨーク滞在中は公私ともにお世話になりました。楽曲も私のこれまでの人生の中での出来事や思い出を大江さんに話し、それをうまく昇華、反映してもらいました。」
――まさに森山さんの人生が垣間見える曲が並んでいる印象です。
「アルバムのタイトルに全てが集約されています。人生には光と影、浮き沈みがつきもの。ご多分にもれず私も色々とありましたがそれを乗り越えた今思うのは、人生って捨てたもんじゃないということ。生きていることに感謝して前向きに人生を楽しむ。そうした思いが聴いてくださる方に伝われば嬉しいです。」
――コンサートの内容について教えてください。
「ニューアルバムから3曲歌います。日本語詞なので、今までジャズをあまり聴かなかった方にも親しみや興味を持っていただけるのではと思います。あとは最新のベストアルバム『森山良子の10曲』に収録されている皆様にもおなじみの楽曲もたっぷりと歌います。今回もドレスにスニーカーを履いてアクティブに動きます(笑)。大好きなフェスティバルホールでのコンサート。お客様と一緒になって盛り上げて楽しみたいと思います。ぜひお越しください。」
TEXT:石井誠
森山良子コンサートツアー2025~2026
~Life Is Beautiful~
▶▶オフィシャルサイト
|日時|2025/10/26(日) 16:00
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細