2025/9/17
インタビュー
――デビューした1985年の音楽会ってどんな雰囲気でしたか?
「世の中的にはまだ女性は出しゃばらず可愛くあるべしといった風潮もあり、女性のハードロックバンドというだけで色眼鏡で見られた時代だったし、まさに逆風の中でデビューした感じ。音楽界もアイドル歌手全盛だったから、私達はロックがやりたかったのにアイドルバンド的な売り方をされ、全員で寮暮らしをしてミニスカートをはかされキラキラの衣装を着させられた。テレビのバラエティ番組にもよく出た。ロックファンからは魂を売ったとか揶揄されたけど、私個人としては色々な人に出会えて結構楽しんでいたかも(笑)。でも自分達の音楽的ルーツや核の部分はロックというゆるぎない信念はあったし、この先、誰も歩いてない道だけど、このバンドでメシを食っていくんだと腹はくくれた」
――1987年には日比谷野外音楽堂でのロックフェス『NAONのYAON』をスタートさせました。
「女性でもこれだけカッコいいロックをやれるんだということを世間に知らしめたかったし、若いガールズバンドにチャンスを与えたかった。またコンサートの裏方さんも男性がほとんどだった時代だし、照明や音響を扱うスタッフに女性が増えたらいいなとの思いもあった」
――寺田さんは1991年に脱退し、1998年にはSHOW-YAは解散しますが、2005年に再結成して現在に至ります。
「一度脱退したのは当時身体も精神的にもボロボロだった私のわがままだった。だから再結成に向けては信用回復から始めようと、5年かけてメンバー一人ずつに頭を下げて謝罪してお願いしました。やはりもう一度このメンバーと一緒にやりたいとの強い思いがあった」
――SHOW-YAはライブバンドですが、現在“100 LIVE”を敢行中です。
「もともと1988年にアメリカのLAの『ザ・ロキシーシアター』を皮切りに100本ライブを行ったのが最初。事務所の社長が40周年でもう一度やろうと言い出して、昨年8月からスタートした。最初聞いたときはエーッ?といった感じだったけど、やり始めたらやはり楽しい。ライブハウス中心だからお客さんも近くて熱いリアクションもあり、こちらも18歳の頃のようにワクワクして演奏してる」
――若いガールズロックバンドについてはいかがですか?
「今は日本に居ながらネットで世界とつながれる時代だけど、バンドのクオリティやテクニックもすごく向上してる。私達もコラボする機会も多く、楽しみつつ結構刺激ももらってる。お互いに切磋琢磨していきたいな」
――10月8日には5年ぶりとなるカバーアルバム「無限」がリリースされます。
「30周年の時にカバーアルバム『Glamorous show』を2作出していて、1枚は日本の男性ロックバンドの曲(X JAPAN、GLAY他)を、もう1枚は男性ソロシンガーの曲(沢田研二、佐野元春他)を男前に(笑)カバーした。今回はプロデューサー&アレンジャーに是永巧一さんを迎えて、選曲については昭和、平成の名曲やメンバーの好きな曲を出し合って皆で決めた10曲をカバーしている。「少女A」「雨の慕情」「傷だらけのローラ」などをSHOW-YA風にアレンジした仕上がりを聞いてほしい」
――10月には40周年アニバーサリーツアーがあり、大阪は10月11日(日)に梅田のバナナホールです。
「オリジナルメンバーが健在で揃い、全員が還暦越えというのに驚かれるけど、年齢のことは気にしていない。20代の頃以上に楽曲のクオリティもハードルも上がっているので、まだまだ発展途上のバンドだと思ってる。ただ年齢に関して言えば、同世代のバンドのメンバーの訃報も増えてきている今、私達もこのメンバーでいつまでやれるのかは確証はない。なのでメンバーとは一期一会のライブを毎回全力投球でやろうと話し合ってる。是非ライブに着て一緒に盛り上がりましょう」
TEXT:石井誠
SHOW-YA 40th Anniversary
東名阪ツアー“無限”
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|日時|2025/10/11(土) OPEN 16:00/START 17:00
|会場|バナナホール
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