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自身と重ね映画を30回観ているアン ミカ
「愛は人を変えると感じられるシンデレラストーリー」

2024/9/10

インタビュー

ブロードウェイ・ミュージカル 「プリティ・ウーマン」

全世界で約530億円もの興行収入をたたき出した大ヒット映画を、2018年にアメリカでミュージカル化。ブロードウェイやウエストエンドでも好評を博した舞台が初来日する。この映画が大好きだというアン ミカが、自身に与えた大きな影響、作品から感じたポジティブなメッセージなど、実体験をもとに本作の魅力をたっぷりと語った。

――1990年に公開され大ヒットした映画『プリティ・ウーマン』の印象から伺えますか。

「当時私は高校3年の多感な時期で、とても影響を受けた大好きな映画です。ジュリア・ロバーツが演じる娼婦のヴィヴィアンは、自分を軽んじられることを受け入れない、芯の強さがあります。私は物質的に恵まれない家庭に育ち、新聞配達などをして狭い家に7人で暮らしていたのですが、「貧しさが人の品位を決めるのではない」「自分で努力をして世界的に通用する人間になる!」と自尊心を強く持って生きていたので、この映画を観てとても希望がもてました。これまでに30回は観ているのですが、50歳を過ぎ、今観てもワクワクしますね(笑)」

――ヴィヴィアンはリチャード・ギアが演じる敏腕実業家のエドワードに出会い、いわゆるお金持ちの世界へと飛び込んでいきます。

「あのリチャード・ギアは満点ですよね! この映画はジュリア・ロバーツの存在が世に大きく知れ渡った作品ですが、リチャード・ギアはすでに渋みと色気のある俳優としてよく知られていました。その彼が、初めはいけすかない、冷徹でお金で何でも解決しようとするエドワードを演じ、ヴィヴィアンとの愛を通して、優しさや人間的な成長を見せるのがすごく良かったです」

――特に好きなシーンはありますか?

「ヴィヴィアンがホテルの泡風呂に入って一人でキャッキャッ楽しんでいるところで、エドワードが少しはにかむような笑顔を見せるところです。お金持ちですべてを持っているような人でも、本当の幸せは何か。今自分が思っている幸せは物質的に偏ってないかとか、幸せの価値観すらも柔らかくしてくれる映画だと思います。そして、この作品は白馬の王子様を待つような単純なシンデレラストーリーではなく、愛が人を変える、人はいつからでも変われる、と思わせてくれる映画だから大好きです」

――とても前向きなメッセージがあるのですね。

「はい。そうなんです。ヴィヴィアンはホテルの支配人にフォークマナーを学ぶなど、失敗をしつつも頑張りますよね。と言っても、私もヴィヴィアンに影響を受けて世界で活躍する人になるために、語学はもちろんマナーを知っておかなければと、プロトコール・マナーの資格を取得しました。凛とした強さや自信を持ち、自分の可能性を信じて磨いていけば、きっとその先に磨いたなりの居場所やチャンスが待っていると思って。また、“プリティ・ウーマン”という言葉もいいですよね。“プリティ”は“素晴らしい”“美しい”という意味があり、“ビューティフル”という言葉に近いのですが、“ビューティフル”は最上級の“素晴らしい”。“プリティ”は成長過程にある仕草や雰囲気も含めた美しさやかわいらしさ、という意味合いがあって、好きな言葉ですし、自分にもまだ伸びしろがあると思わせてくれます」

――映画をご覧になった当時、アン ミカさんも背中を押してもらいましたか?

「私はこの映画を観たあと、お金を貯めて単身パリに行き、モデルとして一人で挑戦しました。ヴィヴィアンがブティックへ行っても、見た目で判断されて洋服を買えないというシーンがありますよね。今思えば、自分にTPOの知識が備わっていなかったと言えばそれまでなのですが、初めての慣れない海外ロケで私も似たような経験がありました。10代後半から20代前半の、何者かになろうと考えているときの自分と似ているように感じます。その後、私は今の旦那様に出会い、今とても幸せです。本当に自分はプリティ・ウーマンだなと思う時がありますね(笑)」

――大きな影響を受けられた『プリティ・ウーマン』のミュージカル版が、この秋初上陸します。

「とても楽しみです! 舞台を抜粋した映像を拝見したのですが、映画に忠実なオープニングがまず素敵! みんなが好きな場面を大切にし、再現されていると感じました。オペラのラストシーンはどういう演出になるのだろうとワクワクします。私は最近、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』や『チャーリーとチョコレート工場』など、舞台が作り込まれたミュージカルをよく観劇していて、その世界観も大好きなのですが『プリティ・ウーマン』は、様々な要素を盛り込みつつ、お客様の想像に任せてくれるシンプルさもあって、その新鮮さも良かったです」

――アン ミカさんご自身、舞台は2022年に『シンデレラストーリー』に出演されました。ぜひミュージカルへの思いをお聞かせください。

「私は15歳からモデルを始めたのですが、実はもともとミュージカルをやりたかったんです。両親は歌を歌っていた人で、家でもずっと歌声が響いていましたし、毎週末、教会で私も聖歌を歌っていました。当時はMTV(ミュージックTV)やヒップホップ系のダンスも流行していて、私は女性のヒップホップダンスグループで踊るアルバイトもしていたことがあって、大阪ではよくテレビで宝塚の舞台も放送されていましたし、歌って踊るミュージカルに出演したい!と憧れたのですが、人生は面白いもので、黙って歩く方のモデルを選ぶことに……」

――それは何か理由やきっかけがあったのですか?

「母がずっと癌で闘病し寝たきりだったのですが、私が話しかけると指が少し動いた気がしたんです。これは、耳は聞こえていると思い、そんな母に「何かになれた」と報告をしたいと思って。でもミュージカル俳優になるにはレッスンを受けて、オーディションに合格して、と時間がかかりますよね。モデルは「モデル事務所に入れたよ」とすぐに報告できるからと、いくつも事務所の面接を受けて、ようやく一つ受かり母に報告できました。そのあとしばらくして亡くなったのですが、やはり母に報告した手前、モデルを頑張らないと!と思ってこの道へ。やると決めたら、トップになりたいと思って頑張りました」

――パリコレに出演するなど世界的にご活躍されましたね。そして徐々にテレビにもご出演されるようになりました。

「一時期は、大阪でトークもするモデルとしてテレビに出演し、東京では黙って歩くクールなモデルと、二足のわらじをはいているような状態に。ミュージカルは月に一度は趣味で必ず観に行ってました。大地真央さん主演の『マイ・フェア・レディ』や、海外からの来日公演、お友達もいた宝塚の舞台など、いろいろ観劇させていただきました。そしてやっぱりミュージカルへの憧れは消えず、声楽やゴスペルのレッスンを受けるなど猛勉強して。『シンデレラストーリー』では、両親から受け継いだパンチのある歌声や声量を、ホールで思い切り出すことができてすごく楽しかった! これからもぜひミュージカル出演の機会をいただけたら嬉しいです。」

――最後に改めて、アン ミカさんからミュージカル『プリティ・ウーマン』を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。

「映画を観た方も観ていない方も、自分を愛する大切さ、そして愛は人を変えるということを感じていただける作品だと思います。人は人に影響を受け、ケミストリーが起きて人生が変わっていきます。自分にはまだ見ていない景色がある、まだ出会っていない人がいると、自分の可能性を感じられるシンデレラストーリーなので、ぜひご覧ください!」

文:小野寺亜紀

 

立飛グループ創立100周年記念事業PRESENTS
ブロードウェイ・ミュージカル
「プリティ・ウーマン」

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大阪公演

|日時|2024/10/04(金)~2024/10/06(日)≪全5回≫
|会場|東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
▶▶公演詳細

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