2024/7/23
インタビュー
――今回のツアータイトルや、『昔の尖っていた頃の流れ星☆』というテーマに込められた想いを教えてください。
たきうえ「ツアーの準備を始める際に、まずタイトル決め会議があるんですけど、毎回、キービジュアルを撮影してくださっているカメラマンの方が太字で『RED ZONE』というタイトルをプリントアウトして持ってこられて、もう『RED ZONE』でいこうということになりました」
ちゅうえい「僕らもいろいろ提案したけど、『うん、君らのボケは分かったから』って。一生懸命考えたのに(笑)」
たきうえ「これまではお笑いライブ初心者にも分かりやすいネタをやろうという作りにしていて、それが自分たちの売りでもありました。ただ、今の僕らはずっと引きずってきた『賞レースでの優勝』という目標に目を向けているので、あまり間口を広げすぎると勝てなくなってしまう。そこで今回は、ひたすら自分たちの笑いを追求して尖っていた頃に戻ってみようという狙いがあります。なので『RED ZONE』には『危険水域』という意味と『原点回帰』という意図も含まれています」
――初日が迫っている中(取材日は7月上旬)、準備はどれくらい進められていますか?
たきうえ「実はまだ練習始まってなくて。だからちゅうえいは内容を知らないんです」
ちゅうえい「僕は僕なりに頑張っていまして。アイアンがすごくボールに当たるようになりました。体調面はばっちりです」
たきうえ「ゴルフの練習かよ!これで捻挫とかしたらもう最悪ですよ。今回、作家としてかもめんたるの岩崎う大がネタ作りを手伝ってくれていて。2024年の『THE SECOND ~漫才トーナメント~』で彼らと対決したときにダメ元でお願いしたら了承してくれました。」
――ライブ用に書き下ろしたネタはどれぐらいありますか?
たきうえ「全部です。最近ずっとネタ作ってたので、マジでしんどい!(笑) いつもは『ザ・流れ星☆』というべき出来上がったスタイルに定番のネタを当てはめていくんですけど、今回はまったくの新ネタ6本をお客さんが飽きないように考えるのが大変で。コース料理みたいな感じで、メインディッシュばかりでもダメだからバランスを考えなくちゃいけない。今までだと営業でも使えるようなコスパの良いネタにしていたので、そこが大きな違いですね」
――ちゅうえいさんはゴルフ以外でどのような準備を?
ちゅうえい「そうですねぇ、お笑いのスコアで100を切りたいと思っています」
たきうえ「要するに何もやっていない(笑)」
ちゅうえい「今までとは違ったことをするというのは聞いているので、僕自身、本当に楽しみにしていて。前にもう大が入ってくれて、どれくらいネタの幅が広がるかは知っているつもりですが、今回は、さらにその上をいくでしょうね」
――9月29日の千秋楽では『RED ZONE超(スーパー)』というタイトルが付いていますが、これはどのような内容に?
ちゅうえい「タイトルに『超(スーパー)』とあるから増量版だと勘違いされやすいんですよね。初日の東京から8月31日の北海道がレコードのA面だとしたら、最終日はB面という感じです」
たきうえ「みんな『超(スーパー)』だけでいいと思っているみたいですが、それまでの公演も見て『超(スーパー)』も見るからこそ面白いし、それで『RED ZONE』の全貌が分かるようになっています!」
ちゅうえい「もしかしたら『超(スーパー)』では相方が変わっているかもしれません」
たきうえ「ちゅうえいじゃなくてう大が立っているかも。もう料理そのもの変わっているという」
――8月3日には大阪公演も予定されています。関西のライブについてはどのような印象がありますか?
ちゅうえい「大昔に大阪で女子高生が審査員をする大会に出て、東京から来たっていうだけでみんな下向いて携帯触っていたから、最初は正直、やりにくいなと思っていました。それがツアーをやるようになってからは、みんなすごく楽しんでくれるようになって、今では大好きな場所になりました。ちゃんと笑いを見てくれる土壌があるので、ここで笑ってほしいというところでしっかり反応してくれるのが嬉しいです」
たきうえ「僕も最初、関西の賞レースで痛い目を見てきましたが、単独ライブだとすごく盛り上がってくれるので、今ではまったく苦手意識はないですね」
――最後に、改めて今回の公演にかける意気込みをお願いします。
たきうえ「今回、本当にネタ作りのハードルを上げ過ぎて、これで最後になるかもしれないぐらい気合いを入れています。集大成の内容になっているので、ぜひ、みなさんに見ていただきたいです。コスパの良いライブにしましょう!」
ちゅうえい「昔の荒々しかったころから今のスタイルが好きな人まで、流れ星☆が好きな全員が、何かしら楽しめる要素があると思います。あと、今回でライブツアーが終わったら翌年からは『ちゅうえいサーカス』が始まるので、そちらもご期待ください」
たきうえ「それ、僕は出ませんので(笑)」
取材・文=伊東孝晃