2024/4/26
インタビュー
――これまでアーティスト活動にも力を入れてこられた山崎さんですが、ニューアルバム「The Handsome」はどのような思いで制作されたのですか?
「僕は小椋佳さんのミュージカル(アルゴミュージカル『フラワー』)で1998年にデビューし、自分もいつか日本のオリジナルミュージカルを作りたいと思い続けてきました。アルバム制作にあたり、ひとつの物語を軸にしたアルバムを目指し、オリジナルミュージカルを作っていくような感覚でスタート。プロデューサーに、今最も注目されている作家のひとりであり、以前からご一緒したいと思っていた根本宗子さんをお迎えし、物語を考えてもらいました。根本さん曰く、結婚詐欺師を密着するドキュメンタリーを見たときに、『山崎育三郎=結婚詐欺師、これだ!』とピンときたらしくて(笑)。僕が結婚詐欺師を演じるのは、エンターテインメントとしてイメージがすごく湧いたそうで、それに乗っかってみよう!と思いました」
――“この世で最もハンサムな結婚詐欺師”の人間模様が、バラエティに富んだ楽曲でつづられていますね。
「さまざまなジャンルの方に物語の楽曲をお願いするというのは、今までにないチャレンジでしたが、物語が軸にあることでぶれずに成立していき、僕自身驚きがありました。ミュージカルファンにも音楽好きの方にも届くようにと作ったので、ぜひアルバムの最初から最後まで順番に聴いていただきたいです」
――OKAMOTO’S、マハラージャン、清 竜人さん、吉澤嘉代子さん、大森靖子さんなど豪華アーティストが参加されています。『LIKE、重ねていく feat.幾田りら』では、YOASOBIのボーカル・ikuraさんとのデュエットも。
「“ハンサム”というキャラクターの人生のヒロインとして、幾田りらさんが参加してくださいました。この曲は、プロポーズしたヒロインに振られた後、“ハンサム”が『彼女とこうだったらよかったのに』と妄想するラブソング。ミュージカルでは聴けないような曲になっています。ちなみに幾田さんのお母様が僕のファンだった、というのがきっかけで共演が実現して。僕はよく『誰々のお母様がファン』と言われることが多いんですよ(笑)。ほかの楽曲も、アーティストの皆さんがレコーディングスタジオに来てくださり、僕と話し合いながら『こっちのメロディラインのほうがいいね』とかディレクションしてくださって面白かったです。皆さんが求める世界観が違うからこそ、そこに染まりたいと思って臨みました」
――このアルバムを引っ提げ、5月18日(土)からスタートする全国ツアー。関西でも神戸・京都・大阪の公演が予定されています。その楽しみ方を教えてください。
「1部はこのアルバムをミュージカルのように一気に通し、物語が伝わるような構成にしています。台詞も入るので、ライブに参加するというよりは、皆さんに観ていただく形になるかと。“ハンサム”は幼い頃にピアノ教室で出会った女の子に一目惚れし、その子を自分の結婚相手だと思うぐらい、感性や直感が鋭く、女性を惹きつけるものを持っている人。どういうふうに演じたら魅力的に物語を展開していけるだろうかと、レコーディング中からも考えたキャラクターで、やりがいがあります」
――結婚詐欺師ということですが、山崎さんご自身、だますのが得意という面は?
「だますのが得意と言ったら大変ですよね(笑)。ただ、僕は今でこそ“プリンス”と言われますけど、もともと人前に立つのは苦手でした。幼い頃は名前を呼ばれて返事するのも嫌な、おとなしい子。そんな僕を心配した母が、僕に歌を習わせたというのがこの世界に入るきっかけです。初めて役を演じ歌った時、自分の心がすごく解放されたんです。そうやって何かを演じ、物語に入り込むことで自分を表現するのが好き、という面では“詐欺師”なのかもしれないですね」
――コンサートの2部はどのような構成に?
「後半の2部は『これぞ育三郎! 待ってました』という楽曲を集めています。ミュージカル、オリジナル楽曲、ディズニー、歌謡曲まで幅広く、皆さま参加型のライブになると思います。特にラスト4曲あたりはかなりスピードも速く、お客様を巻き込む流れになると思うので、ぜひ一緒に楽しんでください」
――山崎さんにとって“ライブコンサート”はどういう場ですか?
「僕は本当にいろいろな活動をさせていただいているのですが、様々なジャンルの仕事を凝縮した、“自分の集大成”の場がライブだと思っています。“これが自分なんだ”と、様々な活動で得たものすべてをエンターテインメントとして届ける――自分にとって一番大切で、自分が一番輝ける、好きな場所がステージでありライブです」
――最後にコンサートを楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
「僕のことを知っていただくきっかけは皆さんバラバラで、ミュージカル、ドラマ、映画、バラエティ、声優、朝ドラなどいろいろで、お客様の年齢層が幅広いのですが、来ていただいた方を誰ひとり置いていかない、というのが自分の絶対のテーマです。お子様からおじいちゃんおばあちゃんまで、誰もが最後に“幸せだった”と思っていただけるライブにしますので、楽しみにしていてください」
取材・文=小野寺亜紀
山崎育三郎 全国TOUR2024
『THE HANDSOME』
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|日時|2024/06/06(木) 18:30
|会場|神戸国際会館こくさいホール
▶▶公演詳細
|日時|2024/07/04(木) 18:30
|会場|ロームシアター京都 メインホール
▶▶公演詳細
|日時|2024/08/11(日) 17:30
2024/08/12(月・祝) 15:00
|会場|フェスティバルホール
▶▶公演詳細