2024/2/15
インタビュー
――舞台に声優のお仕事と超多忙な中、去年はビルボードライブを行い、今年は11年ぶりの全国ツアーが決まるなど音楽活動が活発化している印象があります。
「楽曲のリリースをしなくなってかなり年数が経って昨年のツアーも今の活動であるミュージカルのコンサートで。それにリリースをしていないから動けないっていうところもあったんですね。だけど、ファンの方のご意見でやっぱり一番多かったのが『ライブをやってください』という声で。独立もしましたし、再スタートっていう意味合いも込めてツアーができたらなと思ったのが、今回の11年ぶりにツアーを行うきっかけでした」
――ミュージカルなど色々な経験を経てのツアーだけに、以前とは違った姿を見ることができそうですね。
「役を通さずに演じないで歌うのは久しぶりですし、楽曲に対するアプローチの仕方とかはだいぶ変わるだろうなと思っていて、自分でも楽しみです。特に今回のツアーは私の初期の楽曲を入れているので、その頃と比べると、いろんな作品や留学などの経験も経た分、歌い方も変わっていると思います。ただ、その当時の良さ、若いながらの勢いというか、すごく前向きでとてもエネルギッシュで――というのももちろんあるので、そこは損なわないようにしながら、今のスキルをうまく合わせていけたらいいなと思っています」
――今回のツアータイトル名を『RE:BOOT』にしたのは?
「リスタートではなくリブートにしたのにはすごく意味があって。やっぱり今までのことを何もなかったことにして、またここから新しいスタートを切るリスタートだとちょっと意味合いが違うと思いましたし、やっぱり今までのことを全部踏まえて一段階進むというか、上にあがるという意味でもリブートのほうが相応しいかなと。しかも、銃に弾を装填するじゃないですけど、そういう当時の勢いを引き継いでいきたいなと思ったので、いろんな意味を込めてインパクトの強い単語を選びました」
――この『RE:BOOT』ツアーでは、ロック系の初期の楽曲がセットリストにあるということで、パワフルなライブになりそうですね!
「そこが困ったところで(笑)。あれから11年経っていて、私も11年の歳を重ねているからファンの皆さんから『大丈夫ですか?』って言われるんですけど、ファンの皆さんも同じように歳を重ねているので、激しい曲はみんなでいたわりあいながら頑張ろうかなと思っています。とは言いつつも、今回、ライブハウスでやることにこだわった分、ライブハウスで盛り上がる楽曲を入れたことで曲調がすごく激しくなってしまい…(笑)。平野綾楽曲の中で頭文字にSが付く楽曲は激しくてドSの曲だってファンの皆さんに言われているんですけど、だったらもうそれをコーナー化してしまおうと思って、ドS曲だけを集めたブロックを作ってしまいました。私も相当大変なんですけど、皆さんにも絶対についてきてもらえたらいいなって思っています。多分、余裕なんてないくらいみんなずっと跳んで騒いで、という感じになると思います」
――ファンの皆さんも体力作りが必須ですね(笑)。ちなみに、ライブハウスにこだわった理由はなんでしょう?
「『RE:BOOT』に関わってくるんですけど、初期にライブハウスツアーでいろんな箇所を巡っていたのをもう1回やってみたいなと思って。というのも、会場が大きくなればなるほどたくさんの方に見ていただけるから嬉しいし、どんどん積み重ねていっている感じはあるんですけど、一人ひとりと目が合って会話ができるくらいの距離感でできるのはライブハウスしかないので、リブートする時にまた同じようにコミュニケーションを取りながらコツコツスタートできればいいなと思い、ライブハウスにしました。大阪のMETA VALLEYさんは新しくできたところで初めての会場なので、すごく楽しみにしています。京都は昨年京アニフェスさんのイベントや舞台『チェンソーマン・ザ・ステージ』の上演があったりしてご縁がありましたが、ワンマンライブは初めてでどんな感じなのか予想がつかないので、そういう部分でも楽しみですね」
――様々なフィールドで活躍されているだけに、初めてライブに来られる方もいそうです。
「そうですね。『当時はまだ学生で観に行けませんでした』っていうお声もけっこういただいていて、初参戦の方もたくさんいると思うので、そういう方々が古くからのファンの方と一緒に楽しんでいただけるようにしたいと思っています。あと意外と、『ドラマを見てファンになりました』って言ってくださる方も最近すごく増えていて、ドラマではわりとクールな役が続いていたので、ちょっとびっくりされるんじゃないかなと思います」
――初参戦の方に向けて、この作品を聴いておくといいというのはありますか?
「アルバムはちょっと予習してもらえるとより楽しめるんじゃないかなと。私、意外とタイアップ曲が少なくて、実はあまりアニソンを歌っていないので、知らない楽曲も多いと思います。今はサブスクなどで『はじめての平野綾』のようなプレイリストもあるので、その辺りを聴いていただければ大丈夫です」
――最後にライブの意気込みとメッセージをお願いします。
「11年ぶりのツアーで、皆さんに喜んでいただけることだけしか考えていないですし、最近は声出しもOKになってきているので、当日は一緒に盛り上がって一緒に歌って、日頃のいろいろなものをライブで発散して、すっきりして帰っていただければいいなと思います。やっぱりファンの皆さんは作品や色々な思い出と一緒に楽曲を覚えてくださっている方が多いので、みんなで当時を懐かしんで、エモいライブになってくれればなと。関西地方はいつも大阪でしかライブしていませんでしたが、今回は京都も加わり、より来ていただきやすくなったと思うので、是非お友達を誘って来ていただけると嬉しいです!」
TEXT:金子 裕希