2023/12/10
インタビュー
――3人はユニット『3LDK』として、ライブイベントやアルバムリリースなど幅広く活動され、今回ミュージカル初共演となります。
植原「ライブで一緒に歌ったのをきっかけに、10年前ぐらいから色々やらせてもらうようになって」
水田「舞台が主戦場の3人なので、このお話を伺ったときは『いよいよミュージカルを一緒にやるんだ!』と思いました。ただ、韓国ミュージカルをやるとは想定外でした」
植原「僕は今年の『ダーウィン・ヤング 悪の起源』に続き、連続で韓国ミュージカルに出演。こんな機会はなかなかないし、楽しませてもらっています」
――韓国の舞台はご覧になりましたか?
水田「初演を映像で観たのですが、今上演されているバージョンとはまた違い、セットはシンプルでマンパワーがすごく試される作品だなと思いました」
平間「僕も映像で観て、音楽の印象が強く、ウワー歌上手い!と」
植原「どのキャストを演じるんだろう、とか思いながら観ましたね」
――リリースには『当て書きのようにぴったり』とありますが、それぞれの役について教えてください。
平間「僕はもぐり酒場で働いているボードビル俳優のリチャード役。ネガティブに考えがちなところは、自分と少し近いところがあるかもしれないけど、ネガティブを力に変えて、『まだまだ!』と上を目指しているところが自分自身あるかな」
水田「負の感情も活力にしているところが、役としっくりくるよ」
植原「壮ちゃんは『できない』と言っても、きちんとやる人なんで、僕は騙されません!」
――水田さんはリチャードの友人のボードビル俳優で、結婚を間近に控えているオスカー役ですね。
水田「表では余裕のある感じで飄々とし、『結婚するのが幸せなんだ』と言ってるけど、夢に蓋をして闇を抱えているのかも。そこは若者の悩みに通じていて共感しやすい気がします」
植原「明るくてナチュラルな雰囲気とか、すごくいいなと思って見てるよ!」
――植原さんはリチャードとオスカーが最後の公演準備をしているお店に乗り込んでくる、マフィアの手下・スティーヴィー役です。
植原「二人をかき乱すポジションなんだけど、自分も巻き込まれるというか、自分から巻き込まれていくのか……!?」
水田・平間 (笑)
植原「そこらへんは普段と似ているかも。僕がかき乱そうとしても、いつも結局二人にかき乱されてるので(笑)」
――この作品はコメディなんですよね?
植原「大前提としてはコメディなんですが、実は苦悩もあり……」
平間「成長や揺らぎもあるね」
植原「涙もある。すべては最後に笑うために、かも」
平間「お客さんが『お前、しっかりしろよ!』と怒る場面もあるかも(笑)」
水田「それに劇中劇をはさむので、それぞれ3役以外にも見せるところがあります」
植原「舞台上での変身もあるし。何役も演じるところは、ぜひお客様にびっくりしてもらいたいです!」
――日本版の『ミア・ファミリア』になっているところもありますか?
平間「かなりあります。作り直そう!というぐらいの勢いだよね」
植原「演出の安倍(康律)さんが、ストレートプレイのようにキャラクターの心情や細かいニュアンスを取り入れて。もちろんストーリーは同じだけど、稽古でいろんな道を通ってきたよね」
平間「そうやって進めていくなかで、面白くなってきた」
植原「そもそもストーリーがオモシロオカシイので、それを僕たちが真剣に追求している稽古場です」
平間「振付のSHUN(大村俊介)さんが『そんなわけないだろう!』って声に出して笑ってくれるし」
植原「あれ、ウケるよね(笑) SHUNさんはお芝居もされる方なので、お芝居も親身に教えてくださる」
水田「男ばかりで、ほんと部活みたいです!」
――楽曲はかなりの数あるのですか?
水田「いろんなジャンルの曲が25曲ほど。1曲1曲のボリュームがちゃんとあります」
平間「僕は『眠れ魚と』が好き。タイトルですべて完結してて!」
植原「お客様は、きっと何か意味があるんじゃないかと思われるかもしれないけど、全然そうじゃない(笑)」
――関西の人は心の中でつっこみそうですね(笑)。
植原「『そんなアホな』って!」
水田「『ほんまに何やってんねん』って思う瞬間が一杯あると思います(笑)。それに森雪之丞さんの歌詞が独特な世界観。感情を出すまじめな歌で、“ぽっくり”という歌詞が出てくるんですよ。言葉遊びもあります」
――想像を超えた作品になりそうですね! 植原さんと水田さんは大阪ご出身。クリスマスの時期に迎える大阪公演に向けて、あらためて意気込みをお願いします。
植原「地元でやれるのがすごく嬉しいです。クリスマス、僕たちもテンションが上がっていると思うので、ぜひ観に来てください!」
水田「昨日から大阪にやってきて、『大阪の空気は優しいね』と3人で話していたところです。特別プレゼントも用意しているので、温かい大阪のお客さまと楽しい思い出を作りたいです」
平間「本当に楽しみですし、東京公演を積み重ねての大阪公演なので、自信をもって届けられるよう頑張りたいです」
取材・文:小野寺亜紀
ミュージカル「ミア・ファミリア」
■脚本・作詞
イ・ヒジュン
■作曲
パク・ヒョンスク
■訳詞
森雪之丞
■日本版脚本・演出
安倍康律
■出演
植原卓也 平間壮一 水田航生
▶▶オフィシャルサイト
|日時|2023/12/23(土)~2023/12/24(日)≪全3回≫
|会場|シアター・ドラマシティ
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