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ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』
生田絵梨花 取材会レポート

2023/1/16

取材レポ

ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』

生田絵梨花がガールズパワー満載の日本初演に挑む!
「モヤモヤした気持ちを爽快に晴らして」

2004年に大ヒットしたハイスクールコメディ映画を基に、パワフルで勢いあるブロードウェイミュージカルが2018年に誕生し、トニー賞で最多12部門にノミネート。若者を中心に多くの共感を呼んだ話題作が、いよいよ日本に初上陸する。アメリカのスクールカーストの中に飛び込み、見た目も心も変化していくアフリカ育ちの純真な主人公、ケイディ・ヘロンを演じるのは生田絵梨花。『レ・ミゼラブル』『モーツァルト!』など数々のミュージカルでまばゆい才能を発揮し、2021年末に乃木坂46を卒業後も多方面で活躍する彼女が、新たにキュートでポップな舞台で躍動する。2月23日に開幕する大阪公演に先がけ、進んでいる稽古の様子や役柄についてなど語った。

――まず本作の出演オファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。

「5年前にトニー賞授賞式の中継番組に出演させていただいたとき、ちょうど『MEAN GIRLS』がノミネートされていて、そのライブパフォーマンスを観ながら『いつか私もこんなガールズパワー炸裂の作品に出てみたい』と思いました。その後ブロードウェイまで観劇にも行ったのですが、まさか出演のお話が私にくるとは思わず、驚くと同時にすごくうれしかったです」

――ブロードウェイでご覧になった舞台の感想は?

「キュートでポップな女子たちのパワーに圧倒されて楽しかったのはもちろん、結構ブラックなところや、あくどさがパンチになっていて面白いな、と思いながら観ていました」

――演じられるケイディは、アフリカで生まれ育った16歳の女の子です。

「アフリカでの暮らしってどんなものだろうとまず気になり、動画を検索し観たのですが、それだけではなかなか想像ができなくて……(笑)。ただ、作品にとって大切なのは、大自然のなかで伸び伸びと育った何にも染まっていない女の子が、学校というルールや抑圧のある社会の中に突然放り込まれたときに起こる、化学反応だと思います。今はケイディが周りのキャラクターにどう影響されるのかを、一番大事にしながらお稽古しています。また、ケイディが最初に歌うソロナンバーが、ちょっと『ライオンキング』ぽくなっているので、動物たちとの交流のなかで、野生の伸びやかさを表現できれば」

――このミュージカルの見どころは?

「登場するキャラクターたちの個性が本当に強いんです! スクールカーストのトップに君臨している人たちもいれば、そこから外れている人、中間層ぐらいで様子を見ながら生きている人たち、とさまざま。どのグループにもその人たちなりの正義や魅力的なカラーがあり、それがお客様にエネルギーとして伝わればいいなと。どのグループにも属していなかったケイディが、この学校の中でどうサバイブしていくか、というところも面白く感じていただきたいです」

――ケイディが学校の最上位に君臨するアイドル的な3人組「プラスティックス」に誘われて、次第に変身していく過程も楽しみです。

「衣装合わせはこれからなのですが、ブロードウェイ版と違ってウィッグもチェンジする予定なので、日本版はさらに見た目の変化があるのではと思っています」

――先ほど“化学反応”というお言葉がありましたが、生田さんご自身がこれまでに経験した化学反応や変化は?

「やっぱり乃木坂46に入ったことが、私を大きく変えてもらった出来事です。入ったばかりの頃は、結構みんなに怖がられていたというか、話しかけてもいいのかな?という感じだったと思います。当時、お尻を触りあうゲームが流行ったのですが、『生田さんのお尻はちょっと触れないよね』みたいな雰囲気でした(笑)。そんなかための人間だった私が、みんなと接していくうちに自分の角みたいなものが削れ、いろんな人たちが話しかけてくれるようになり、最後のほうは自分からくだらない絡みをして。顔もつり目からたれ目に。結局、人間的に柔らかいほうが化学反応が起きるというか、相手を受け入れる体制ができますよね」

――今回の稽古場の雰囲気はいかがですか。

「同世代の子が多く、作品の中のグループを超えてみんな仲良く切磋琢磨しています。『プラスティックス』のルールに、『水曜日はピンクの服を着る』というのがあり、稽古場でも水曜日にピンクの服を着るなど、とても楽しいです」

――小林香さんが演出・上演台本・訳詞を担当される日本版ですが、どのような舞台になりそうですか?

「小林さんが、『誰もが自分に起こりうる話なんだと想像してもらえることが大事だよね』と稽古の最初におっしゃって。結構物語も出てくるキャラクターもぶっ飛んでいるのですが、お客様にどこかで身近なことと思っていただけるよう、フィクションとリアリティーの間をしっかり行き来し、説得力をもたせられたらと思います」

――幅広い方が楽しめそうですね。

「作品の中にSNSの表現も出てくるのですが、今の時代、見ず知らずの人からの言葉で傷ついている人がたくさんいるでしょうし、社会や学校生活の中で、自分の居場所を探して悩んでいる方も多いと思うんです。『MEAN GIRLS』は、自分らしく他者と関わる生き方を問いながら進んでいくので、モヤモヤした気持ちなどを爽快に晴らせられるような作品にしたいです」

――最後に本作を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

「音楽も楽しいポップな作品なので、難しいことは考えずに劇場へいらしてください。女子だけではなく、男子の皆さまにも楽しんでいただけるよう、たくさんのエネルギーを放出して頑張ります!」

取材・文:小野寺亜紀
撮影:藤田晃史

ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』

■出演
生田絵梨花 田村芽実 石田ニコル 内藤大希
松原凜子 松田るか 小野塚勇人(劇団EXILE) 中谷優心
黒須洋嗣 / 壮一帆
〈アンサンブル〉
伊藤かの子 工藤彩 黒田陸 篠本りの
シュート・チェン 鈴木満梨奈 鈴木里菜 中嶋紗希
増山航平 松村桜李 村上貴亮 山﨑感音

■脚本
ティナ・フェイ
■音楽
ジェフ・リッチモンド
■作詞
ニール・ベンジャミン
■演出・上演台本・訳詞
小林 香

大阪公演

|日時|2023/02/23(木・祝)~2023/02/27(月)≪全6回≫
|会場|森ノ宮ピロティホール
▶▶ 公演詳細
▶▶ オフィシャルサイト

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