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ユースケ・サンタマリア、岩井秀人の代表作に「内容もよくわからないまま出演を決めました」

2022/12/11

インタビュー

パルコ・プロデュース2023 ミュージカル「おとこたち」

PARCO劇場50周年という記念すべき2023年、ハイバイ主宰・岩井秀人の傑作『おとこたち』を“ミュージカル“という新しい形で届ける。岩井は、2012年上演の『ヒッキー・ソトニデテミターノ』でパルコ・プロデュース公演に初登場。その後、2019年に上演した『世界は一人』(東京芸術劇場プレイハウス)でミュージシャン前野健太とタッグを組み、初のオリジナル音楽劇に挑戦。「音楽を使ってより作品世界の幅を広げる企み、試みをやっていきたい」という岩井の強い希望がこのたび、ミュージカル『おとこたち』につながったという。

2014年にハイバイ公演として初演された『おとこたち』は、2016年に再演し、全国五都市で上演された。4人の「おとこたち」の22歳から85歳になるまでの愛、不倫、老い、病、死、暴力など人生に起こるさまざまな出来事を描いた。誰が直面してもおかしくない重たい問題を詰め込みつつ、4人の「おとこたち」の散々だったけど笑ってしまう壮絶な人生をミュージカルにして繰り広げる。音楽は『世界に一人』に続く前野健太。4人の「おとこたち」を演じるのは、ユースケ・サンタマリア、藤井隆、吉原光夫、そして橋本さとしだ。大原櫻子と川上友里とともに「おとこたち」の60年の日々をつづる。

先日、ユースケ・サンタマリアが取材会に応じ、本作に向けての意気込みなどを語った。

――まず『おとこたち』の出演についてのお気持ちを教えてください。

「昔、岩井くんが演出する舞台をやったことがあるんですよ。その前に共演はしていたんですけど、演出はなくて。そのときの印象がものすごく良かったんですね。彼の演出の仕方が僕の好きなタイプで。やった感覚もすごく気持ち良かったし、終わった後もすごく寂しくて、印象に残る舞台でした。岩井くんの舞台演出で(オファーが)来て嬉しかったです。共演者も、初めての方、久しぶりにやる方がいて、皆さんとの共同作業も楽しみだし、ぶっちゃけ内容もよくわからないまま(出演を)決めました。」

――岩井秀人さんの印象が良かったということで、何か具体的なエピソードはありますか。

「岩井くんはちょっと尖った内容の舞台をやっているイメージがあって、初めて彼の前で演技をやってみせるとなったとき、ちょっと狂った感じでやんなきゃいけないのかなと思いがちなんですよ。でも、そういうことをやると「やりすぎです」って間髪入れずに言って、節度のある人だなと思いました。要は自分が思っているよりも何倍もまともで。そういうところが好きです。あと、彼の物語は大体、本当にあった話なんですよ。ちょっと盛ったりしているけど、本当にあったことを書いているだけで。あまりに内容が凄すぎて「作り話でしょ」って言われるような話なんですよね。そういうところも好きです。」

――では、共演者の皆様とのエピソードがあれば教えてください。

「大原櫻子さんと川上友里さんは初めてです。橋本さとしさんは何度かお仕事したことがあります。舞台もありますし、映像でもありますし、何より岩井くんの(第3回岩井秀人(WARE)プロデュース)『いきなり本読み!』でご一緒しているので安心できる方です。藤井くんとはバラエティーで何度かご一緒したことがあるのですが、お芝居は初めてですね。吉原さんも初めてです。今回、岩井くんも含めて男性陣が全員、年が近くて。これって、なかなかないんですよ。年齢が近い男性が主軸となって一つの物語をやることが映像でも舞台でもあんまりなくて。それはすごく求めていたものでもありました。そこに女性2人が混ざってくれて、最小限のメンバーで時間を埋める。そういうこともあんまりやったことないので、それをやるには最適な人選ではないでしょうか。」

――楽曲の印象やご自身の歌唱についてはいかがでしょうか?

「今日、初めて岩井くんと前野健太くんと3人で歌合わせみたいなことをして、楽しかったですよ。ただ、今は完全にできていない、無から有を生み出す時期なので。今ある歌詞で僕が歌ったものを聴いて、マエケンが曲を作ったり、岩井くんがひらめいたりという、そういう段階です。
歌唱については、スキル的にはもうそんなにないと自覚しています。ただ、めちゃめちゃうまい歌はそういうところになかったりするし、それが歌に自信のない僕がこういう仕事にチャレンジする理由で。100%、自分の歌がダメだったらやらないですよ。それ以前にミュージカルの仕事も来ないと思う。決してうまく歌えているとは思わないけど、自分にしか歌えない歌になればいいなと思っています。うまく歌えないんだけど、「なんか良いよね、ユースケの歌って」と思ってもらえたらいいなあと思ってます。」

――この作品は4人の男性の60年の人生を描いています。60年と聞いて、人生は短いと思いますか?それとも長いでしょうか。

「長いと思います、人生っていうのは。びっくりしますけどね、自分が今、50歳を過ぎたということが。ここまで長かったなとも思うし、幼稚園のときとか、中学生のとき、20歳過ぎた頃とかを思い返してみると相当前だなって思います。今はもう若い役は絶対来ないわけで。年相応の役しか来ない。でもその中でチョイスしていけばいいっていうか。これも考えようで。「俺はもう若い役はできないんだ!」って悲観するよりも、良いふうに考えた方が得だってこともわかるし、「この年齢だからこの役ができるんだ」と前向きになろう、なろうと頑張っているっていうか(笑)。悲観し出したらきりがないですが、僕はなるべくナチュラルに生きたいと最近はすごく思います。できればいい年のとり方をしたいですね。」

――本作の大阪公演は、2023年4月8日・9日に森ノ宮ピロティホールで行われます。大阪のお客様の印象はいかがでしょうか?

「いつも東京で初日があって、その後、大阪とか名古屋とか福岡とかでやるんですけど、公演によっては大阪から始まることもあるじゃないですか。その時、みんな勘違いしちゃうんですよ。あまりにも大阪の方の反応が良いので。コメディーだったらめちゃめちゃ笑ってくれるので、それが普通だと思って、違う土地でやったときに「全然ウケてねえやん」ってなるんですよね(笑)。大阪の方はまず、笑い慣れているのもあるし。コメディーじゃなくたって、前のめりで観てくれている印象もあります。あと、どこか我々と同じ温度感で観てくれている感じがして、すごく好きです。」

――最後に、大阪公演に向けての意気込みをお願いします。

「ミュージカルと銘打っていますが、おそらくミュージカルにならないと思います。ミュージカルみたいな、何か謎の舞台になると思います(笑)。いろんな意味で皆さんの期待を裏切られると思うので、ぜひ観に来てほしいです。自分の名前が最初に書かれている舞台も久しぶりなので、これでチケットが売れていないと俺のせいになっちゃうのでお願いします! 本当は連帯責任なんですけどね! 主役みたいになってるから!(笑)。」

撮影:源賀津己 

パルコ・プロデュース2023
ミュージカル「おとこたち」

■出演
ユースケ・サンタマリア 藤井隆 吉原光夫 
/大原櫻子 川上友里/橋本さとし 他
演奏:pf.佐山こうた b.種石幸也

■脚本・演出
岩井秀人
■音楽
前野健太

大阪公演

|日時|2023/04/08(土) 12:00 / 17:00
    2023/04/09(日) 12:00
|会場|森ノ宮ピロティホール

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