2022/10/26
取材レポ
愛すべきちょっとダメ人間たちが織り成す、カラッと笑えてホロっと泣ける舞台『今度は愛妻家 THIS TIME IT'S REAL』。 作・中谷まゆみ、演出・板垣恭一のコンビで2002年に初演。その後、映画化や韓国版舞台も上演された傑作を、人気アイドルグループ・A.B.C-Zの戸塚祥太と三倉佳奈のコンビで8年ぶりに復活。脇を固めるのは、黒沢ともよ、関西ジャニーズJr.のユニットAmBitiousのメンバーの浦陸斗、渡辺徹ら個性豊かなキャスト陣。10月7日から23日まで東京・よみうり大手町ホールにて東京公演を行い、大盛況で幕を閉じました。
そして、10月26日(水)から5日間、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで始まる大阪公演を前に、主演のA.B.C-Zの戸塚祥太が、25日に大阪・カンテレ本社で会見を行い、舞台への意気込みをアピールしました。
「まずタイトルから想像してみて、(演じる北見は)愛妻家じゃないヤツ。妻帯者なんだと思いました。妻帯者の役は舞台で演じたことがなかったので、新しいチャレンジであり、ワクワクした気持ちでした」と、当初、タイトルから抱いたイメージを語る戸塚。かつての売れっ子カメラマンだったのにもかかわらず、ある事をきっかけに、仕事もしないダメ男になってしまった主人公の北見俊介をチャーミングに演じます。「北見が、超絶売れっ子だったのにもかかわらず、何もできなくなったのには、大きな理由があるんです。北見が何で仕事ができなくなり、無気力な日々を過ごすようになったか?…という理由が僕は好きですね。自分が北見と同じ状況に陥ったら、空っぽになっちゃうのかな…と想像してしまいます」と戸塚。でも、どうしても共感できない点もあると言い、「奥さんが旅行に行きたいと相談してきたときに、『俺の飯どうすんだよ』というセリフがあるんですが、『?』ですね。全然理解できない」と憤りを見せる一幕も。「夫婦は協力し合うものだと思うので。全部白黒つける必要ないと思うけど、協力して助け合ってやればいいのにな…と。飯ぐらい自分でやれよ! と思う。でも絶対、自分がこの先に言えないだろう言葉を舞台の上で発することができることは、楽しんでいます」とニヤリ。
“愛妻家”と聞いて真っ先にイメージする芸能人については、同じジャニーズ事務所の先輩の井ノ原快彦さんを挙げ、「後輩に接するときもすごく優しくて、大きな心で導いてくれる。井ノ原さんのキラースマイル、目尻のシワ、あれは日々の生活が充実しているからこそ出るもの。愛妻家なんだろうなと想像してます! 僕も愛妻家になりたいし、なれる可能性はあると思う」。それだけに、北見の存在は、反面教師になっているという戸塚。「実際の僕はそういう人間じゃないので、ファンの方は安心してほしい(笑)。自分が結婚する時は、北見のことや、舞台のことを思い出すと思うけれど、結婚願望はそこまでないんです。でも自分の子どもには出会ってみたいな…と思いますね。できる限り、子育てには協力したい。事実婚でもいいのかなと思っています。それ以前に、もっと恋したり、失恋したりとかも経験したいですね」とはにかみました。
子どもの存在を想像するようになったのは、演出の板垣恭一がきっかけだといい、「板垣さんが演出する時、一つ一つを丁寧に言語化して説明してくれたんです。自分たちの可能性の中で演技を広げてくれる人でした。そんな中、共演する同じ事務所の後輩、浦陸斗くんの跳ね具合(成長ぶり)がハンパなかった。それを見ると、自分も子どもに対し、しっかりと向き合って、時間を割いて、できる限りの環境を用意してあげたいと思いましたね。パパ活?でなく、イクメンしたいです(笑)」と述べ、報道陣の笑いを誘いました。
ちなみに浦との関係については、「東京公演では、楽屋が一緒だったので、毎日僕がくだらないこと言って、浦くんがいい感じに返してくれていました。先輩後輩というより、何でも話せる間柄になれているのではと思っています」と仲良しぶりをアピール。さらに、「初日にカレーのお弁当が出た時、野菜カレーとチキンカレーあって。チキンと書いてあった弁当をとったのに、野菜がゴロゴロ入っていて。最後の一口で『チキンいつ出てくるんだろう…?』と言ったら、浦くんが『野菜カレーですやん』と。浦くんは野菜と気づいていたのに、チキンだと思って食べていた僕を見守ってくれていたんです(笑)。僕のおかしいところが浦くんにばれてしまって、ずっとツボに入って笑ってました。でも、弁当に紙が貼ってあったんでね。人間はどれだけ先入観に縛られているのか考えましたよ。チキンと書いてあったから、チキンだと…すごい学びがありました」としみじみ語り、ここでも報道陣の笑いを誘う戸塚。
夫婦役を演じる三倉佳奈とは、役作りのため、いがみ合いつつも、心の距離は近い関係を築くため、稽古中も常に一緒にいたと言います。「脚本に書かれていないことを2人で話し合ったりしました。『どんな音楽聞くの?』とか。なので、本番前に楽屋でその音楽を聞いたりもしていましたね」。それはすべて、演技に深みを出すためだと語る戸塚。「ストレートプレイでの表現は、より、そういうものが大事になってくるのかなと。ミュージカルのように、踊りや歌のシーンがあれば、気持ちをそこまで引き上げてくれると思います。でもその助走が取れないので、自分たちが想像したストーリーをなるべく鮮明に頭の中に描きました」と振り返ります。
ジャニーズJr.時代からステージや舞台出演していた思い出の地、大阪で楽しみにしていることを問われ、散歩と答えた戸塚。「ぷらぷら歩くのが好きなんです。(妻役の)さくらは沖縄に行くんですが、大阪にも来てたんじゃないかな…と想像しながら、大阪を練り歩きたいですね。浦くんに聞いて、新しいお店とかも開拓しようかなと思います」とニッコリ。
最後には、「思い出の地である大阪で、たくさんの愛しい気持ちが詰まった『今度は愛妻家』を上演できることは幸せなこと。この5日間、幸せをかみ締めながら、物語をお客さんに届けたいです。そして、お客さん自身の物語を自分で愛おしいなと思ってもらい、自分で自分を抱きしめてあげてほしいですね。その手助けやきっかけができればと思いながら、ステージに立ちたいと思います」と、大阪公演を楽しみにしてくれている方たちに意気込みを語りました。
たくさん笑って、たくさん泣ける舞台『今度は愛妻家 THIS TIME IT'S REAL』。是非、この秋、舞台を鑑賞して、さらに、みなさんの大切な人たちに優しく接してみませんか?
舞台「今度は愛妻家」
■作
中谷まゆみ
■演出
板垣恭一
■出演
戸塚祥太(A.B.C-Z) 三倉佳奈
黒沢ともよ 浦 陸斗(AmBitious/関西ジャニーズJr.)
渡辺 徹
|日時|2022/10/26(水)~2022/10/30(日)≪全6回≫
|会場|COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
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主催:サンライズプロモーション東京/関西テレビ放送