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クミコ40周年、原点の歌に今の時代を重ねて

2022/7/4

インタビュー

『「銀巴里」から40年… クミココンサート2022 わが麗しき歌物語Vol.5愛しかない時』

 原爆の子の像・佐々木禎子の生涯をつづる歌「INORI~祈り~」で2010年の紅白歌合戦に出演したクミコ。今年は、銀座7丁目にあったシャンソン喫茶、伝説の銀巴里デビューから40周年。この節目に自身の原点という「愛しかない時」を新リリース、自らのコンサート「わが麗しき歌物語」で披露する。
 時代と関わる歌を歌いたくて歌い手になった彼女が、27歳で出会った「愛しかない時」は、初めて自分の言葉で歌いたいと思った曲という。反戦歌として知られるジャック・ブレルの曲を、「愛だけを武器にどうやって世の中と対峙(たいじ)しているのか」という歌だと解釈し、自ら作詞。その後「INORI~祈り~」など平和の歌と共に大切に歌い続けてきた。「世界平和に少しでも貢献できるよう、みんなが頑張っている」。しかし、その思いはロシアのウクライナ侵攻で、あっと言う間に打ち砕かれた。その時の無力感。「もう歌う意味がない」と思うほど落ち込んだ。
 ドキュメンタリー番組の取材でウクライナの首都キーウを16年に2度訪問した、その後も交流があり「他人事ではなく、感情が地続きに」。重い心を抱えた数カ月、吹っ切れたのは音楽番組への出演で、コロナ規制が緩んだ満席の観客からの拍手だった。「不思議にも、その拍手で驚くほど力が入ってきて」。それがこのインタビューの2日前、新リリース寸前だった。
 「どんなことがあっても、平和や愛を信じて前に向かって進んでいく。私の立ち位置を確認できました。これまで『また明日がある』と思って歌ってきたけれど、今回初めて『明日はないかもしれない』と思いました。お客様に私の歌で心が震える経験をしていただけるよう、今しかできないことを全力投球でやります。どうか見届けてください」。覚悟を決めたクミコの魂の歌が待っている。

取材・文=高橋晴代

『「銀巴里」から40年…
クミココンサート2022
わが麗しき歌物語Vol.5愛しかない時』

|日時|2022/08/13(土) 15:30
|会場|サンケイホールブリーゼ

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