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KEP ONLINE Online Magazine

「めざクラ」妹バージョンはゆったり、
音楽物語仕立て

2019/10/17

取材レポ

めざましクラシックス in SACAY

ヴァイオリニスト松本蘭 インタビュー

軽妙なトークを交え、クラシックもポピュラーも楽しく聞かせてくれる
「めざましクラシックス」が、オープンしたばかりの
フェニーチェ堺に登場する。
クラシック好きで知られるフジテレビアナウンサー軽部真一と
コンビを組むのはヴァイオリニスト松本蘭。
軽部と共に1997年に「めざクラ」を立ち上げた高嶋ちさ子に
認められ、蘭バージョン「めざクラ」が2014年に誕生した。
姉貴分のちさ子バージョンとは異なる個性で客席を魅了する。

「ちさ子さんのような刺激的なトークはできないので、蘭バージョンの『めざクラ』は、音楽物語仕立てで軽部さんの臨場感あふれる朗読と音楽をゆったり楽しんでいただく趣向。1本のショートフィルムのようなイメージです」

毎回、Jポップのアーティストもゲストに招く。今回は家入レオ。「どんな共演になるのか、私もとても楽しみです」

松本が初めて「めざクラ」で高嶋と共演したのはまだ桐朋学園大学在学中の2003年。師事していた日本を代表するヴァイオリニスト・徳永二男の紹介だった。高嶋も徳永の門下生、2人は「姉妹弟子」なのである。「大きなホールで、お客様がみんな笑顔。こんなに楽しいクラシックがあるのか!と、雷に打たれたような衝撃でした」

2006年から3年間、「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」のメンバーとしても演奏した。「私の80%、90%はちさ子さんの影響で出来ている」という。「常にお客様のことを考え、客席とステージが一体化したコンサートをつくるちさ子さんの姿にいつも感動します」

松本の活動は多彩だ。作曲やアルバムのセルフプロデュースを手がけ、海外での演奏経験も豊富。2009年にはミス日本コンテストでミス着物に選ばれた。それをきっかけに「和の世界」に惹かれ、津軽三味線の吉田兄弟、歌舞伎役者の七代目市川染五郎(現・十代目松本幸四郎)などとのコラボレーションも重ねている。師の徳永は「音楽をジャンル分けする必要はない。ただ、芯はクラシックであることを忘れず、常に腕を磨きなさい」と松本の背中を押した。

活動はアグレッシブだが、彼女を包む空気は柔らかい。8月に第一子を出産したばかり。「どんなに大きな音で練習してもスヤスヤ眠っています。親孝行な子です」

取材・文:佐藤千晴 
撮影:藤田晃史 

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