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NOPPO ×kazuki にインタビュー
〝心のゴミ〟を笑いたっぷりに表現

2022/6/26

インタビュー

s**t kingz 結成15周年舞台公演 超踊る喜劇。HELLO ROOMIES!!!

 今年で結成15周年を迎える4人組のダンスパフォーマンスグループ、s**t kingz(シットキングス)。2020年にコロナ禍でやむなく中止となった新作公演『HELLO ROOMIES!!!』(ハロー・ルーミーズ)がいよいよ秋に上演される。今作では新メンバーとして、何ともキュートでかわいらしい人形のA子が加わる。4人が彼女の“心のゴミ”や、A子を取り巻くハチャメチャなキャラクターたちをダンスで物語として表現するコメディだ。どんな作品になるのか、メンバーのkazukiとNOPPOに話を聞いた。

――心のゴミという表現が面白いなと思うのですが、テーマにしようとしたきっかけは?

kazuki
 「ネットである記事を読んだんですが、朝起きて、アラームを止める、止めない、シャワーを浴びる、浴びないなど、人間は毎日6万回の選択をするそうです。逆を選んだほうが良かったと悩む人は多いと思うんですよね。僕らもダンサーとして生きていく中でいろんな選択をしていて、あれは間違いだったかもと思うことはあります。その結果、心の中にモヤモヤと引っかかる“ゴミのようなもの”が常に生まれてきて、それは毎日溜まっていく。コロナ禍も加わって、すべてのゴミを捨ててなくすことは難しいですよね。でも、もっと自信を持って何かを選択していきたい。そういったことを物語にしたら面白いんじゃないかとメンバーで話し合いました。僕らが“心のゴミ”をダンスで表現することで、きっとお客さんは自分自身の日常を見ている気分になると思うんです。すごく共感してもらえると思いますね」
NOPPO 「kazukiが言ったように、生きていく上で必ずゴミのようなモヤモヤは出てくる。そのモヤモヤと、どううまくつきあっていくか。モヤモヤは常にそこにあるものです。でも、“シッキン”(s**t kingzの略)みたいなモヤモヤだったら頑張れるかもというポジティブな思いを伝えたいですね」

――今回、A子を人形にしようと思ったのはなぜでしょう。

kazuki
 「今までシッキンはずっと4人だけでやってきているので、そこに少しスパイスを入れたいなというのは少なからずあって。でも、例えば、ダンサーや女優を入れると何か違う、シッキンがやるエンタテインメントとは少し違う気がしたんです」
NOPPO 「ダンススキルを見せるというより、面白くて見たことがないようなパフォーマンスにしたいと考えた時に、人形というアイデアが浮かびました」
kazuki 「A子を使ってパフォーマンスしていくうちに、彼女がだんだん人に見えてくると思うんです。そもそも人形なので、誰でもない。お客さんたちには、A子を自分のように置き換えていろんな感じ方をしてもらえたら嬉しいなと思っています」

――A子を入れることでダンスはどう変わるのでしょうか。

kazuki
 「彼女がまるで動いているかのように僕らが操り、5人組としてパフォーマンスしていくのが新たな挑戦です。今まで見たことないパフォーマンスが生まれると思っています」
NOPPO 「巧みさはシッキンの魅力ですが、一人で立っていられない、すごく大変で手間がかかる子が増えたので(笑)、巧み+わちゃわちゃした楽しい感じになると思います」
kazuki 「すでにA子はイベントで僕らと一緒に地方に行ったり、インスタグラムにランチを投稿したりと大活躍です。僕らよりいいものを食べているんですよ(笑)」

――今作のコンセプトソングとして配信された楽曲「心躍らせてfeat.上野大樹」のPVを拝見すると、皆さんはスッとしてクールなキレイなゴミですよね(笑)。自分の心のゴミがああだったらいいのにと思いました(笑)。

kazuki
NOPPO 「(笑)」
kazuki 「”心のゴミ”は臭いとか汚いとかではなく、どこかに引っかかっているもの。ゴミとは呼んでいますけど、皆さんもそれを抱えながら生活していると思うので、いい意味で向き合う機会になればいいなと思います」
NOPPO 「衣装も引っかかったり絡まったりするイメージですし、質感も意識して作ってもらいました」

――ところで、話は変わりますが、お二人は幼なじみだそうですね。

Kazuki
 「別に隠していたわけではないですが(笑)、知る人ぞ知るでした。学校は違うんですが、小学校5、6年生ぐらいの時にダンスで出会いました。NOPPOはサーファーが多い地元のグループで、皆、ロン毛で茶髪。僕らのグループは黒髪のおかっぱです(笑)。NOPPOはそのころから花形でキラッキラして見えました」
NOPPO  「kazukiたちもダンスがめちゃくちゃうまくて、それに洋楽を使っているから、なんだこいつらと(笑)」
kazuki 「気になるチームが隣にいると、これみよがしに技の練習をするんですけど(笑)、マックスという技をNOPPOがやっていたから、「何それできんの?」と仲良くなりました」

――長い付き合いですね。また、NOPPOさんはジム・キャリー、kazukiさんはマイケル・ジャクソンがお好きだそうで、好みやダンススタイルも違っていて面白いですね。

NOPPO
 「僕は映画「マスク」のダンスシーンにすごく影響を受けて。隙あらばいろんな所を誇張するところが好きです」

――ダンスにもその影響はありますか。

NOPPO
 「どうですかね?」
kazuki 「僕はむちゃくちゃに感じます。舞台でしか見せないコミカルな体の動きやポーズはジム・キャリーそのものの気がします。硬いものがムニュッと曲がるような変なゆがみ方をする(笑)」
NOPPO 「ハハハハッ」

――kazukiさんのダンスはいかがでしょう。

NOPPO
 「kazukiはすごくカッコよくて、手の動きや指の長さに色気があるからポーズも決まる。僕はあまりポーズがカッコよく見えないんです」
kazuki 「僕はNOPPOの長身と緩急あるダンスの良さが欲しいんですけど」
NOPPO 「二人を足して割ったらちょうどいいのかも(笑)。kazukiは足が大きいからステップの横軸の動きも見やすくていいんです。マイケルの動きとか」
kazuki 「マイケルはフェミニンでジェンダーレスな感じで、シルエットやラインがすごくセクシーです。ただ、モノマネをしたいわけではなく、あの雰囲気を自分で感じたいと思って踊っていますね」

――舞台では、皆さんの個性にも注目したいです。それでは、最後にメッセージをお願いします。

kazuki
 「お客さんが普段抱えている悩みやモヤモヤが少しでも軽くなるような内容ですし、何も考えずに笑ってダンスを楽しんでいただけたら。大阪のお笑いに負けないように頑張るので、ぜひ、見に来てください」
NOPPO 「お客さんをどう笑わせるかに重きをおいていて、ダンスに興味がない人でも面白いはず。色んな方に来ていただきたいですね」

TEXT:米満ゆう子

s**t kingz 結成15周年舞台公演
超踊る喜劇。
HELLO ROOMIES!!!


【大阪公演】
|日時|2022/11/10(木)~2022/11/13(日)≪全5回≫
|会場|森ノ宮ピロティホール

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