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東京で18万人以上を動員した圧倒的迫力!「バンクシーって誰?展」開幕

2022/4/26

その他

バンクシーって誰?展

撮影OK!東京で18万人以上を動員した圧倒的迫力!

2022年4月23日(土)- 6月12日(日)の期間、グランフロント大阪北館ナレッジキャピタルイベントラボにて「バンクシーって誰?展」が開催中。ストリートでの表現を続けるアート界の異端児“バンクシー”。2018年に、少女と赤い風船を描いた作品が高額落札されるや、額に仕込まれたシュレッダーで突如細断。瞬く間に世界中で報道され、話題をさらいました。日本では、バンクシー作品と思われるネズミの絵が発見されると、大手メディアやSNSで拡散、認知度が上がりました。しかし創作活動の全貌や動機など、その真相が分かる者は依然少なく、謎に包まれた存在です。本展は、世界各都市を巡回し人気を博した「ジ・アート・オブ・バンクシー展」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介する意欲的な展覧会です。プライベート・コレクターの秘蔵作品の展示に加え、活動の主戦場である“ストリート” に焦点を当て、テレビ局ならではの街並み再現展示で没入空間を体感していただきます。

―― それはまるで“映画のセット”。ストリート・アーティストの先人であり、現代アートの巨匠でもあるヘリングやバスキアの次世代として、いま世界で最も注目を集める時代の先駆者“バンクシー”。その活動の意味を、幅広い世代に楽しく理解していただける貴重な機会となります!

  

エントランスを入ってすぐ来場者を出迎えるのは、バンクシーが2005年にパレスチナで発表した、火炎瓶の代わりに花束を投げる人物を描いた巨大な壁画《FlowerThrower》。それを過ぎると、主にイギリスで発表された作品群のエリアから始まる。まず、2020年にブリストルで発表された《Aachoo!!》。急な坂道に描かれた本作では、老婆が大きなくしゃみをし、口から入れ歯も飛び出している滑稽な様子が描かれているが、これはコロナ禍にマスクをつけず飛沫やウイルスが拡散することへの警鐘とも考えられている。そして、現在は見られなくなってしまった《Spy Booth》と《Whitewashing Lascaux》。前者は公衆電話を取り囲むスパイ風の男達を描いたもので、国家による監視を風刺していると考えられている。後者は「バンクシー・トンネル」とも呼ばれるトンネルの再現。これを抜けると、バンクシーが2014年にブリストルで発表した《Girl with a PiercedEardrum》が現れる。こちらはフェルメール作《真珠の耳飾りの少女》をモチーフに、その耳飾りを黄色の警報器で表現した作品だったが、後にマスクが付け加えられた。

《FlowerThrower》
入り口に壁一面の巨大アートがお出迎え。

《Aachoo!!》
柵の中に入って撮影もOK。

《Spy Booth》
中にある電話機もイギリスからわざわざ輸入。雑草もリアル。

《Girl with a PiercedEardrum》
耳飾りの部分には黄色の警報器

そして、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のポスターをモチーフにしたパロディ壁画も。2016年にロンドンのフランス大使館前に出現したこの作品は、フランス警察がカレーの難民キャンプで催涙ガスを使ったことへの抗議と考えられている。この先は主にアメリカで発表された作品が並ぶエリア。2006年のアメリカでの個展で発表され、本物のインド象を展示した《Barely Legal》の再現を抜けると、道路に設置された消火栓をハンマーで叩こうとしている子供のシルエットが現れる。これは、バンクシーが2013年にニューヨークで行ったプロジェクト「Better Out Than In」の中で描かれた《Hammer Boy》の再現だ。このプロジェクトは、バンクシーがニューヨークで毎日一つずつ作品をストリートに描き、その写真をInstagramに投稿していったもので、その全貌を紹介したマップ・インスタレーションも展示される。

《Hammer Boy》

次は主に中東で発表された作品が並ぶエリア。防弾チョッキを着て胸が的にされている鳩の壁画《Bullet-Proofed Dove》、イスラエルによる軍事行動で廃墟と化したパレスチナ・ガザ地区に描かれた子猫の壁画《Giant Kitten》、シリア難民の息子でアップル創業者のスティーブ・ジョブズを描いた《The Son of a Migrant from Syria》、そして、2017年にバンクシーがベツレヘムにオープンした「The Walled Off Hotel」の一部が出現する。イスラエル政府が築いた壁の前に建てられたこのホテルは、「世界一眺めの悪いホテル」とも呼ばれる。本展最後の空間では、2018年のサザビーズのオークションで切り刻まれた少女と赤い風船の基であり、2002年にロンドンで描かれた《Girl with Balloon》が現れる。

≪Giant Kitten≫
猫が遊ぶ毛玉に見立てた鉄くず

《Girl with Balloon》
雑草を埋め込んだり、配線を付け足したりして、リアルに作り込み。

 

「バンクシーって誰?展」プロデューサー日本テレビ・落合ギャラン 健造 氏

◆そもそも美術展のプロデューサーとは…?

海外の美術館からどんな作品を持ってくると興味を持ってもらえるのか、面白いんじゃないか、と時勢を読んだりしながら企画をしていく立場です。また、展覧会のテレビCM、特番、チラシやポスター等の宣伝面もプロデュースし、更には、来場者が聞く音声ガイドを担当頂く方を探して交渉したり、グッズの企画等、より展覧会を楽しんで頂く為のプロデュースもおこないます。

◆「バンクシーって誰?展」をやろうと思ったきっかけ

2018年にバンクシーの作品『風船と少女』が、サザビーズのオークション会場で突如シュレッダーで裁断されるという、アート界におけるある種の大事件が起きました。それが瞬く間にメディアやSNSで世界中に拡散されるのを目の当たりにして、このアーティストはアートという平和的な手法で、世の中に国籍、言語問わずにメッセージを届ける、現代アートの最先端をいってる人だな、と思い注目しました。もしバンクシーを扱った展覧会を出来れば、新たなチャレンジだし、画期的なのでは、と思ったのがきっかけです。

◆「バンクシーって誰?展」再現展示で工夫した点

バンクシーの作品のハイライトが、海外の街並みの中で疑似体験できるように仕立てました。バンクシーはストリートアーティストですので、美術館空間で陳列された作品を1点1点鑑賞する、という類の作家では元々ないんですよね。バンクシーが時と場所を考えて、ストリートにグラフィティ(作品)をボム(投下)してきた緊張感やサイズ感や、こういう社会情勢の中で書いたんだ、という事を伝えられないと勿体ないと思い、展覧会全体を体感型で楽しいものに仕立てつつ、作品に込められたメッセージや本質が伝わるように工夫しました。

◆再現展示で苦労した点

扱うテーマが難し過ぎず、ユーモアも残しながら、バンクシーのメッセージが日本人にも伝わり易い作品に絞り込むのに時間がかかりました。街並みの再現に際しては、日本テレビアート(テレビの美術セット等を作る会社)が、熟練の職人を集めてくれました。街並みや風景の中にバンクシーの作品が映り込んだ写真を基に、様々な本物の小道具を海外から輸入したり、エイジングと呼ばれる"汚し"を施したり、より立体的でリアルな展示演出に拘りました。

◆「ゴミ」の小道具がリアルすぎて清掃の方が捨てそうになった、と聞きました。

東京展では、道端に置いていたタバコの吸い殻の小道具が微妙に減っていきました。演出の一部なのですが、お掃除が行き届き過ぎたのだと思います(笑) 因みにセットのゴミ箱に捨ててある「ゴミ」も海外からわざわざ取り寄せたものもあります。コロナ禍に突入し、テレビや映画、舞台演劇のセットの制作等、最前線で活躍される熟練の職人の現場が、次々とキャンセルになったんですけど、この展覧会の発注だけは残って。そういった方々のノウハウが集結し、職人の皆さんが力を発揮する場となりました。本当に皆さん、ギリギリまでこだわって作ってくれました。

◆この展覧会の楽しみ方

コロナ禍で世界各地に行けないので、ぜひ会場に足を運んで、旅気分で色んな写真を撮って頂けたら幸いです。自宅に帰った後に写真を見返して「なんだかいつもと違う体験だったな」と思い返したり、作品の意味合いやバンクシーが込めたメッセージを、後からでもじっくり消化して頂ければと思います。今、日本にバンクシーが居たらどんな絵を描くんだろうな、等と思いを巡らせるのも良いですよね。この展覧会で現地の雰囲気を少しでも感じてもらって、コロナの状況が落ち着いたら、是非、世界各地でバンクシーの作品を探して見てもらえると嬉しいです。また、中村倫也さんによる音声ガイドもとても聞きやすいと思います。会場には解説パネルもありますが、更に踏み込んだ内容で、倫也さんの素敵な声と共に心地よく旅に出られる演出になっているので、そちらもオススメです。バンクシーを取材した事があるという人に話を聞いたんですけど、「あなたは何でこの活動をしているんですか?」という質問に対して、しばらく考えたバンクシーが「世界平和のためだ」と答えたそうです。特に今の世界情勢の中で、バンクシーの作品の持つ意味合いが強まってきていると思います。ぜひ会場で見て感じた事を、世界に拡散してもらえると、バンクシーも喜ぶんじゃないかな、と思いますね。

落合ギャラン 健造(Kenzo Ochiai-Galand)/カナダ、モントリオール出身。早稲田大学政治経済学部卒。大学から日本へ移住し、劇団俳優座を経て、2005年に株式会社スタジオジブリ入社。海外事業部で長編作品の海外プロモートやジブリ美術館の企画展制作、イベント事業室でアニメーションの原画展制作などに携わり、2015年に日本テレビ入社。グローバルビジネス局イベント事業部でプロデューサーとして主に美術展を担当。主な展覧会は、2016年「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展や2017年「ディズニー・アート展」、2021年は「バンクシーって誰?展」と「庵野秀明展」を担当。

  

グランフロント大阪 北館1階カフェラボにて「バンクシーって誰?展」とのコラボカフェ開催!

期間中、会場となりのカフェラボにて「バンクシーって誰?展」とのコラボカフェを開催いたします。バンクシーの人気作品を舌で楽しめるオリジナルメニュー6品(全7種)を提供します。展覧会のキービジュアルに採用されているバンクシーの代表作『Love is in the Air』を季節のフルーツとエディブルフラワー(食べられる花)で表現した国産そばのガレットや、バンクシー作品でもっとも有名とされる『Girl with Balloon(『風船と少女』)』をモチーフにしたふわふわの窯焼きパンケーキなど、スイーツ2品、ドリンク3品(4種)、パスタ1品が登場します。

<コラボカフェ概要>
販売期間:2022年4月23日(土)~ 6月12日(日)
販売時間:(平日)9:00~21:00、(土日祝)8:00~21:00
会場:グランフロント大阪 北館1階 ナレッジキャピタル「カフェラボ」
※数に限りがあります。
※社会情勢の変化により、営業時間を変更する場合がございます。

  

アンバサダー・音声ガイド 中村倫也さん

中村倫也さんが音声ガイドに挑戦!
[コメント]時に、1つのアートは100の言葉を並べるよりも雄弁にものを語る時がある。シニカルな目線で相反する要素を焚べたグラフィティ。バンクシーとは誰なのか?彼の原理は一体なんなのか?今回の展示は、そんな現代最高の「?」マークを体感する旅になる予感がする。楽しみです。
[プロフィール]1986年12月24日、東京都生まれ。2005年、俳優デビュー。2014年「ヒストリーボーイズ」にて舞台初主演を務め、第22回読売演劇大賞男優賞を受賞。ドラマ、映画、舞台、CMなど、幅広いフィールドで活躍し、作品ごとにまったく異なる顔を魅せる、その演技力や表現力が注目されている。初のエッセイ集「THEやんごとなき雑談」が発売中。

   

バンクシーって誰?展

■会期
2022/04/23(土)~2022/06/12(日)

■時間
平日 11:00~20:00
土日祝 10:00~19:00
※最終入場は閉館時間の30分前まで
※4/23(土) 初日は11:00~
※5/13(金) は18:30閉館

■会場
ナレッジキャピタル EVENT lab.

公式ウェブサイト:https://whoisbanksy-osaka.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/whoisbanksy_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/whoisbanksy_jp/

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