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【取材会レポート】福士蒼汰が朗読劇に挑戦「坂元裕二 朗読劇2021」

2021/4/20

取材レポ

坂元裕二 朗読劇2021 「忘れえぬ、忘れえぬ」、「初恋」と「不倫」

初の朗読劇は「没入感があり面白い」
ジェットコースター的な世界観へ

ドラマ「最高の離婚」「カルテット」や、映画「花束みたいな恋をした」など多くのヒット作を生み出してきた人気脚本家・坂元裕二。彼が作・演出を手掛ける朗読劇は、2012年より様々な俳優の組み合わせで上演され話題を集めてきたが、このたび初めて大阪に登場する。

 

坂元裕二 朗読劇2021『「忘れえぬ 忘れえぬ」、「初恋」と「不倫」』にて、小芝風花と二人で3作品の朗読を回替わりで披露する福士蒼汰が、取材会をおこなった。「朗読劇は初めてで、声のみでのお芝居が自分にできるのか不安がありましたが、台本をいただき稽古するうちに『面白いかも』と思えてきました。深くその空間に入り込める没入感があり、僕自身すごく驚きました」。

 

作品は、書き下ろしの新作「忘れえぬ 忘れえぬ」と、男のもとに初恋の女から手紙が届く「不帰(かえらず)の初恋、海老名SA」、妻が地雷撤去のボランティアに行くと出ていった数カ月後、ある事実が分かる「カラシニコフ不倫海峡」の3本。福士は全くタイプの違う男性を表現することになり、「役者としてすごく楽しいです」と声を弾ませる。


「『忘れえぬ――』は特徴的なキャラクターで、恋愛とはまたちょっと違うような形になってくるのかなと。『初恋』はすごくピュアな恋愛模様が描かれているけど、それだけじゃないところもあります。『不倫』は大人の入り混じったような恋愛で、一人の男性としてずる賢い部分や汚れた部分も見えてきたり…。行動の動機がそれぞれ全然違いますし、年齢も10代から30代ぐらいまでと幅広い作品もあるので、声色も変わってくると思います」。

 

いずれも男と女の物語だが、3作品に共通しているのは「依存性」だと感じるという。「二人がお互い支え合ったり突き放したりするのは、依存し合っているからで、そこで摩擦が起きるんだと僕は思います。それは人が生きていくうえでの根源的なもので、共感したり考えさせられたりすると思います」と、福士ならではの洞察力を披露した。

 

舞台には椅子が2脚。そこに座っての朗読となるが、坂元からは「自由でいいよ」とアドバイスを受けた。「クッションがあるんですけど、それを使っても使わなくてもいいし、作品に集中していれば自由に、いつものお芝居のように演じて下さい、と言われました。新たな挑戦ですが自分を信じて取り組みたいです」。

小芝とは稽古で、「雰囲気を作り出そうとか意識せず、もっとライトに演じたほうがお客さんには面白く見てもらえるのでは」などと話し合ったという。「小芝さんは本を読むのがとても上手で、きれいな音で言葉を発するので、一緒に演じていて気持ちいいです」と、信頼度は高い。

 

福士はこれまで、劇団☆新感線『「髑髏城の七人」Season月<上弦の月>』で激しい殺陣を披露するなど、舞台での躍動的な姿が印象的だ。「ステージに立つことは好きだし、初めての朗読劇ですが楽しくなるだろうと想像しています。坂元さんの脚本だからこそ、ジェットコースターのような感覚がすごくあり、階段を上るとそこからバーンっと落とされるような衝撃的な台詞や描写が結構あります。今まで朗読劇を観たことがない人も、この作品から入ればドハマりしてしまうのではというぐらい言葉にパワーがあるので、楽しんでもらいたいです」。

 

同作の大阪公演では最終キャストとして登場する、福士蒼汰×小芝風花の新たな組み合わせ。二人から発せられる言葉や表情と、諭吉佳作/menの音楽で創り上げる、切なさと優しさとおかしみに満ちた坂元裕二の世界を味わって。

 

取材・文:小野寺亜紀

坂元裕二 朗読劇2021
「忘れえぬ、忘れえぬ」、「初恋」と「不倫」

■上演作品
「忘れえぬ 忘れえぬ」
「不帰(かえらず)の初恋、海老名SA」
「カラシニコフ不倫海峡」

■出演
風間俊介 × 松岡茉優 福士蒼汰 × 小芝風花

■作・演出
坂元裕二
■音楽
諭吉佳作 / men


2021/04/28(水)~2021/05/02(日)≪全7回≫
松下IMPホール

※日により出演者が異なります

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